インド神話・伝承
インド神話は『リグ・ヴェーダ』を聖典とするバラモン教のヴェーダ神話とその後のヒンドゥー教の神話である。本項にはインド伝承も含む。
ヴェーダ神話(バラモン教)
ヴェーダ神話は、古代アーリア人がインドに持ち込んだ自然神を崇拝する宗教で、『リグ・ヴェーダ』(前1500-900年)を聖典とする。神々はデーヴァ族とアスラ族に分類される。デーヴァ族はインドラを筆頭に現世利益を司り、アスラ族はヴァルナを筆頭に倫理と法を司る。次第に現世利益的なデーヴァ信仰が盛んになり、アスラ族は神々に敵対する種族になっていく。創造神話としては、原初の水から創造神が誕生した物語、神々が原人プルシャを殺害して世界を創造した物語などがある。
ヴェーダ文献には、ブラーフマナ(祭儀書)とウパニシャッド(奥義書)も加えられる。ブラーフマナはヴェーダ文献を解説し、祭司的な手法を説明するもので、創造神プラジャーパティを最高神とする創造神話が説かれるが、次第に最高原理ブラフマンの重要性が高まり、人格神ブラフマーによる宇宙創造が説かれるようになった。暴風神ルドラ(シヴァの前身)の説話など、後のヒンドゥー神話への影響は大きい。ウパニシャッドは神秘的哲学を説く。特にアートマンとブラフマンの本質的同一性(梵我一如)を説く部分は、後代のインド神話の世界観に大きな影響を与えた。
ヴェーダ神話の主な神々
ヒンドゥー教
ヒンドゥー教においては、ラーマ王子の冒険を描く『ラーマーヤナ』(3世紀)とバラタ族の内紛と大戦争を描く『マハーバーラタ』(4世紀頃)の中で、さまざまな神話・伝承を伝えている。さらに百科全書的なプラーナ(古伝)文献が作られた。この中で重要な神々は、創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァで、三神一体の最高神とされる。
ヒンドゥー教における主な神々
インド神話全項目
- アイヤッパン
- アイラーヴァタ
- アヴァターラ
- アガースラ
- アグニ
- アシュヴィン双神
- 阿修羅(あしゅら) → アスラ
- アスラ
- アディティ
- アナンタ
- アプサラス
- アムリタ
- アラクシュミー
- アリヤマン
- インドラ
- インドラジット → メーガナーダ
- ヴァースキ
- ヴァーハナ
- ヴァーユ
- ヴァナラ
- ヴァラーハ
- ヴァルナ
- ヴィシュヌ
- ヴィビーシャナ
- ウシャス
- ヴリトラ
- カーマ
- カーリー
- カーリヤ
- 餓鬼(がき) → プレータ
- カドゥルー
- ガネーシャ
- カバンダ
- カリ
- カルコタカ
- ガルダ
- ガンガー
- カンサ
- ガンダルヴァ
- キールティムカ
- キンナラ
- クベーラ
- クムバーンダ
- クムバカルナ
- クリシュナ
- ケーシー
- ケートゥ
- サーラメーヤ
- サラスヴァティー
- シヴァ
- シェーシャ
- シャカタ
- シャバラ → サーラメーヤ
- ジャランダラ
- シュールパナカー
- シュムバ
- シュヤーマ → サーラメーヤ
- スヴァーハー
- スーリヤ
- スカンダ
- ソーマ
- ターラカ
- 帝釈天(たいしゃくてん) → インドラ
- ダンヴァンタリ
- チャンドラ
- チュレル
- ディヤウス
- デーヴァ
- 天(てん) → デーヴァ
- ドゥルガー
- トリナーヴァルタ
- ナーガ
- ナラカ
- ナラシンハ
- ナンディン
- ニシュムバ → シュムバ
- パールヴァティー
- バカ
- ハヌマーン
- ハムサ
- パラヴァーニ
- ピシャーチャ
- ピトリ
- ヒラニヤークシャ
- ヒラニヤカシプ
- ブータ
- プータナー
- ブラフマー
- プリティヴィー
- プルシャ
- プレータ
- 梵天(ぼんてん) → ブラフマー
- マーラ
- マーリーチャ
- マカラ
- マサーン
- マヒシャースラ
- ミトラ
- ムーサカ
- メーガナーダ
- ヤクシャ
- ヤマ
- ラーヴァナ
- ラークシャサ
- ラーフ
- ラクシュミー
- ラクタビージャ