マカラ

分　類インド神話
名　称 मकर 〔makara〕（マカラ）【サンスクリット】
容　姿ワニのような頭部を持った魚の怪物。
特　徴神々の乗り物となる聖獣。
出　典－

神々を背中に乗せる怪魚！？

マカラはインド神話に登場する怪魚。インドの河や湖に棲む巨大な魚の怪物で、ガンジス河の女神ガンガーや水の神ヴァルナなどの乗り物（ヴァーハナ）として活躍している。古くはワニのような姿で描かれているが、次第に、ワニなどの陸上動物の頭部を持ち、下半身が尾びれを持った魚やとぐろを巻いたヘビのような姿で描かれるようになる。美術品などの造形を見ると、獣のような短い前脚を２本だけ持つものもいれば、ゾウのような長い鼻と牙を持つものもいる。図像では、上部に大きな口を開けたキールティムカ、左右にマカラという形で配置されることが多く、これは東南アジアや中国など、あちこちの寺院、遺跡などで見ることができる。後世のマカラの造形は、古代ギリシアの海の怪物ケートスの影響を受けていると指摘する学者もいる。

玄奘三蔵の『大唐西域記』（646年）に、ある商人の船がマカラに襲われたとの記録がある。マカラは巨大な山のようで、２つの目は太陽のようだったという。

ちなみに、ヒンディー語でワニのことをमगर（マガル）というのは、マカラに由来している。

《参考文献》

Last update: 2021/01/24

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