カーリヤ

分 類インド神話
名 称 कालियkāliya〕(カーリヤ)【サンスクリット】
容 姿大蛇。
特 徴竜王。ヤムナー河に巣食って猛毒を吐き出した。英雄クリシュナに退治された。
出 典『バーガヴァタ・プラーナ』(10世紀頃)ほか

ヤムナー河を猛毒にした竜王!?

カーリヤはインド神話に登場する竜王。ヤムナー河に巣食い、猛毒を吐き出していた。英雄クリシュナに退治された。『マハーバーラタ』によれば、聖仙カシュヤパとカドゥルーの間に最初に生まれた1000匹のナーガラージャの1匹。カーリヤはナーガ族(竜族)の島・ラマナカ島に棲んでいた。ナーガ族はガルダを恐れ、人々から捧げられた供物の一部をガルダに譲っていたが、カーリヤはガルダへの供物を密かに食べていた。そのことがガルダにバレて、怒ったガルダに敗れ、一族を引き連れてヤムナー河の川底に逃げ込んだ。ヤムナー河は聖仙サウバリの呪いでガルダが近づけない場所だったのである。カーリヤは猛毒を吐き、河の水を煮えたぎらせ、付近の植物は枯れ、動物は死んだ。

クリシュナがヤムナー河を訪れたとき、牛飼いが毒に倒れているのを発見し、カーリヤ退治に乗り出した。カーリヤは長い胴体でクリシュナを絞め殺そうとしたが、クリシュナは巨大化して逃げ出すと、カーリヤの頭の上に飛び乗って踊りながら頭を踏みつぶした。遂にはカーリヤは川底に沈んだ。カーリヤの妃が命乞いをしたため、クリシュナはカーリヤを許し、かつてのラマナカ島に戻した。こうして、ヤムナー河の水質は清浄に戻った。

なお、カーリヤの頭にはクリシュナの足跡が残り、クリシュナの加護の証となり、以降、ガルダはカーリヤの一族には手を出せなくなったという。

《参考文献》

Last update: 2020/06/21

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