クベーラ
分 類 | インド神話 |
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कुबेर 〔kubēra〕(クベーラ)【サンスクリット】 वैश्रवण 〔vaiśravaṇa〕(ヴァイシュラヴァナ)【サンスクリット】 | |
容 姿 | 宝石で着飾った太鼓腹の神。 |
特 徴 | 富と財宝の神。神々の財宝を守護する。 |
出 典 | - |
地下に眠る神々の財宝を守護する!?
クベーラはインド神話に登場する富と財宝の神。ヤクシャ族の王とされ、ラークシャサ族の王であるラーヴァナとは異母兄弟。
クベーラは地下に眠る財宝の守護神で、ヤクシャ族の他にも、ガンダルヴァ族やラークシャサ族など、多数の一族とランカー島で暮らしていた。1,000年の修行をしてブラフマーから神にしてもらい、プシュパカという空飛ぶ砦も授かった。しかし、ラーヴァナと対立し、カイラス山に退き、プシュパカも奪われた。
クベーラは太鼓腹の小人として描かれる。この特徴は、おそらく、彼がヤクシャの出身であることを示している。インドの神々は、ヴァーハナと呼ばれる動物の乗り物(騎乗獣)に乗っていることが多いが、クベーラのヴァーハナは人間で、しばしば男性に肩車された奇妙な姿で描かれる。
神々の財宝の多くは、大洪水で海に沈み、ナーガ族のものになったが、乳海攪拌によって神々は財宝を取り戻すと、クベーラにその見張りを依頼したという。そのため、しばしばクベーラはマングースを伴って描かれる。これはナーガ(大蛇)とマングースの対立を示すものである。
仏教に取り込まれて、毘沙門天(びしゃもんてん)、あるいは多聞天(たもんてん)となった。毘沙門天はクベーラの別名であるヴァイシュラヴァナの音写である。多聞天は「よく聞く者」という解釈に由来する。多聞天は四天王のひとりとして北方を守護する。日本では毘沙門天として七福神のひとつとされた。
《参考文献》
Last update: 2020/06/06