カバンダ
分 類 | インド神話 |
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कबन्ध 〔kabandha〕(カバンダ)【サンスクリット】 | |
容 姿 | 胸部に目、腹部に口がある頭部のない怪物。 |
特 徴 | |
出 典 | 『ラーマーヤナ』(前4~5世紀頃)ほか |
インドの頭なしの怪物!?
カバンダはインド神話に登場する怪物。山のように大きな体躯の巨人で、頭部に当たる部分に頭はなく、代わりに胸部に目、腹部に口がついている。元々はガンダルヴァ族だったが、天界を支配しようと欲を出してインドラと戦った際に、ヴァジュラ(金剛杵)で打たれて頭が身体にめり込んでしまって、このような姿になったとされる。以降、ラークシャサ族となった。
『ラーマーヤナ』の中で、ダンダカの森でラーマ王子たちと戦って瀕死の重傷を負い、自分の身体を火で焼くように頼んだ。ラーマがカバンダの身体を燃やすと、カバンダは元のガンダルヴァの姿に戻った。以降、ラーマ王子に仕え、魔王ラーヴァナに囚われたシーター王妃を取り戻すため、猿王スクリーヴァと連合するように勧告した。
ちなみに、中国伝承には刑天(シィンティエン)と呼ばれる頭なしの怪物が知られる。また、中世博物誌にはアケパロス、あるいはブレムミュアエという首なし族が登場する。日本でも、江戸時代の妖怪絵巻に胴面(ドウノツラ)という似たような妖怪が描かれている。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/09/13