文献について

ファンタジィ事典を編纂するに当たって参考にした文献を紹介する。

全世界

『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』

著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年

世界中の神話・伝承に登場する幻想動物たちが非常にコンパクトに、シャープにまとめられている本。1つ1つの項目に割かれているスペースが小さいので、一見、淡白に見える解説なんだけど、よく要点がまとまっている。非常に的を射た解説が書いてある。ボク自身がいろいろ調べてからもう一度読み返しても、大体のところはちゃんと書いてあったりして、素晴らしいな、と思う。1002項目が掲載されているんだけど、何よりも素晴らしいのは、その全てにシブヤユウジ氏の手によるイラストが描かれているという点。随分イメージを助けてくれる。後ろに出典となった神話や伝承の簡単な情報も載っていたりするのもありがたい。入門書としてオススメの1冊だと思う。

『図説 幻獣辞典』

著:幻獣ドットコム,イラスト:Tomoe,幻冬舎コミックス,2008年

世界中の神話・伝承に登場する幻想動物たちを非常にコンパクトにまとめている本。全部で306項目。コンパクトながら、ちゃんと原典を参照したのだろうと想像される比較的、正確な情報が記載されている。カラー・イラストも美しいが、原典に忠実に描こうという意志を感じる。イラストが多くて専門書っぽく見えないが、全体を通して、忠実さを追求しようというコンセプトを感じる本になっている。

『がっかりなファンタジーせいぶつ事典』

絵:緒方裕梨,監修:池上良太・池上正太,新紀元社,2019年

この本は格好いい世界の妖怪たちの意外な一面を60体収録している。とにかく絵がカワイイ。そして切り口と語り口が面白い。それでいて、ちゃんと深い考察とマニアックな情報が掲載されている。結構、ユルい感じに見えて、ボクの知らない情報もたくさんあって勉強になった。この辺はさすが!!

ギリシア・ローマ神話

『ギリシア・ローマ神話辞典』

著:高津春繁,岩波書店,1960年

ギリシア・ローマ神話と言えばこの辞典。高津さんがいろんなギリシア・ローマの古典を読んでまとめている。日本語では読めない文献も調べているのだろうな、と想像する。読みやすい本ではないけれど、手元には置いて、ささっと調べるのに必要な1冊。英語であればTHEOI GREEK MYTHOLOGYが原典まで調べられていい。

メソポタミア神話

『古代メソポタミアの神々 世界最古の「王と神の饗宴」』

監:三笠宮崇仁,著:岡田明子/小林登志子,集英社,2000年

メソポタミア神話の入門書としてはこれ。文章も非常に読みやすい。後ろに神々の小事典がついているのもありがたい。必携の1冊。

エジプト神話

『図説 エジプト神々事典』

著:ステファヌ・ロッシーニ/リュト・シュマン=アンテルム,訳:矢島文夫/吉田春美,河出書房新社,1997年〔1992年〕

言わずもがなの古典。非常に詳細にエジプトの神々について言及してある。ただ、非常に難解ではある。難解ではあるけれど、全部、書いてある。後は、そのお堅い文章をどこまで想像力で補えるか。読み込めば読み込むほど味わい深いスルメ的名作だと思う。白黒ながら、絵が添えてあるのがイメージの助けになる。2007年にソフトカバーになったからお求めやすくなった!!

『図説 古代エジプト誌 古代エジプトの神々』

著:松本弥,弥呂久,2006年

何より読みやすい。そして写真がたくさん載っているのでイメージが湧く。ちゃんと時代背景や考古学的な検証もされているので、情報としては信頼できる。そういう意味では、入門編として最適。

南米の伝承

『南米妖怪図鑑』

文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年

日本ではあまり馴染みの薄い中南米の妖怪をイラストとともに紹介してくれている。情報の量と質はばっちり。その上、とても軽妙な文章で読みやすい。もっと細かいレビューはコラム「南米の妖怪をまとめてみた。」に記載しているので、そちらを参考に。オススメの1冊!!

Last update: 2022/05/07

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