サーラメーヤ

分 類インド神話
名 称 सारमेयsārameya〕(サーラメーヤ)《サラマーの子供たち》【サンスクリット】
श्यामśyāma〕(シュヤーマ)《黒色》【サンスクリット】
शबलśabala〕(シャバラ)《まだら模様》【サンスクリット】
容 姿4つ目でまだら模様の2匹のイヌ。
特 徴冥界神ヤマに従う。冥界に至る道を守護・監視する番犬。しばしば死すべき者を冥界に連行する。
出 典『リグ・ヴェーダ』ほか

サーラメーヤのイラスト

冥界神ヤマに従う4つ目のイヌたち!?

サーラメーヤはインド神話の冥界神ヤマ(閻魔)に従う2匹の番犬。それぞれシュヤーマ、シャバラという名前がある。この2匹のイヌは4つ目で毛色は赤褐色、まだら模様を持つ。冥界に至る道を守護・監視し、ときには現世を徘徊して、死すべき人間を見つけて冥界に連行する。

初期のインド神話(バラモン教)では、ヤマは最初に生まれた人間で、人間の祖先に当たる。この世で最初に死んで、冥界(楽土)に行きつく道を発見し、そのまま死者の国の支配者になった。やがて時代が経ち、冥界は善人だけが辿り着ける場所と考えられるようになると、次第にヤマは生前の悪行を裁き、罰を与える存在という側面が強調され、遂には地獄の王となった。それが仏教に取り込まれて、日本人がよく知っている閻魔大王になった。

ペットショップに行くと、しばしば両目の上に斑点がついて、まるで4つ目に見えるイヌがいる。近年では「眉毛に見えてかわいい!」と愛されているが、昔の日本には「4つ目のイヌは飼い主を殺す」という迷信があって、このような犬を飼うことは忌避された。これは、サーラメーヤの伝承に由来している。

シュヤーマの意味は《黒色》、シャバラの意味は《まだら模様》なので、現代風に言うなれば「クロ」と「ブチ」といったところか。

《参考文献》

Last update: 2020/06/08

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