プルシャ

分 類インド神話
名 称 पुरुषpuruṣa〕(プルシャ)《人間、男》【サンスクリット】
容 姿巨人。1,000個の頭、1,000本の足、1,000個の目を持つ。
特 徴原初の巨人。神々に解体され、この世界になった。
出 典『リグ・ヴェーダ』(前12世紀頃)ほか

原初の巨人、殺されてこの世界の礎になる!?

プルシャはインド神話に登場する原初の巨人。1,000個の頭、1,000本の足、1,000個の目を持つ。『リグ・ヴェーダ』によれば、プルシャは世界のはじまりに存在していて、プルシャの身体からさまざまなものがつくられた。

『リグ・ヴェーダ』10章の「原人の歌(プルシャ・スークタ)」では、神々がプルシャを解体したときに、目から太陽が、口から雷や火が、息からは風が、ヘソからは空気が、頭からは天界が、両足からは大地が、耳からは方位が生まれたと説明されている。また、4つの身分(ヴァルナ)もプルシャに由来していて、口はバラモン(祭司)、両腕はラージャニヤ/クシャトリヤ(戦士)、両腿はヴァイシャ(平民)、両足はシュードラ(奴隷)になったという。なお、神々がプルシャを解体したとの記述はあるものの、具体的な神の名前は出てこないので、誰がこの巨人殺しを実行したのかは分からない。

ちなみに、このような原初の巨人の死体からこの世界が造られる神話は世界各地にあって、北欧神話の巨人ユミルオージンらに殺されて、身体が世界になっている。メソポタミア神話のティアマトマルドゥク神に殺されて、身体が世界になった。中国の盤古も、死後、この世界になっている。

《参考文献》

Last update: 2020/09/22

サイト内検索