デーヴァ
分 類 | インド神話、仏教 |
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देव 〔deva〕(デーヴァ)《輝き》【サンスクリット】 天(てん)【日本語】 | |
容 姿 | 人間のような姿のものが多いが、さまざまな姿のものがいる。 |
特 徴 | インドラ率いるヴェーダ神話の神々。 |
出 典 | 『リグ・ヴェーダ』ほか |
インドラ率いる自然崇拝的な神々!?
デーヴァはインド神話に登場する神々の総称。ヴェーダ神話の初期の段階では、神々はデーヴァ族とアスラ族の2つに分類されていた。デーヴァは雷神インドラに率いられているグループで、太陽や火、風などの自然崇拝の神々である。一方のアスラ族はヴァルナやミトラに率いられているグループで、宇宙の秩序や倫理などを司る神々で、しばしば、秩序を守るために人々を罰した。現世利益的なデーヴァ信仰が強くなるにつれて、次第にアスラ信仰は衰え、最終的にはデーヴァ族と敵対する魔族となった。
一方で、同じアーリア系のペルシア人の神話では、デーヴァと同語源のダエーワの方は魔族となり、アスラはゾロアスター教の最高神であるアフラ・マズダーとなった。これはゾロアスター教の開祖ザラスシュトラが秩序や知性を重んじ、荒々しい自然崇拝を否定したためである。
デーヴァは仏教に取り込まれて「天」となった。「天」は「如来」「菩薩」「明王」に次ぐ4つのグループのひとつで、仏教以外の宗教の神々を仏教の守護者として取り込んでいる。天のトップは帝釈天(インドラ)である。
《参考文献》
Last update: 2020/05/31