トリナーヴァルタ
分 類 | インド神話 |
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तृणावर्त 〔tṛṇāvarta〕(トリナーヴァルタ)《竜巻》【サンスクリット】 | |
容 姿 | 悪魔。竜巻に化けている。 |
特 徴 | クリシュナを殺すためにカンサ王に送り込まれた。竜巻になってクリシュナを誘拐しようとして殺された。 |
出 典 | 『バーガヴァタ・プラーナ』(10世紀頃)ほか |
第3の刺客は竜巻となって!?
トリナーヴァルタはインド神話に登場するアスラ族(魔族)のひとり。赤ん坊のクリシュナを殺すためにカンサ王によって送り込まれた風の悪魔である。
あるとき、カンサ王が魔族と手を組んで悪政を敷き、人々を苦しめていた。このカンサ王を倒すためにヴィシュヌ神はクリシュナに化身して地上に降り立った。カンサ王は自分の妹の8番目の子供に殺されるという予言を受け、マトゥラ村の子供たちを次々と殺したが、クリシュナはカンサ王から逃れてヤムナー河の対岸のゴークラ村で、ナンダとヤショーダの子として育てられていた。ゴークラ村に魅力的な赤ん坊がいると聞いたカムサ王は配下の悪魔を次々と派遣してクリシュナを殺そうとした。そうやって、赤ん坊のクリシュナを殺すために送り込まれた第3の刺客がプータナーである。
トリナーヴァルタは赤ん坊のクリシュナを殺すためにカンサ王にプータナー、シャカタに続いて送り込まれた。トリナーヴァルタは竜巻に化けて、ゴークラ村に近づくと、辺りは真っ暗になり、砂塵が巻き上がった。村人たちが砂塵が目に入るため、目を塞いだ。その隙にトリナーヴァルタは庭先で遊んでいるクリシュナを見つけ、誘拐して空へ飛び立った。ところがクリシュナはどんどんと重くなり、飛び上がれない。クリシュナがトリナーヴァルタの喉元を強く押したので、墜落して死んだ。
《参考文献》
Last update: 2020/09/19