ケーシー

分　類インド神話
名　称 केशी 〔keśī〕（ケーシー）【サンスクリット】
容　姿巨大な馬の悪魔。
特　徴クリシュナを殺すためにカンサ王に送り込まれた。クリシュナに突進したが、殺された。
出　典『バーガヴァタ・プラーナ』（10世紀頃）ほか

最後の刺客は突撃する雄ウマ！？

ケーシーはインド神話に登場するアスラ族（魔族）のひとり。クリシュナを殺すためにカンサ王によって送り込まれた馬の悪魔である。

あるとき、カンサ王が魔族と手を組んで悪政を敷き、人々を苦しめていた。このカンサ王を倒すためにヴィシュヌ神はクリシュナに化身して地上に降り立った。カンサ王は自分の妹の８番目の子供に殺されるという予言を受け、次々と子供たちを殺したが、クリシュナはカンサ王から逃れてヤムナー河の対岸のゴークラ村で、ナンダとヤショーダの子として育てられた。カムサ王は配下の悪魔を次々と派遣してクリシュナを殺そうとしたが、全て失敗した。その後、クリシュナこそが自分を殺す８番目の子供だとナーラダ聖仙に告げられたカムサ王は、最後に馬の悪魔ケーシーを送り込んだ。

ケーシーは巨大な雄ウマの姿で蹄で地を蹴り、たてがみを揺らし、いななきながらクリシュナに突撃した。クリシュナは恐れることなく左手を突き出し、ケーシーの口の中に押し込んで、体内で膨張させ、窒息死させた。馬は苦しみのあまり、血の汗を流し、糞尿を垂れ流して絶命した。こうして、カムサ王は悪魔を送り込むのを断念し、使者を送って、クリシュナに王の格闘競技に参加するように命じた。こうして、クリシュナはカンサ王の居城があるマトゥラーの町に繰り出すことになる。

《参考文献》

Last update: 2020/09/19

サイト内検索