マーリーチャ

分 類インド神話
名 称 मारीचmārīca〕(マーリーチャ)【サンスクリット】
容 姿爪と牙、角をはやした魔族。
特 徴ラークシャサ族。鹿に化けて鹿狩りを楽しむ貴族を喰らう。ラーヴァナに命じられてシーター誘拐の手助けをした。
出 典『ラーマーヤナ』(3世紀頃)ほか

鹿に化けてシーター誘拐の手助けをした魔族!?

マーリーチャはインドの叙事詩『ラーマーヤナ』(3世紀頃)に登場するラークシャサ族のひとり。魔術に長け、変幻自在で、しばしば鹿に化けて、狩りを楽しむクシャトリヤ(戦士階級)の前に出現し、彼らを喰らう。

あるとき、マーリーチャとスバーフの兄弟は聖仙ヴィシュヴァーミトラが祭儀をしている最中に祭壇に血肉を撒き散らして妨害した。ヴィシュヴァーミトラはラーマ王子に祭儀中の護衛を依頼し、スバーフはラーマの矢で殺され、マーリーチャは海に落とされた。

その後、魔王ラーヴァナは、ラーマ王子の妃のシーターを誘拐しようとしたときにマーリーチャに手伝いを依頼した。マーリーチャは銀色の斑模様の金色の鹿に化けてシーターの前に現れた。シーターはラーマ王子に鹿を捕えるように頼んだ。ラーマ王子は弟のラクシュマナにシーターを任せると、鹿を追跡した。マーリーチャは逃げ続け、ラーマは遂には諦めて射殺した。しかし、マーリーチャは死の間際に正体を現すとラーマ王子の声色を真似て、シーターとラクシュマナの名前を叫んだ。シーターはラクシュマナにラーマ王子を助けに向かうように指示し、ラーヴァナはその隙にシーターをランカー島に連れ去った。

《参考文献》

Last update: 2020/06/06

サイト内検索