アガースラ
分 類 | インド神話 |
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अघासुर 〔aghāsura〕(アガースラ)【サンスクリット】 अघ 〔agha〕(アガ)《悪》【サンスクリット】 | |
容 姿 | 大蛇の姿に変身。 |
特 徴 | アスラ族の一人で、カンサ王の配下の将軍。大蛇に変身するのが得意。英雄クリシュナに退治される |
出 典 | 『バーガヴァタ・プラーナ』(10世紀頃)ほか |
洞窟に擬態して英雄を喰らおうとした悪魔!?
アガースラ、あるいはアガはインド神話に登場するアスラ族(魔族)のひとり。アガースラの名前はサンスクリットで《悪》を意味するअघ(アガ)に由来し、アガースラは《悪のアスラ》という意味である。クリシュナを殺すためにカンサ王によって送り込まれた。
あるとき、カンサ王が魔族と手を組んで悪政を敷き、人々を苦しめていた。このカンサ王を倒すためにヴィシュヌ神はクリシュナに化身して地上に降り立った。カンサ王は自分の妹の8番目の子供に殺されるという予言を受け、次々と子供たちを殺したが、クリシュナはカンサ王から逃れてヤムナー河の対岸のゴークラ村で、ナンダとヤショーダの子として育てられた。カンサ王は配下の悪魔を次々と派遣してクリシュナを殺そうとしたが、全て失敗した。その後、成長したのクリシュナを殺すためにアガースラが送り込まれた。実はすでに送り込まれてクリシュナに殺された魔女プターナーと悪魔バカはアガースラの姉と兄だった。
クリシュナはウシを追っている途中、巨大な洞窟を発見した。仲間の牛飼いたちは洞窟にどんどん入っていき、クリシュナも最後に洞窟に入った。実はこの洞窟はアガースラは巨大な蛇に化けたもので、口を大きく開けて、まるで洞窟の入り口であるかのように装いながら、彼らを待ち構えていたのだ。クリシュナたちは、最初はアガースラの罠だとも気付かず、洞窟だと勘違いしてアガースラの口の中へと入った。しかし胃袋に到達する直前、クリシュナは異臭に気付き、慌てて自分の身体を巨大化させ、アガースラを窒息させ、仲間の牛飼いやウシを助け出した。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/10/10