アステカ神話

アステカ神話は15世紀頃のアステカ帝国の神話。チチメカ人の一派であるアステカ族(メシカ族)は、太陽神・軍神のウィツィロポチトリを部族神とし、この神に導かれて神々の都テノチティトラン(現在のメキシコシティ)にやってきた。そして、周辺の部族を征服して支配領域を拡大し、14世紀初めまでに、メキシコ高原一帯に帝国をつくった。太陽神は空を運行するのに人間の生き血を要求し、メシカ族は戦争捕虜を生け贄として太陽神に捧げた。

メソアメリカの古代文明の歴史とその終焉

アステカ文明以前にも、メソアメリカには古代よりたくさんの文明が築かれた。古くは紀元前1200年頃にオルメカ文明が誕生し、ジャガー信仰、生け贄、絵文字などがすでに見られる。その後、前2世紀から6世紀にはテオティワカン文明が誕生。宗教的な計画都市で、複数の巨大ピラミッドが建設され、ケツァルコアトルトラロックチャルチウィトリクェ、シペ・トテックなどが崇拝された。7世紀頃、トルテカ文明が興り、伝説の王セ・アカトル・トピルツインがケツァルコアトルを名乗り、テスカトリポカと対立する神話が残されている。12世紀にチチメカ人の諸部族が北からメキシコ高原に侵入を開始し、遅れること14世紀初めに、チチメカ人の一派のメシカ族がウィツィロポチトリに導かれて、メキシコ高原にやってきてテノチティトランに都を建設した。しかし、1521年、スペインの征服者(コンキスタドール)コルテスによって滅ぼされた。

5つの太陽の神話

「5つの太陽の神話」では、この世界はすでに4回の創造と破壊を繰り返していて、現在は5番目の太陽の時代とされている。1番目の時代は、テスカトリポカが「ジャガーの太陽」となって、この世界を支配した。この世界は巨人族が暮らす世界だった。あるとき、ケツァルコアトルはテスカトリポカを海に突き落とした。テスカトリポカはジャガーに変身し、この世界を滅ぼした。2番目の時代は、ケツァルコアトルが「風の太陽」となって世界を支配した。しかし、強風によってこの世界は太陽もろとも吹き飛ばされてしまった。3番目の世界では、トラロックが「雨の太陽」となったが、火の雨が降り注ぎ、世界は燃えてしまった。4番目の世界ではチャルチウィトリクエが「水の太陽」となったが、世界は大洪水で押し流されてしまった。そして、現在は5番目の時代でトナティウが「動きの太陽」となって支配しているという。この世界も、いつかは地震によって破壊されることが予言されている。

アステカ神話の全項目

サイト内検索