スカンダ

分 類インド神話
名 称 स्कन्द 〔skanda〕(スカンダ)【サンスクリット】
容 姿6面12臂の青年神。
特 徴軍神。
出 典『マハーバーラタ』(4世紀頃)ほか

インドラに替わって新たな軍神に!?

スカンダはヒンドゥー教の軍神。シヴァパールヴァティーの子で、若くて美しい6面12臂の神。孔雀をヴァーハナ(騎乗獣)とする。インドラに替わって軍神となった。

叙事詩『マハーバーラタ』では、祭火の神アグニと供物の女神スヴァーハーの子とされている。あるとき、アグニが7人の聖仙の妻たちに恋をしたが、人妻であるために自制していた。ところがアグニに恋するスヴァーハーが6人の聖仙の妻に順次、化けて、アグニを誘惑して交わった。7人目の聖仙の妻だけは非常に貞操が固いことで知られ、アグニを騙すことはできなかったが、6回の交わりによって生まれたのが6面12臂のスカンダで、たくましく成長し、遂にはインドラ率いる神々の軍勢も太刀打ちできなくなり、インドラは軍神の地位をスカンダに譲ったという。やがてこの伝承がシヴァ派に吸収され、アグニとスヴァーハーが交わっているときにシヴァとパールヴァティーが乗り移っていたため、スカンダはシヴァの息子であると解釈されるようになった。また、元々、スカンダは6人兄弟だったが、パールヴァティーが強く抱き締めたら合体してひとつになったとも言われる。

スカンダは仏教に取り込まれて韋駄天(いだてん)になった。

《参考文献》

Last update: 2020/06/13

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