カンサ
分 類 | インド神話 |
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कंस 〔kaṃsa〕(カンサ)【サンスクリット】 | |
特 徴 | 人間とアスラ族のハーフ。マトゥラー国の国王として悪政を敷いたため、英雄クリシュナによって倒された。 |
出 典 | 『バーガヴァタ・プラーナ』(10世紀頃)ほか |
悪王カンサ、アスラ族と同盟して悪政を敷く!?
カンサはインド神話に登場する悪王。マトゥラーの国王ウグラセナの息子として育てられたが、一説によれば、実はカンサはウグラセナ王に化けたアスラ族と王妃パドマーヴァティーの間に生まれた子供だったという。つまり、人間とアスラ族ハーフだったのである。そのため、生まれながらに残虐で、やがて成長すると父王であるウグラセナを倒すと、アスラ族と手を組んで王国を拡大し、ヴィシュヌ神への崇拝を禁じるなどの悪政を敷いた。
悪王カンサ、英雄クリシュナに退治される!?
カンサ王の暴虐に苦しむ人々の祈りは天まで届き、神々は何とかカンサ王を倒そうと思案した。そこでヴィシュヌ神はカンサ王を倒すため、カンサ王の妹であるデーヴァキーの胎内に宿り、クリシュナとして化身(アヴァタール)することにした。カンサ王はデーヴァキーの8番目の子に倒されるという予言を受け、デーヴァキーを監禁すると、子供たちが生まれるたびに次々と殺していった。しかし、クリシュナ誕生に際して、ヴィシュヌ神は見張り番を眠らせ、牢の鍵を開けた。デーヴァキーは7番目の子バララーマと8番目の子クリシュナを産むと、ヤムナー河の畔(ほとり)に住む牛飼いの娘とすり替えた。こうして難を逃れ、無事にこの世に生を受けたバララーマとクリシュナだったが、この事実を知ったカンサ王はクリシュナが生まれた日と前後する数日間に生まれた町中の子供を次々と殺していった。クリシュナのところにもプータナー、シャカタ、トリナーヴァルタ、バカ、アガースラ、ケーシーなど、さまざまなアスラ族の刺客が差し向けられるが、クリシュナは次々にこれを倒していき、遂にカンサ王はクリシュナによって退治されるのである。
《参考文献》
Last update: 2020/09/19