シェーシャ

分 類インド神話
名 称 शेषśeṣa〕(シェーシャ)【サンスクリット】
容 姿1,000個の頭を持つ巨大なコブラ。
特 徴世界の最下層に棲み、この世界を支えている。欠伸によって地震を生じさせる。
出 典『マハーバーラタ』(4世紀頃)ほか

1,000の頭で世界を支える竜王!?

シェーシャはインド神話に登場するナーガラージャ(ナーガ族の王)の一人。1,000の頭を持つ巨大なコブラで、しばしば原初の海に浮かぶアナンタと同一視される。

インド神話の世界観では、世界には7層の地下世界が広がっている。シェーシャはその地下世界よりもさらに下に棲んでいて、1,000個の頭でこの大地を支えているという。

シェーシャはナーガたちの母親であるカドゥルーの1,000匹の息子たちの長兄で、兄弟たちと別れて断食をするなど激しい苦行を行っていた。シェーシャの苦行によって熱が発生し、生き物たちが苦しんだ。それを見たブラフマー神はシェーシャに何故苦行を続けているのかを尋ねた。すると、シェーシャは兄弟たちがガルダを憎んでいることに嫌気が差したので、肉体を捨てたいと答えた。ブラフマーはその答えに満足し、当時はまだ不安定だった大地を支えるように言った。そこでシェーシャは地底へ行って大地をぐるりと取り巻くと、頭で大地を支えた。時々、地震が起こるのは、シェーシャが欠伸(あくび)しているからなのだという。

ひとつのカルパ(劫)(=43億2000万年)が終わると、シェーシャはこの世界を焼き尽くす。そして、ヴィシュヌ神は再び創造を始める。

《参考文献》

Last update: 2020/09/19

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