エジプト神話

エジプト神話は紀元前3000年頃から成立したエジプト文明において、古代エジプト人が信じていた宗教・神話のこと。ナイル川に沿って、上流地域(上エジプト)と下流地域(下エジプト)でそれぞれの文化が発展していたが、ナルメル王によって上下エジプトが統一され、次第に神話が整理・統合されていった。イウヌゥ(ヘリオポリス)の太陽神ラー信仰や死と再生のウシル(オシリス)信仰、ハヤブサと王権を結び付けるヘル(ホルス)信仰など、さまざまな神話が入り組んで発達した。紀元前30年にプトレマイオス朝エジプトが共和制ローマに滅ぼされて以降はギリシア・ローマ世界に取り込まれた。

地域や時代によってさまざまな神話がある。有名なのは、ヘリオポリス神話、ヘルモポリス神話、テーベ神話など。

ヘリオポリス神話

イウヌゥ(ヘリオポリス)で発達した神話。創造神テム(アトゥム)が世界を創造した。ゲブ(大地)とヌゥト(天空)が愛し合って離れないため、シュウ(大気)が間に入って天地を分離した。

古代エジプト文字について

古代エジプトでは前3000年頃からヒエログリフとヒエラティックが用いられていた。ヒエログリフは象形文字だが、多くの場合、表意文字としてよりも表音文字として用いられることが多い。意味を明確にするため、限定符を付すが、発音・読み方を補助するために子音を重ねて書くことも多い。ヒエログリフは神やファラオ(王)を称える石碑や神殿、墓などに刻まれ、言わば漢字の楷書のような位置付けである。一方で、ヒエラティックはパピルスに葦の筆でインクで書くときに用いられ、草書のような位置付けである。ヒエログリフとヒエラティックは相互に関わりながら、発達した。前7世紀頃からは、ヒエラティックを簡略化したデモスティックが用いられるようになり、4世紀頃からはギリシア語の影響を受けたコプト文字が用いられた。

当ウェブサイトでは、エジプト神話の神々の表記等にヒエログリフを用いている。使用環境によって、ヒエログリフを表示するためには、Noto Sans Egyptian Hieroglyphsなどのダウンロードが必要である。

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