エジプト神話
エジプト神話は紀元前3000年頃から成立したエジプト文明において、古代エジプト人が信じていた宗教・神話のこと。ナイル川に沿って、上流地域(上エジプト)と下流地域(下エジプト)でそれぞれの文化が発展していたが、ナルメル王によって上下エジプトが統一され、次第に神話が整理・統合されていった。イウヌゥ(ヘリオポリス)の太陽神ラー信仰や死と再生のウシル(オシリス)信仰、ハヤブサと王権を結び付けるヘル(ホルス)信仰など、さまざまな神話が入り組んで発達した。紀元前30年にプトレマイオス朝エジプトが共和制ローマに滅ぼされて以降はギリシア・ローマ世界に取り込まれた。
地域や時代によってさまざまな神話の系統がある。
ヘリオポリス系神話
イウヌゥ(ヘリオポリス)で発達した神話。創造神テム(アトゥム)が世界を創造した。ゲブ(大地)とヌゥト(天空)が愛し合って離れないため、シュウ(大気)が間に入って天地を分離した。
- テム(アトゥム):創造神。
- シュウ:大気の神。
- テフヌゥト:湿気の女神。
- ゲブ:大地の神。
- ヌゥト:天空の女神。
- ウシル(オシリス):豊穣神。冥界神。来世の王。
- アセト(イシス)
- セテク(セト):砂漠神。軍神。
- ネベトフゥト(ネフティス)
メンフィス系神話
イネブ・ヘジュ(メンフィス)で発展した神話。創造神ペテフ(プタハ)が心臓(思考)と舌(言葉)で世界を創造した。原初の水からタアチェネン(原初の丘)が生じ、そこに太陽を乗せたネフェルテム(睡蓮)が生まれ、ペテフの大号令で世界が創造された。
- ペテフ(プタハ):創造神。
- セケメト(セクメト):ペテフの妻。
- ネフェルテム:睡蓮の神。ペテフとセケメトの息子。
- タアチェネン:原初の丘を擬人化した神。
- セケル(ソカル):冥界神。
古代エジプト文字について
古代エジプトでは前3000年頃からヒエログリフとヒエラティックが用いられていた。ヒエログリフは象形文字だが、多くの場合、表意文字としてよりも表音文字として用いられることが多い。意味を明確にするため、限定符を付すが、発音・読み方を補助するために子音を重ねて書くことも多い。ヒエログリフは神やファラオ(王)を称える石碑や神殿、墓などに刻まれ、言わば漢字の楷書のような位置付けである。一方で、ヒエラティックはパピルスに葦の筆でインクで書くときに用いられ、草書のような位置付けである。ヒエログリフとヒエラティックは相互に関わりながら、発達した。前7世紀頃からは、ヒエラティックを簡略化したデモスティックが用いられるようになり、4世紀頃からはギリシア語の影響を受けたコプト文字が用いられた。
当ウェブサイトでは、エジプト神話の神々の表記等にヒエログリフを用いている。使用環境によって、ヒエログリフを表示するためには、Noto Sans Egyptian Hieroglyphsなどのダウンロードが必要である。
エジプト神話の全項目
- アーピス → ヘプ
- アーペプ
- アセト
- アトゥム → テム
- アヌービス → インプゥ
- アポピス → アーペプ
- アメミト
- イシス → アセト
- インプゥ
- ウシル
- オシリス → ウシル
- クヌム → ケネムゥ
- ケネムゥ
- ゲブ
- ジェフウティ
- シュウ
- セクメト → セケメト
- セケメト
- セケル
- セテク
- セト → セテク
- セルケト
- ソカリス → セケル
- ソカル → セケル
- タア・ウェレト
- タアチェネン
- タテネン → タアチェネン
- テフヌゥト
- テム
- トト → ジェフウティ
- ヌゥト
- ネフェルテム
- ネフティス → ネベトフゥト
- ネベトフゥト
- バセテト
- ハトホル → フゥト・ヘル
- フゥト・ヘル
- プタハ → ペテフ
- ヘケト
- ベス
- ペテフ
- ヘプ
- ヘル
- ヘル=ウル
- ホルス → ヘル
- メジェド
- メスケネト
- ラー
