2023年11月27日 イトマキエイは空を飛ぶ!?

フィリピンの妖怪について調べていて、今、パティン・ナ・パクパカン(Pating na Pakpakan)をまとめている。空飛ぶサメの妖怪である。そして、アスワン・プロジェクトの記事に、実はパティン・ナ・パクパカンは「マンタ」がモデルではないかと書かれていて、マンタについて調べてみたら、マンタが空を飛んでいた。マジか! イトマキエイって、空まで飛ぶのか。是非、ナショジオの映像でご確認ください。

ボク的には、イトマキエイがものすごい数の群れで泳いでいるシーンに度肝を抜かれて、こんなのに遭遇したら、失神してしまうと思った。でも、たくさんのイトマキエイが空を飛んでいるのを目の当たりにして、さらに度肝を抜かれた。知らないことってたくさんあるのだなあ。妖怪について調べていて、生命の不思議にぶち当たった日だ。

  

2023年11月21日 サンタ・システム

そろそろ息子のツクル氏にクリスマスプレゼントを決めてもらうシーズンになった。ツクル氏の誕生日が12月なのもあって、一気にプレゼントをもらう格好になるので、なかなか彼も決めあぐねている。LEGOマインクラフトシリーズや「マインクラフト・ダンジョンズ」(Switch)などを検討している。

早々にサンタクロースのプレゼントを決めて欲しくて「サンタには何を頼む?」と訊いてみたところ、ツクル氏はニヤニヤしながら「親に言わないとサンタには伝わらないわけ? 心で思ってみたら伝わらないのかな?」などと言ってくる。どうやら、彼はサンタの正体に気づき始めているのかもしれない。小癪な! 面妖な! そんなわけで、そろそろ卒業なのかもしれない。

妻のちぃ子にそんな話をしたら、「ん? 両親がサンタ・システムに加入して申請してやらないとプレゼントは届かない仕組みだよ? サブスク的な? 子供の意向だけでは届きません。そう説明すればよかったのに」と返されてしまった。むむむ。こちらもこちらで面妖な!!

ちなみに、サンタクロースの元ネタになったのは聖ニコラスだけど、彼には従者がいる。クネヒト・ルプレヒト、クランプス、ペレ・フェタール、ベルスニッケル、ズワルテ・ピートなどなど。どの面々も子供たちを罰する存在で、子供にプレゼントをあげる聖ニコラスと対になっている。クネヒト・ルプレヒトなんかはブラック・サンタとも呼ばれるし、クランプスは悪魔のような姿をしている。大昔は、子供に対する二面性があったのである。

来月のクリスマスに向けて、この辺の詳細を調べて、ウェブサイトファンタジィ事典に反映させてみても面白いかなあ。

  

2023年11月17日 バハムートがはらぺこになったら大変だよねwww

先日、はらぺこバハムートをゲットした。これ、全部でカードが16枚しかなくて、全てが異なるカードである。山札からカードを引く呪文がたくさんあって、山札がなくなると捨て札が山札に早変わりするので、畢竟、相手のカードが読めるようになってくる。そうなると、カードを出す順番がとても重要になるので、単純なようでいて戦略性が高い。だから、面白い。絵もかわいい。

結局、ボクはこういう絵が素敵なカードゲームが好きなんだなあ、と思う。オススメ。ちなみに、バハムートはドラゴンだという言説がまかり通っているが、本来はアラビア伝承に登場する巨大な魚だよ! なぁんて、どうでもよいことを書いておくボクであることよ。

  

2023年11月15日 コピーライト的なものから普遍的なものへ

息子のツクル氏が父の影響で「妖怪」に興味を持ち始めた。何しろ、ボクがスマホやパソコンに向かって何か描いているときは、常に「妖怪」なのだ。「パパの描く絵は首がなかったり、目がいっぱいあったり、手がいっぱい生えていたり、変な絵ばっかりだよね」と幼稚園の頃に言われた。教育的にどうなんだろうか……と真剣に悩んだのも、今となっては懐かしい思い出(笑)。そんなツクル氏も、ゲームや小説、漫画を読みながら、朧げに「幻想生物」という概念が分かるようになってきた。どうやらドラゴンやペガサス、ユニコーン、ゴーレム、ゾンビなどは、ピカチューやクッパとは毛色が違うようだと気づいてきたみたいだ。

ピカチューはポケモンの世界に存在し、クッパはマリオの世界に存在する。でも、「幻想生物」はいろんな作品で取り上げられるので、共通の概念やイメージが相互のメディアの中で共有されている。そんな事実が感覚として分かってきて、そういう存在をツクル氏は「妖怪」と称するようになってきた。「これはパパの好きな『妖怪』でしょ。この現実世界にはいない動物でしょ」などと言っている。かわいいやつめ。

この辺、実はすごく難しくて、いつも例に出すんだけど、ドラキュラはブラム・ストーカーの創作だし、フランケンはメアリー・シェリーの創作だ。エントはトルキーンの創作だ。ミミックは本来は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のオリジナル・モンスターだ。全部、コピーライトがある。でも、メディアの中で繰り返しモチーフとして使われていく中で、いつの間にか共通の概念として普及する。そうなると、いつの間にかコピーライト的なものがなくなって、普遍化されていく。作者とは離れて、独立していく。

大昔の神話の中の幻想生物だって、結局は全て、誰かが語ったものだ。最初に言及した「作者」に当たる人物がいるはずだ。それが分からなくなって、普遍化したら「妖怪」になる。その辺の不思議な線引きが、ツクル氏にも分かってきたみたいだ。

だから『ダンジョン飯』を父の本棚から解放してみた。このタイミングなら、きっと面白く読めるのではないだろうか。

  

2023年11月13日 このギリシア神話は良本!?

図書館に行ったら、『ギリシア神話 オリンポスの神々(新装版)』(著:遠藤寛子,絵:小林系,青い鳥文庫,2011年)が置いてあって、絵がメチャクチャよい。これだったら、息子のツクル氏にオススメできる。嬉しくなって、ついついAmazonでポチってしまった。

最近の子供向けの本は、素人っぽい2次元系のイラストレータの絵が添えられていることが多いんだけど、この小林系氏の絵はチープじゃない。ちゃんと立体として人物が描かれているし、ギリシア神話の世界観を壊していない。格好いい。個人的にはとても好ましく感じる。こういう画家をもっと活用すべきだ。

内容も適切で、創世神話も簡単に載せているが、星座にまつわるようなエピソードもあれば、ペルセウスやヘーラクレースの冒険譚もあり、イーリアスやオデュッセイアの要約も載っている。この1冊でギリシア神話の全体がコンパクトに把握できるようになっている。良本だと感じた。

  

2023年11月7日 「ドラクエみたいなゲームをつくる」

プログラミングが小学生の必修科目になって久しい。我が家では、試しに息子のツクル氏にプログラミングを習わせている。小学4年生のツクル氏は、結構、こういうトライアル・アンド・エラー的な作業が好きみたいで、かなり熱中している。プログラミング教室でテンプレートをもらうと、大幅にアレンジしてみせる。先日は横スクロール系のゲームで、敵を避けてゴールを目指すプログラミングをしていたが、最初はアイテムをとったらジャンプ力が上がるみたいな改造をしているなあ、と眺めていたが、気づいたらレーザー銃を手に入れて敵を倒し、ひび割れた壁を破壊して先に進むなどの大幅改変を加えていてビックリした。

先日、「ドラクエみたいなゲームをつくる」と言い出した。直感的に、これはしんどいぞ、と思ったボクだ。ボクはツクールをベースにRPGをつくったことがある。結構、大変な印象がある。何しろ、マップをつくることが大変だ。16×16なのか32×32なのかは分からないが、格子状にして、そこにマップを配置していかないといけない。通り抜けられるマップと通り抜けられないマップの判定も必要だ。そもそも、RPGの場合、プレイヤーが上下左右を向かなければいけない。それも結構、大変。でも、ここまで作っても、あくまでもマップ上を歩くだけだ。戦闘になったら、変数をたくさん作らなきゃいけないので、超大変だ。

「大丈夫だよ。最初は簡単なダンジョンを歩くだけにする。敵も味方も1種類でつくるから」などと言っている。そうかなあ。仕方ないので、昔取った杵柄で、かつてお世話になったフリー素材サイトを巡回してみたが、時代は変わったなあ。もう、最近はドット絵を配布しているところが数が限られてしまっている。しかも、パッケージで販売しているところもあって、商売になっている場合もある。

ボクがウェブサイト「ファンタジィ事典」を編纂するようになったキッカケも、ウィザードリィやファイナル・ファンタジーだったりするので、息子を応援してあげようと重い腰をあげるボクである。願わくは、モンスターはボクのウェブサイトを参考に設定なんかを考えてくれるとよいのだけれど……むにゃむにゃ。

  

2023年11月3日 小説『らせん』を読んだ。

貞子繋がりで『リング』を読み、そして『らせん』を読んだ。『リング』については小説『リング』を読んだ。で書いたので、今回は『らせん』の感想を書いてみたい。

超絶、面白かった。滅茶苦茶、ホラーだった。高野舞という女性は何を生んだのか。そして、高野舞の部屋から出てきた謎の女性は誰なのか。友人の宮下は山村貞子を追い掛けて、劇団「飛翔」のメンバーに会いに行く。そして、ファックスを送ってくる。ファックスを受け取った安藤は、その瞬間にすべてを了解し、謎が氷解する。ここが一番のホラーで、この作品のクライマックスだ。でも、映画にはこのシーンは存在しない。ここを描かずして、どうして『らせん』になり得るのか。ボクはこのシーンこそ、映画で見たかった。『らせん』を読んでいくと、徐々に読者は結論は分かってくる。繋がってくる。でも、その瞬間を目の当たりにするまでは信じられない。確認しなくてはいけない。そんな気持ちでページを繰っていく。そして、安藤が全てを了解して戦慄して、やっぱりそうだよね、と思う。ここが『らせん』の一番の見せ場ではないだろうか。

 

ウェブサイトでどれだけ「あらすじ」を把握していても、映画を観ていても、原作の小説を堪能しなきゃ分からないことってある。やっぱりエアプはダメだよねって思い知った。だからこそ、妖怪たちが登場する過去の作品(古典みたいなもの)は、エアプじゃなくって読んで解説しないとダメだよねって思うので、今、10,000円くらいする原典完訳の『アヴェスタ』を手に入れて読んでいる。意外と、これも面白い。ゾロアスター教って、なんて理性的かつ概念的な宗教なんだろうなって思う。神さまがみんな抽象度が高くって、全然、共感ができないんだよなあ。

  

2023年10月16日 アイルランド神話、始めました。

2009年からウェブサイト「ファンタジィ事典」を運営してきたボクであるが、実は最近になって、ケルト神話に一切、触れていないことに気がついた。大抵、世界の神話を挙げていけば、5本の指にケルト神話が入ってくる。日本神話は当然として、ギリシア・ローマ神話、北欧神話、ケルト神話、メソポタミア神話、エジプト神話、そしてインド神話なんかを解説するはずだ。それなのに、当ウェブサイトでは、どうしたことか、ケルト神話がすっかりと抜け落ちている。

正直、若かりし頃のボクにとって、ケルト神話って難解だったのだ。資料に乏しく、断片的で、だから、何となく敬遠していたのは事実だ。そもそも一言でケルト神話と言っても、「島のケルト」と「大陸のケルト」で全然、内容が違うし、「島のケルト」の中だって、アイルランドとウェールズで異なっているのだ。

それから、古アイルランド語の正しい発音が難しくて分からなかったというのも大きかったと思う。どういう呼称で固有名詞を立項していくか悩んでいたら手が止まってしまった。

そして、当時の気持ちのまんま、すっかり忘れてしまっていたのだ。そんなわけで、まずは緩やかにアイルランド神話をまとめていかねばと、重たい腰を上げた次第。とりあえずケルト神話のページを立ち上げて、項目をゆるゆると作成中。

  

2023年10月14日 日本人の緩やかな信仰スタイルと無神論

ボクはあんまり宗教の話は深追いせずに、しれっとヤハウェとかアッラーフとかアマテラスとか釈迦なんかを「ファンタジィ事典」に掲載している。ファンタジィと言い切ってしまうのは、あまりにも不遜と言えば不遜だし、信者の方々には失礼千万な話だ。でも、すべての神話・伝承・宗教を、えいや、と同列に横に並べないと、ボクのイメージする世界観にならないので、そういうものだと割り切って載せている。結構、原理主義的な人もいるので、怖いところではある。

ボクは海外で仕事をすることも多いので、宗教の話をすることもある。文化によっては、無神論者を受け入れないところもあると聞いているので、ボクは無難に「仏教徒です」と答えるようにしている。でも、本当のところのボクは無神論者だ。無神論者だなどと言うと、もしかしたら多くの日本人は「私もそうだよ!」と答えるかもしれない。でも、ボクは日本人は無神論者だとは思っていない。キリスト教のように日曜日に教会に通うようなものを信仰だと定義すると、日本人のいい加減な信仰というのは宗教ではないと感じるかもしれないが、たとえば、お盆になると実家に帰って墓参りしたり、定期的に故人を悼んで法要を執り行ったりするのは、立派な宗教だと思う。何となくお正月に初詣に行くのもある種の宗教だと思う。葬式に行った帰りに塩を撒くのも宗教だし、神社仏閣に入る前に敷居を踏むと気持ち悪さを覚えるのも、立派な宗教だ。

ボクの父方の祖父はどちらかと言えば無神論者だった。どうせ死んだらお終いだから、葬式はいらないと言って憚らなかったし、もしも葬儀を上げるなら、どうせなら踊り仏教にして、みんなで踊って楽しく送り出せばいいじゃないかと笑っているような人だった。ボクもそういう意識を持っている。祖母が死んでも、祖父が死んでも、ボクは喪中はがきを出したことはない。喪に服すというのも、多分、ひとつの宗教だ。ボクには、そういう意識はない。それでも、母からは「せめて私が死んだら喪に服して欲しい」と言われているので、母のために喪中はがきを出すのかもしれない。

そんなボクなので、本当の意味での無神論者である。そして、無神論者だからこそ、神道も仏教もキリスト教もイスラームも横並びにして論じられるのではないかと思っているんだけど、どうだろうか。さてはて。

  

2023年10月12日 ウェブ2.0と妖怪の話!?

今年度になって、異動があって、仕事の方は肉体労働が続いている。慣れないもので、筋肉痛で身体が悲鳴を上げている。ちょうど仕事と仕事の間に休めるタイミングができたので休んで、ウェブサイト「ファンタジィ事典」の更新に勤しむ。

先般まで「フィリピンの妖怪」や「モンゴルの妖怪」に手を出していた癖に、今日は今日で「韓国の妖怪」を追加している。飽き性で移り気なボクである。韓国の妖怪に関しても、少しずつ韓国語のウェブサイトが増えてきた印象だ。韓国人が自国の妖怪を整理して、ウェブサイトに情報をアップしてくれている。どの程度、正確なのかは分からないが、日本人がまとめるウェブサイトよりは、その国の人がまとめてくれるウェブサイトの方が、現地の温度感もあって、信憑性がある。

日本は幸いなことに、近代化が進んでいく最中に、民俗学というジャンルの中で、民話の収集や妖怪の語彙収集みたいなものを民俗学者たちがやってくれた。イギリスでも、妖精の民話を収集する研究者たちがたくさんいた。お陰で、いろんな伝承がちゃんと記録に残されているし、書籍もたくさん出されている。近代化が進んでしまうと、お化けや妖怪の類いは迷信になってしまって、語る人がいなくなってしまう。そうなると、たくさんの貴重な情報が散逸する。

今はインターネットの時代である。いろんな情報がオンライン上で集約できるようになって、各地の伝承が整理統合されるようになってきたと言えるのかもしれない。ちょうど、フィリピンでアスワン・プロジェクトが始まり、韓国でトッケビ復興プロジェクトが起こったりして、いろんな情報がデジタル化されて、可視化されている。その流れの中で、愛国心とか民族復興みたいな意識も働いて、妖怪を掘り起こす人が現れているのかもしれない。

ボクの勝手なイメージだと、韓国はかなり近代化が進んでいる国だと思っている。韓流映画でも、早い段階で最先端の電子機器を駆使する若者たちが描かれていた。地方部はともかくとしても、都市部の近代化は早かったはずだ。だから、今になって大昔の韓国の妖怪を拾い出すのは難しいかもしれないなあ、と勝手に思っていた。でも、韓国の古い文献がデジタル化されてオンライン上にアップされ、多くの人がそれを読めるようになった。そこで掘り起こされる妖怪もいるだろう。韓国人は愛国心が強いので、中国や日本の文脈とは切り離した韓国オリジナルの妖怪を探そうとする気持ちも、もしかしたら一役買っているかもしれない。加えて、韓国は日本と同じくらいに都市伝説的なものに妖怪が出現する(アメリカのアーバン・レジェンドはぞっとするオチがメインで「妖怪」っぽい感じではない!)。そういう新しい妖怪がどんどん生み出され、収集されているのも、とてもよいと思う。

  

2023年10月8日 フィリピン、そしてモンゴルも!!

昨晩、ウェブサイト「ファンタジィ事典」を11項目更新した。我ながら、忙しい最中、結構な更新量だと思う。

ひとつは「フィリピンの妖怪」。ホワイト・レディカペローサウンガウンガカマカマを更新した。イラストはまだこれからだ。でも、ウンガウンガなんか、イラストにしたらインパクトがありそうなので、早急に絵を起こしたいと思う。従前から言っているとおり、フィリピンの妖怪をイラスト化したら、次はインドネシアかミャンマーに着手したいと思っている。これらの国々は実際にボクも行ったことがあるし、土地の持つ雰囲気が分かっている。だから、イメージしやすい。

もうひとつは「モンゴルの妖怪」だ。マンガスモー・ショボーを更新してみた。何となく、あまり知られていないアジアの妖怪を潰していきたいなと思っていて、その中でも、日本、韓国、中国、モンゴルは「東アジア」に分類される。日本も含めて「東アジア」の体制を整える意味で、今回、モンゴルにも手を伸ばしてみた。モンゴルに関しては、ロシア語圏の資料が多いので、ロシア語のウェブサイトも参照している。

それから、最近、注釈をつけられるスタイルにしてみた。本文に補足的に説明できるようにすることで、本文を少しだけシンプルに読みやすくして、難解な部分や枝葉は注釈に持っていけるように、文章を組み立て直してみている。いろいろと試行錯誤中のボクである。

そんなわけで、緩やかにファンタジィ事典を更新中である。

  

2023年10月6日 小説『リング』を読んだ。

先日、「ファンタジィ事典」で貞子を更新するために、映画「リング」「らせん」「リング2」「リング0~バースデイ~」を一気に観た。でも、原作とは若干、設定が違う部分もあるという情報があったので、原作の小説『リング』も読んでみた。面白くて、一気に読んでしまった。映画を観ているので大まかな粗筋も展開も分かっている。それでも、面白かった。映画を観る前に読んでいたら、もっと驚いただろうし、面白かっただろうな、と思うけれど、でも、そんなことを度外視しても、文章が生き生きしていて、話の組み立てや情報開示の順番が練り込まれていて、引き込まれるままにあっという間に読み終わってしまった。映画だと結構、曖昧に書かれている部分も、小説では丁寧に描かれている。たとえば、貞子が何を望んだのかとか、何故、ウイルスと化したのかとか、その辺がとても明瞭だ。

一方で、小説を読んでみて、結構、映画ベースで構築していたボクの「ファンタジィ事典」の記述は、小説を読む立場からすると、かなりの部分、ネタバレになっているかな、という気もして、加筆修正が必要だなあと感じた。映画と小説では、物語の組み立て方がかなり違っていて、謎の開示のされ方とか、種明かしのタイミングが大きく異なる。その辺、これから小説を読む人に配慮した表現にしなきゃいけないかもしれない。

いずれにしても、とても面白かった。

  

2023年10月4日 フィリピン妖怪から始めてみよう。

相も変わらず、フィリピンの妖怪を調査している。もう少し整理したら、またファンタジィ事典にも反映させたいと思っている。そのときには、イラストを添えてフィリピンの妖怪を紹介できたらよいなと思う。日本で知名度の低い妖怪は、イラストを援用することで、少しでも知名度を高められたらよい。そんな密やかな構想である。

こんなことが可能になったのは、Aswang Projectのお陰だ。いろんなフィリピン妖怪を掲載してくれている。姿・形の詳細が載っていないものが多いので、イラストに起こすのは大変なんだけど、それでも、最近はフィリピンのイラストレータさんがフィリピン妖怪を描くようになっているので、現地でどういう風に捉えられているのかが、少しずつ把握できるようになってきている。勿論、イラストレータさんの独自の解釈とかアイディアが盛り込まれているはずなので、完全に信頼できるわけではない。でも、少なくとも、現地ではこういう風に解釈されているという一端を知ることはできる。

たとえば、アスワンの一種であるマナマンガルという妖怪は、下半身から切り離されて、上半身だけが空を飛ぶイメージが定着している。上半身からは腸がはみ出しているイラストが多い。一方で、ウンガウンガという妖怪は、マナナンガルに似ているけれど、上半身ではなく、首だけが身体から切り離されて空を飛ぶ。しかも、肺、胃、腸などが一緒になって首にくっついて飛び出してくる。そんなイラストを多くのフィリピンのイラストレータが描いている。インドネシアやタイ、ラオスにも、首だけが内臓をぶら下げて飛んでいる妖怪がたくさんいる。ウンガウンガは、そういう東南アジアの妖怪の方に近い姿だ。こういうのをイラストで描いて紹介すれば、フィリピン妖怪の知名度が上がるのではないか。それがうまく行けば、インドネシア妖怪やミャンマー妖怪でも同様の取り組みをしていきたいところだ。

  

2023年9月26日 最後に常に不安と絶望を残して幕を引くのがリングの魅力!?

映画『リング2』と『リング0』を観た。『リング2』は映画『リング』『らせん』と続いた物語のパラレルワールドのようだ。そして『リング0』は貞子の誕生譚。

『リング2』でもビデオの呪いは健在だ。ビデオの呪いから逃れるためには、誰かにビデオを見せなければならない。深田恭子演じる女子高生の香苗は呪いのビデオを取材するライターの岡崎にビデオを渡して、必ずビデオを見るようにお願いする。しかし、彼は結局、ビデオを見ない。その結果、1週間後に香苗は貞子の呪いで死んでしまう。こういう展開は、現実だったらありがちだなーと思う。「絶対に見てね!」と託されたのに、裏切られる。結果、彼女も新たな呪いの渦になって岡崎に襲い掛かる。つまり、こうやって、人間の負の感情で、貞子は増殖していく。こういう人間の浅ましさが『リング』シリーズの一貫したテーマなのかもしれない。

呪いのビデオを見た友人が死んだときに、その場に居合わせた女性は、貞子を目撃して気が狂ってしまった。病室のテレビを見た瞬間、彼女の念力みたいなもので、テレビに呪いのビデオと同じ映像が映し出される。院内はパニックになる。このシーンはとても怖かった。「見ちゃダメだ」と言われながらも好奇心でビデオを見てしまう「見るな」の怪から、強制的にビデオを見せる怪になってしまう。こうやって、いろんなところに貞子の呪いが波及していくのは、難解ながらも、とても面白かった。

最後、貞子が井戸をよじ登って追いかけてくるシーンは、思わず笑ってしまったが、それでも、『リング』シリーズは独特の雰囲気があって、Jホラーの代表格という感じだ。

『リング0』の方は、貞子を仲間由紀恵が演じていた。この貞子は純粋でとてもかわいい。この話では、いい貞子と悪い貞子がいて、いい貞子は人の怪我を治癒できる。しかし、悪い貞子が次々と人を殺していくために、特殊能力を持ついい貞子も迫害される。そして、結局、パニックになった人々によって、貞子は追い詰められてぼこぼこに殴り殺されてしまう。そのシーンが、とても凄惨で恐ろしい。仲間由紀恵は、寄ってたかって棒で殴られて殺されてしまう。

けれども、もっと恐ろしいのは、彼女は、人々に殴り殺されたにも関わらず、復活する。自らも治癒・再生してしまって、彼女は死なないのだ。いい貞子の、人を治癒して、再生し得る偉大な能力と、その可能性は、しかし、人々の恐怖と混乱によって迫害され、潰されて、押し潰していく。そこがとてもホラーだと感じた。結局、人間の恐怖が貞子という怪物を生み出すのだ。最後の最後に、貞子は井戸に突き落とされて殺される。それでも、自らの能力で再生してしまって、井戸の底で、彼女は死ねないまま、ずぅっと閉じ込められ、生き続けることになる。この映画は、鉈で殴られ、井戸に突き落とされた彼女が、無傷で井戸の水の中で起き上がり、そして絶叫するところで幕を閉じる。こういう後味の悪さもまた、『リング』シリーズの魅力なのかもしれない。

  

2023年9月18日 2体の「非人間」のミイラ!?

9月12日にメキシコ議会の公聴会に2体の「非人類の遺体」がハイメ・マウサン(Jaime Maussan)氏によって持ち込まれて、話題になっている。宇宙人のミイラだと報じられているが、マウサン氏本人は「非人間」とは主張しているが、「地球外生命体(イーバ)」との明言は避けている。意外と小さい2体のミイラだ。胡散臭いと言えば胡散臭い。作り物っぽい。でも、こうやって、ネッシーの大捜索があったり、グレイの写真がXで公開されたり、「非人間」のミイラが議会に持ち込まれたり、平和な時代だし、楽しいなあ、と思う。

持ち込まれた2体のミイラを科学的に真っ当に分析したら、フェイクだった場合、すぐに真実が判明してしまうはずだ。こうやって持ち込んでいるので、マウサン氏には、何か秘策があるのかなあ。うーん。

  

2023年9月16日 テレビから幽霊が這い出して来るという新概念!?

9月4日にテレビから這い出る貞子って、今じゃ「妖怪」か!?という記事を書いた。ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』やメアリー・シェリーの小説『フランケンシュタインの怪物』をボクはよく例に出すが、ドラキュラにしてもフランケンシュタインの怪物にしても、著作者の手を離れて、独立したモンスターとして、ハロウィーンで暴れ回っている。おそらく、エンタメを楽しんでいる人たちの中では、ブラム・ストーカーやメアリー・シェリーとの関係性は切れている。そういう意味じゃ、ジョゼフ・ペイン・ブレナンの『沼の怪』で登場したスライムも同様で、今やいろんなゲームに雑魚キャラで登場して、ブレナンがオリジナルだとは知られていない。そういう意味で、「山村貞子」というJホラーの怪物も、もはやそういう類いの仲間じゃないか。

そんなわけで、DVDを購入して、映画『リング』と『らせん』を観てみた。実は、ボクはホラー映画が苦手なので、敬遠していた。でも、貞子がファンタジィ事典の対象になるかもしれないなら、これは観るしかない。

結論から言うと、『リング』はそんなに怖くはなかった。むしろ、テレビから貞子が這い出してきたシーンには、ギャグっぽささえあった。お陰で、最後まで観ることができた。もしかしたら、それはいろんな人にこすられ続けてきたからかもしれない。何も知らずに初めて貞子を観ていたら、戦慄するのかもしれない。でも、インパクトはあった。テレビの映像に呪いを込める。映像を視た人は1週間後に死ぬ。テレビから幽霊が這い出して来る。これは……すごい発想だな、と思った。最後、松嶋菜々子が演じる浅川玲子が、息子の呪いを解くために父親を犠牲にしようとして終わるところが、最もホラーである。続編の『らせん』はホラーというよりはファンタジーという感じ。何とも不思議な感覚で終わって、それはそれで面白かった。

テレビから這い出す貞子というのは、原作にはない監督の中田秀夫のオリジナルの設定なのだという。そして、この中田氏の改変された「貞子」は、その後、『リング2』、『貞子』、『貞子2』、『貞子3』……と独自に展開していくらしい。そうであれば、ファンタジィ事典のためには、そちらもフォローしなければならない。……でも、『リング0』は怖いというレビューも見るので、ちょっとドキドキするなあ。……全部、見終わったら、ファンタジィ事典に「貞子」の項目を書いてもよいかもしれない。ドキドキ。

  

2023年8月31日 オカルト復興!?

ユリ・ゲラー氏がXにグレイの写真を投稿している。先日はネッシーを話題にしたが、今回はグレイ。しかも投稿者があの超能力者のユリ・ゲラー氏。1980年代のオカルトが復興している2023年8月である(笑)。結局、ネッシー大捜索は大きな成果もなさそうだし。まあ、そりゃあ、そうだよね。あっはっは。

  

2023年8月27日 ネッシーの大捜索!?

ネス湖センターによれば、8月の26日(土)と27日(日)にThe Quest Weekendと称して、ネッシーの大捜索をすると発表し、世界各地のハンターにネス湖に集まるように声掛けした。昨日と今日で、どんな成果が得られるのか、期待したいところ。

それにしても、このご時世になっても、ネッシーで一大イベントが開催できるというのは、実に素晴らしいことだ。インターネットが発達して、簡単にインターネット上で検索すれば答え合わせが出来てしまう時代になった。だから、いわゆるオカルトは廃れるのだと勝手に思い込んでいた。でも、ちゃんとこうして脈々と、未確認生物のイベントに人が集まって熱狂できるのだ。とても良いことだ。

大体、最近、本屋さんに行くと、朝里樹さんの都市伝説関連の本が平積みにされていたりして、それもまた、微笑ましく思っている。問題は、その購買層というのか、エンタメを享受しているのが、若者世代にまで響いているのかどうか。1980年代のオカルトの残り香に当てられたボクらにだけ響いているのでは意味がないのである。

ちなみに、ネス湖センターのウェブサイト(https://lochness.com/)、意外と凝っている。ネス湖の水面がゆらゆらと動いているんだけど、下にスクロールすると、急に湖の深くに潜り込んだように、背景が暗くなったかと思うと、ネッシーのシルエットがスゥーッと出てくる。面白い。

  

2023年8月25日 ハンユスクスこそが龍の正体!?

YouTube「コテンラジオ」でここのところ、「龍の歴史」という特集をやっている。

中国の「龍」の中で、龍の起源はワニ説に絞って、その中でも、モデルとなったワニが実在したというのを、動物学と漢字の歴史から紐解いていこうとする。たとえば、ワニを表す漢字に「鼉(ダ)」というのがあって、これは現在でも中国ではヨウスコウワニ、すなわちアリゲーターを意味している。クロコダイルには「鰐」の字が当てられる。でも、「鰐」という字は比較的、新しいらしい。つまり、インドなどに行って、クロコダイルを見た古代の中国人が「鰐」という字を当てたわけだ。

最近、マチカネワニの一種であるハンユスクスが殷・周の時代の中国には生きていたことが分かってきた。青銅器で傷つけられた痕が発見されたのだ。ヨウスコウワニには「鼉」の字が当てられていたわけだけれど、同時代に生きていたハンユスクス(しかも人間と戦った痕跡まである)は、当時、何と命名されていたのか。それが「竜」だったのではないか。そして、中国が寒冷化してハンユスクスの一種が南下し、中国には大型ワニがいなくなってしまった。「竜」の名前が実体と離れ、伝説化したのではないか。そして、歴代の中国王朝によって神格化されていった。その後の時代に、インドでクロコダイルを見つけて、新たに「鰐」の字が当てられた。ヤンヤン氏が動画の中で青木良輔氏の学説と、その後の調査研究結果を丁寧に紹介してくれているので、非常に聴き応えのある納得の動画になっている。

日本にいると、ワニはワニであって、アリゲーターもクロコダイルも区別がつかないんだけど、ヨウスコウワニというのは、比較的、穏やかで、人を襲うような凶暴さはないらしい。一方のマチカネワニは7メートル、中国古代に棲息していたハンユスクスは6メートル半ほどととても巨大で、とても恐ろしいワニだったらしい。だからこそ、殷・周の時代にハンユスクスが生きていたのなら、何らかの名前が与えられたはずだ。それこそが「竜」だったのではないかという説は、非常に説得力を持つ。

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ちなみに、マチカネワニは大阪府豊中市で化石が発見され、化石発見地の待兼山丘陵からマチカネワニと命名されている。マチカネワニの学名は「トヨタマヒメイア・マチカネンシス」で、実は記紀神話のトヨタマヒメの名もついている。トヨタマヒメといえば、ウミヒコ・ヤマヒコの神話の中で、ヤマヒコの子を出産するときに「出産中は決して覗くな」と言って出産に臨んだにも関わらず、ヤマヒコはこっそりと覗いてしまう。すると、トヨタマヒメがヤヒロワニの姿になって海辺を這っているのを見て、ヤマヒコは驚く。「あれだけ覗くなと言ったのに!」と言って、トヨタマヒメは海に去ってしまう。

というわけで、日本にも約30万年前にはワニが棲んでいた。でも、文明後には生き残っていないので、日本の神話に登場するワニ(古事記では「和邇」と書く)は、アジアのイメージを輸入したものだろう。実際に大和朝廷で活躍した和珥氏は中国南部やベトナムなどから渡来した氏族で、ワニを信仰していた可能性も指摘されている。

というわけで、後半は日本の「和邇」伝承に関するボクの最近の興味を書いたけど、是非、コテンラジオを視聴してみて欲しい。結構、面白い学説を紹介してくれている。

  

2023年8月17日 クトゥルフ神話のデザインって凄いよね?

ウェブサイト「ファンタジィ事典」でクトゥルフ神話の項目を粛々と更新している。文章でいろいろと怪物の容姿を描写してみるものの、いまいちイメージが湧かない。たとえば、「古のもの」だと、樽のような胴体、球根状の首、ヒトデ状の頭部、その先端に目玉、首からは長い触手、その先端には口、胴体からはウミユリ状の触手と畳める翼、球根状の脚もヒトデ状……などと描写されてもイマイチよく分からない。

だから、描いてみた。どうだろうか。