チョンチョン
分 類 | 南米伝承 |
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Chonchon(チョンチョン)【マプチェ語】 | |
容 姿 | 人間の頭部だけの姿をした怪物。大きな耳で飛ぶ。 |
特 徴 | 「チョンチョン」と鳴いて病人の血を吸う。病人の死の前触れ。 |
出 典 | - |
でかい耳を羽にして、頭部だけが空を飛ぶ!?
チョンチョンはマプチェ族(チリ中南部やアルゼンチン南部)の間に伝わる怪物。その姿は人間の頭部だけの姿をした怪物で、異様に大きな耳がついていて、その耳を羽のようにして、チョウのように羽ばたいて空を飛ぶという。首のところにはフクロウのような足がはえているともされる。名前のとおり、「チョンチョン」という奇妙な鳴き声をあげる。夜中にやってきて、病人にとり憑いて血を吸うといい、チョンチョンの出現は病人の死の前触れだと信じられた。家族が気づいてお祈りを捧げれば、チョンチョンを追い払うことができるが、侵入を許してしまうと、ほとんどの病人は助からない。
チョンチョンの正体は悪い魔術師で、邪悪な術で編み出した軟膏を喉や首に塗ると、魔術師の頭は胴体から離れ、両耳は羽に変化し、首の付け根からはフクロウのような足が生えてくるという。そして自由に空を飛べる。そして病人のいる家に忍び込んで、病人の魂を奪うのだという。明け方、魔術師は元の姿に戻るために胴体に戻ろうとするが、もしもそのときに胴体が見つからなければ、チョンチョンは地面に墜落して死んでしまうという。その際には、フクロウのような死骸が残るという。
《参考文献》
- 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2021/09/20