2024年6月23日 いよいよ念願のシュメル・アッカド神話の神々を描き起こすときが来たよ!

昔、シュメル・アッカド神話の神々の姿を忠実に描き起こそうと思い立って、ラフ画だけは描いたものの、そのまんま頓挫していた。最近、絵を描く習慣ができたので、その勢いのまんまで仕上げてみた。手始めにシュメル神話の最高神アンを描いてみた。

アン/アヌのイラスト

アンの象徴は「角冠」である。雄牛の角をかたどったもので、アン以外の神々も「角冠」をかぶっていることが多いが、アンは4つの角の冠にしてみた。他の神々は3つにしようと決めている。やっぱりアンが最高神なので、角の数はアンが一番、多くしたい。

次は大地の女神を描いてみようと画策している。こちらは図像が残されているわけではないので、想像で穴埋めするしかない。頑張ろう。

2024年6月19日 妖怪って日本以外にもいるんですか?

よく「ご趣味は何ですか」的な質問を受けることがある。「お仕事以外では普段、何をされているんですか」的な質問でもいい。より深い人間関係を築こうとすれば、当然、仕事以外の話題に広げていくプロセスは重要になる。そういう場合に、ボクは大抵、「家に帰ったら、ずぅっと世界の妖怪を調べています」と答える。一瞬、キョトンとされる。苦笑いする人も多い。奇異の目で見る人もいる。でも、一番、多い反応は「妖怪って日本以外にもいるんですか?」という質問だ。話題を次に繋げるためには、まあ、真っ当な質問である。

ウェブサイト「ファンタジィ事典」は「世界各地の神話や伝承の事典。古代の神話から都市伝説やUMA(未確認動物)まで」というモットーを掲げている。おそらく、ボクの考える「世界の妖怪」の定義は、ほぼほぼこのモットーの中に納まってしまう。プロフィールのところに少しだけ書いているので引用してみる。

興味の対象は「架空の存在でありながら、その存在が実在と信じられたもの」。実在しないがために、人々の想像力に強く依存し、時代や場所とともに姿・形が変遷していくところが魅力。神話・伝承に登場する神さまや怪物、未確認生物、都市伝説の妖怪、宇宙人などを一括りにして勝手に「世界の妖怪」と定義している。

このプロフィールの記述は、「古代の神話から都市伝説やUMA(未確認動物)まで」という表現からもう少し解像度を上げていて、「神話・伝承に登場する神さまや怪物、未確認生物、都市伝説の妖怪、宇宙人など」と具体的に記述している。つまり、少しだけ乱暴な話だけれど、ボクにとっては神さまも宇宙人も「妖怪」なのである。

よくイギリス伝承の本を読むと「fairy(フェアリー)」という言葉が出てくる。訳すならば《妖精》である。イギリスの妖精の図鑑や辞典なんかを見ると、ブラウニーみたいな小人や、ピクシーみたいに昆虫の羽を生やしたザ・妖精みたいなものもいるが、ゴブリンみたいな小鬼みたいなものもいれば、ケルピーみたいな動物的なものもいれば、ブラック・ドッグみたいな魔獣もいる。ときにはワームみたいな竜の仲間みたいな類いも含まれたりする。要するに、fairyは《妖精》ではあるけれど、単に《妖精》と訳せない概念も含まれている。それをどう訳そうかと思えば、結局、ボクは「妖怪」なんじゃないかと思う。イギリスの妖怪。そう訳出すれば、全部を包括して相手にできる。

今、「フィリピンの妖怪」を積極的に調べているけれど、十把一絡げにして、これらのことをアスワンと呼んだりする。アスワンにも、いろいろな側面があって、吸血鬼や人狼、グール、魔女などを包括するような概念だけど、ピッタリくるのは「妖怪」だ。日本の妖怪よりも血や胎児、死体を好む特徴はあるけれども、でも、「妖怪」と訳せばしっくり来る。だから、ボクはこういうのをひとまとめに「フィリピンの妖怪」と呼んでいる。

だから、まあ、ウェブサイト「ファンタジィ事典」は世界の妖怪を調査してまとめているということになる。そして、それがボクの趣味である。

2024年6月16日 ランポンのひげは緑色なのか!?

1か月振りくらいにフィリピンの妖怪のイラストを描いてみた。フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクトの第31弾の「ランポン」だ。ランポンは森の獣を守護する小人だ。森に狩猟者が現れると1つ目の真っ白いシカに変身して狩猟者の気を惹き、森の獣たちを逃がす。

意外と英語の解釈が難しくて、「one-eyed」とか「single eye」という表現が曲者だ。《片目の》とも訳せるし《単眼の》とも訳せる。フィリピンのイラストレータは片目が傷ついたシカのヴァージョンで描いている人もいれば、頭の真ん中に1つしかない単眼のシカを描いている人もいる。どちらが正解なのかは正直、よく分からない。でも、複数の辞書を参照して、どうも「one-eyed」とか「single eye」の用例にキュクロープスがたくさん出てくるので、ボクは「1つ目のシカ」を採用して描いてみた。

小人の方は比較的、多くのイラストレータの絵が一致していたので、裸ん坊に長いひげの姿を採用した。文章にはとんがり2つの黒い帽子という記述があるが、多くの人はシカの角を生やした禿の小人で描いている。でも、文章に忠実にするために、とんがり2つの黒い帽子で描いてみた。でも、シカの角が生えているっぽい雰囲気は少しだけ残してみた。ひげについては、白髭という記述もあるんだけど、多くのイラストレータが緑色で描いているので、悩んだ末、緑を採用してみた。

そんなわけで、1枚、絵を描くだけでも、いろいろな資料を当たって、検討し、決断をしながら絵に起こしている。それが正解かどうかは分からない。でも、極力、納得できるまで熟考するようにはしている。

2024年6月13日 古代ギリシア・ローマのイラストは少しだけ気楽。

ここのところ、ヒッポカムポスとかクリューソマッロス・クリオスみたいなギリシア神話関係のイラストを投下している。というのも、ギリシア神話の妖怪って楽ちんでよい。何がよいかと言うと、原典資料に当たる文献が大量にあるというのもいいんだけど、図像(壷絵とか)も大量に残されていて、そこに古代ギリシア人たちの想像力がたくさん込められている。それを何とかそれっぽく抽出できたら、新しさがある。

そんなわけで、古代のイラストと今風のイラストの折衷案を狙っている。ボクはあんまり今風にはしたくなくって、たとえばクリューソマッロス・クリオスなんかは、ファイナルファンタジーのゲームの中ではクリュソマロスとして登場していて、とてもキュートな丸いフォルムの金色のヒツジで描かれている。とても今風な感じで、それはそれでとても魅力的なんだけど、古代ギリシアの人たちはもう少し雄々しいヒツジで想像していた。その辺の真ん中を狙っている。ヒッポカムポスも同じで、もっと今風に描くなら、尾びれなんかを青系の色で描くと思う。でも、ギリシアの色っぽさを出したくて、3世紀頃のローマ時代のモザイク画の色を採用した。

あんまりにも疲れてしまうと、こういう資料の多いものに手を出して、内心、少しだけ休息しているボクである。

2024年6月7日 666には間に合わず(>人<)

ソロモン72柱の「ベレト」を描いてみた。詳細はウェブサイト「ファンタジィ事典」のベレトを参照にしてもらえればいいのだけれど、今回、ラテン語の『悪魔の偽王国』のボリュームが多くて、翻訳に苦労した。英語の『ゴエティア』も結構、分かりにくさはあって、フランス語の『地獄の辞典』も『悪魔の偽王国』を参照しているはずなのに、かなり端折った感じになっていて、時間を要してしまった。

本当は、ね。令和6年6月6日が「666」になるので、その「獣の数字」に合わせてソロモン72柱の悪霊をひとつ更新したくて準備をしていた。でも、何やかんやで結局、1日遅れになってしまった。クッソゥ。

ベレトの場合、他の悪霊たちとは違って、ルイ・ル・ブルトンの元絵がないので、自由に描くことができるが、それはそれで難しさはある。特にベレトについては『悪魔の偽王国』や『ゴエティア』の中に外見や風貌に関する記述がなくって、蒼ざめたウマに乗っていることくらいか記述がない。

ベレトのイラスト

ちなみに「蒼ざめたウマ」と言えば、キリスト教の世界では『ヨハネの黙示録』の四騎士を連想するはずだ。支配(白いウマ)、戦争(赤いウマ)、飢饉(黒いウマ)、そして死(蒼ざめたウマ)をそれぞれ象徴している。「蒼ざめた」というのはギリシア語では「緑」ということなので、今回、ウマの色は緑色と灰色の混ざったような色にしてみた。また、蒼ざめたウマを駆っている人物は死の象徴ということで、しばしば死神みたいに描かれる。死神は黒いローブをまとった骸骨っぽいイメージなので、今回、赤黒いローブに身を包んだ骨張った悪霊にしてみた。前を先導するネコとネズミは『地獄の辞典』の絵をそのまま援用している。

そんなわけで、ボクなりのベレトになっている。さあ、次はプルソンだなあ。プルソンはプルソンで、文章そのものは短いんだけど、訳しにくいと言えば訳しにくいんだよなあ。「aerial」がどういう意味なのか、解釈は人それぞれで、訳しにくい。でも、まあ、頑張ろう。

2024年5月26日 復活の狼煙をあげられるか!?

最近、文字通り、体調を崩していた。ゴールデンウィークが開けたところで38度の発熱。そこから1週間、熱がずぅっと下がらないまんまで、ようやく熱が下がったと思ったら、今度は咳が止まらなくなって早2週間。その間、満足に眠れないし、咳のせいで全身に変な力が入って、筋肉痛になっていた。咳が出なくなってきたので、ようやく本日、全身マッサージに行ったら、あまりのひどさに揉み返しがおきて、午前中はずぅっと死んでいた。

そんなわけで(どんなわけ?)、本来業務のお仕事もままならなかったんだけど、ウェブサイト更新や創作活動も大幅に滞っていた。フィリピンの妖怪とかタイの妖怪という雰囲気じゃなくって、それで少し視点を変えて、現代ファンタジー系に手を出してみた。ゴブリンスライムだ。こういうのは気が楽だ。たくさんの人がすでに描いてくれているので、ボクなりの解釈で振り切って描いても問題ない。

ゴブリンは頭がでかくてグロテスクというイメージがあるので、ちょっとだけ頭を大きく描いて、歪(いびつ)な感じにしてみた。決してデッサンが狂っているわけではない。

ゴブリンのイラスト

スライムは鳥山明のかわいらしいスライムのイメージを払拭したくて、結構、大きなサイズで描いてみた。消化中の人間の骨を中に描いてみたわけだけど、ここから逆算すると、結構、大きなモンスターということになる。

スライムのイラスト

そんなわけで、熱に浮かされ、咳き込みながら、何とかできることをやってきた感じだ。苦しい3週間だったなあ。ここから復活の狼煙を上げられるといいのだけれど、さてはて。

2024年5月20日 ナイジェリアのムーブメント!?

DJ銀太の脱退に続いて、DJまるも脱退。Repezen Foxxは一体どうなってしまうのだろう。DJ社長の6月復活は嬉しいけれど、先行きが心配だ。などと、意外とミーハーなボクである。

* * *

閑話休題で、最近、ボクの周辺のXで、ナイジェリアに関連するポストが多い。ナイジェリアの料理や文化、仮面、衣装など、フォロワーの話題の中で、そういうリポストがたくさん流れてくる。何だろう。何かナイジェリアにまつわるイベントでもあったのかしら。

ボクは2014~2016年にお仕事で5回、ナイジェリアに渡航したことがある。累計で180日もナイジェリアに暮らしていたので、何となくナイジェリアに馴染みがあって、親近感がある。ナイジェリアと言えば、レストランでうっかり「シェフのおまかせサラダ」を頼んだら、ジャイアントスネイルが入っていて、知らずに食べてしまったこととか、町中で写真を撮っていたら、いきなり軍人がやってきて「逮捕する」と言われて、どうやら軍事施設の周辺だったとか、いろんな思い出がある。当時はボコハラムが暴れ回っていたし、エボラ出血熱も流行っていたしで、いろいろと難儀な時代だった。

ナイジェリアにはハウサ族、イボ族、ヨルバ族などのたくさんの民族がいて、特にヨルバ族の神話はアフリカ諸国の神話の中でも比較的よく研究されていて、知られている。それは、ヨルバランドの人々が、奴隷貿易でアメリカに連れていかれて、そこでブードゥー教などに変化していった歴史があるからだ。オロドゥマレという最高神に遣わされて、たくさんのオリシャ(神々)が地上にやってきて、世界創造をしたり、人類創造をする。有名なところだと、創造神オバタラとか、雷神シャンゴー、海神オロクン、軍神オドゥン、川の女神イェモジャ、そしてトリックスターのエシュなどがいる。そういうのを紹介したら、ちょっとニーズがあるのだろうか。

2024年5月11日 インターネットの記事の妥当性

38℃のハイフィーバーが3日ほど続いて、ようやく今日になって少し落ち着いてきた。それでも、まだ頭はぼーっとしているし、満足に身動きがとれる状況ではない。ずぅっとベットに突っ伏していた。そんなわけで、絵を描くプロジェクトも頓挫したし、リニューアルしていた「アバウトな創作工房」をもう少し手を入れる作業もストップ。いろいろと予定が狂ってしまった。

それでも、ようやく今日になって少しだけ動けるようになったので、久々にギリシア神話を眺めていた。そうしたら、意外とWikipediaの情報が不正確な部分があることに気づいた。実はギリシア語って、動詞の格変化で主語の人称が分かるようになっている。だから、主語が省略できる。だから、ヘーシオドスの『テオゴニアー(神統記)』の中で、主語が明確じゃない部分がたくさんある。たとえば、合成獣キマイラを生み出した両親とか、オルトロスの配偶者なんかは、三人称単数の「彼女」が主語であることは分かるが、それが誰なのかは文脈上、明確ではない。キマイラの両親は一般的にはテューポーンとエキドナとされている。それはヘーシオドス以外のアポッロドーロスやヒュギーヌスがそう明示しているから、妥当だ。でも、ヘーシオドスの文章だけでは、実のところ、女神ケートーである可能性も、レルネーのヒュドラ―である可能性も否定はできない。同様に、オルトロスの配偶者は一般的にはキマイラとされていて、子供としてスピンクスとネメアのライオンを儲けている。でも、これも同様に主語が省略されていて、エキドナやケートーの可能性もあって、判然としない。

ちなみに、『テオゴニアー』を日本語に訳した廣川氏は、キマイラの母親である「彼女」をレルネーのヒュドラー、オルトロスの配偶者である「彼女」をエキドナとして訳した。さすがにレルネーのヒュドラーがキマイラを生んだという解釈は受け入れられなかったのか、日本語版のWikipediaではキマイラの母親はエキドナとして解説している。しかし、オルトロスの配偶者の方はエキドナになっていて、日本語のWikipediaは全体的にこの解釈で統一されているようだ。でも、英語のWikipediaでは明確に誰と定めることはなく、3つの可能性を挙げるに留めていて、特にキマイラの母親である「彼女」はエキドナである可能性が高いと評価している。

ちなみに、Perseus Digital Libraryの『テオゴニアー』ではオルトロスの配偶者である「彼女」はエキドナと明確に訳されていて、母と息子の逢瀬という解釈を採っている。一方で、ローブ叢書の『テオゴニアー』では「おそらくキマイラ」と注がつけられていて、兄妹の逢瀬という解釈を採っている。ボクはローブ叢書の解釈が合うように思っている。そういう意味では、ひとつの解釈に定めてしまっているWikipediaの記述は正確性を欠いていると言える。ギリシア神話みたいにアクセス数が多そうな記事でも、こういうことがあるのだなあと思って、ちょっとビックリした次第。

……でも、ボクはポリシーとしてWikipediaはいじらない。いじっても誰かに直されるだけなので、ボクはボクの土俵である「ファンタジィ事典」の記事だけをアップデートするのみである。もしも誰か気になった方がいれば、是非、Wikipediaのキマイラとオルトロスとエキドナの項目の記事を修正くださいな。

2024年4月24日 ネットロアは都市伝説なのかネタなのか。

最近、朝里樹氏が精力的に都市伝説の本を出している。ボクは比較的、都市伝説も視野に入れて情報収集している方だが、結構、知らないものもたくさん載っている。最近の都市伝説はネットロアが多い。昔だったら、学校や学習塾が都市伝説の媒介になっていた。ときには雑誌やラジオというメディアが介入して、日本各地に広がっていった。今はインターネットの時代なので、当然、インターネット上で拡散していく。匿名の誰かが書き込んだ物語があっちこっちにコピペされながら、コメントがつけられながら、拡散していく。その拡散の速さは口伝えとは比にならない。そして、たくさんの都市伝説が量産されて消費されていく。

都市伝説の量産と消費が、ボクは少しだけ気になっている。昔は「トイレの花子さん」とか「口裂け女」、「人面犬」など、爆発的に子供たちの間で爆発的に拡散していったとは言え、口伝えだから、広がり方には限界があるし、ムラがある。話には尾ひれがついて変容していく。でも、ネットロアではログが残る。いつ、どこで、どのように語られたのか、最初の書き込みを辿ることができる。だから、みんなで少しずつ都市伝説をつくっていくというよりは、特定の「作者」の存在が透けて見える。ネタのように投稿して、バズっていく感覚がある。

だから、最近の都市伝説と呼ばれるものは物語の展開が複雑で、創作性が高い。ある意味ではよく出来ている。そういう匿名の誰かの創作物を、都市伝説の解説サイトや解説本で紹介することで、あっという間に都市伝説だと認定されてしまう。でも、本当にそれって都市伝説なのだろうか。創作ホラーとか、ネタの一種で、お遊びではないのか。書き手も読み手も、エンタメとして楽しんでいるだけで、リアリティを感じて怖がっているのかどうか定かではない。

山口敏太郎氏の本は、そういう意味で、何でもありという感覚があった。最近の朝里氏も、有名なものを紹介し尽くして、マニアックなものを紹介し出して、少しだけ、その方向性を感じている。ボクも「ファンタジィ事典」を運営しているので、そういう意味では、同じ穴のムジナなので、気を引き締めなきゃいけない。まあ、ボクもごった煮な感じで、混然一体とはしているのだけれど……。

2024年4月15日 ラッシュ修道士物語!?

オンライン上に『The historie of Frier Rush(フライヤー・ラッシュ物語)』(1626年)を見つけた。英語で、しかも古語だ。たとえば、devilはdiuellと書いてあったりして、訳すのは難しい。それでも面白くて惹きつけられて読んでいる。

The historie of Frier Rush

冒頭、いきなりベルフェゴール、アスモデウス、ベルゼブブが出てきて会合を開いている。その後、彼らの命を受けて人間に化けて修道院に潜り込んだ悪魔が、徐々に修道士たちの信頼を勝ち取りながら彼らを堕落させていくのが面白い。修道士たちに夜のおともの女性をあてがい、四旬節や晩節、金曜日などの禁じられた日に肉料理を提供し、派閥間に不和をもたらし、武器として警棒を与える。修道士たちはみんなで殴り合う。

ちょっとした綻びから組織が崩壊していく様を見せられているようで、当時の教会を揶揄した風刺的な物語だと思って読むと、なおさら、グッとくるものがある。

2024年4月12日 その国の妖怪らしさってあるよね。

先日、ファンタジィ事典サムヒギン・ア・ドゥールの項目を更新して(ただイラストを掲載しただけ!)、改めてイギリスの妖怪(妖精という方がイメージに近いのかもしれないけれど)に興味が出てきた。それで、キャサリン・ブリッグズ氏の『妖精 Who’s Who』を叩き台に、イギリスの妖怪について整理をしている。

何故、今さらながらイギリスの妖怪に興味を持ったのかというと、1月からずぅっとフィリピンの妖怪を更新してきて3か月とちょっと。データベースとしてはかなり蓄積されてきたんだけど、今、フィリピンの妖怪の雰囲気が分かってきた感覚がある。言語化しにくいんだけど、総体として、フィリピンの妖怪らしさというのか、フィリピンの妖怪ってこんなイメージみたいなものが掴みかけてきた。そして、タイの妖怪に徐々に移行しながら、タイの妖怪はタイの妖怪で、独特の雰囲気があって、そこにまた埋没していく感覚がある。

そうなると、俄然、他の国の妖怪にも興味が出てくる。アジアだけでなく、ヨーロッパだって同じ感覚でやれるのではないか。学生時代に、よくイギリスの妖怪は調べていた。でも、フィリピンの妖怪を調査してきた今だったら、また別の感じ方、捉え方があるのかもしれない。そう思った次第。それで、ちょっと試しにイギリスの妖怪について頭の中で整理を始めた。緩やかに放出していければよいかな、と思っている。

2024年4月8日 サムヒギン・ア・ドゥール

大昔の絵を引っ張り出してきて、それをリメイクする作業をやってみた。第2弾は「サムヒギン・ア・ドゥール」だ。

これも大学生のときにラフ画で鉛筆で描いたものをデジタル画に描き直した。当時はあんまり「サムヒギン・ア・ドゥール」を描いている人はいなかった。だから、意味があるかな、と思って描いてみようとした記憶がある。結局、ペン入れせずにお蔵入りしてしまった。今はね。海外のウェブサイトとかでもちらほら描いている人がいる。いろんな人がいろんな絵を描いている。いい時代である。

2024年4月6日 フィリピンからタイに徐々に移行!?

ウェブサイト「ファンタジィ事典」にケルト神話がないというのに気づいて、大慌てで準備して、ようやく、ケルト神話の項目を掲載し始めたボクである。それから、タイの妖怪も精力的に追加してみている。フィリピンの妖怪に続いて、タイの妖怪の絵も描いてみたいと思っているから、まずは項目を準備して、頭の中を整理しておこうと思っている。

フィリピンの妖怪も、もちろん、まだまだたくさんいるので、引き続き、調査して掲載していきたいんだけど、でも、元々、マニアックなところで、さらにマニアックなところに踏み込んでいきすぎると、あんまりよくない。フィリピンにおいてメジャーなところをある程度押さえたら、そこで一度、線引きをして、そこから先は緩やかにして、別に国の要所を抑えた方が、きっと事典として広がりがある。次はタイの妖怪をターゲットにしてみようかな、と思っている。

タイの妖怪は、でも、タイ語なので、フィリピンの英語とは違って、なかなか難しさはある。今は便利な時代で、タイ語であろうがミャンマー語であろうが機械が翻訳してくれるんだけど、英語のサイトと違って、タイ語のウェブサイトだと、絞り込みが難しい。英語だったら、妖怪の名称に加えて、「現地の姿」とか「神話」とか「イラスト」とか、それこそ、いろんなキーワードをつけて情報の精度を上げていけるけど、タイ語だとそういうところに難しさがある。それこそ、googleで上がってきたら、上から順にみていくしかない。それでも、まあ、機械が訳してくれるので、いい時代にはなったと思う。

2024年4月4日 昔のイラストを再構築!?

大昔の絵を引っ張り出してきて、それをリメイクする作業をやってみた。第1弾は「ミュルメーコレオーン」である。

実は、ボクは昔に描いた絵の原画(A4のコピー用紙に鉛筆で描いたもの)をほとんど手元に残してあって、それが大量にファイルに閉じてある。折角、頑張って描いたのだから、それをもう一度、今のやり方で再構築してみたら、きっと、彼らも昇華されるのではないか。そんな気持ちになった。きっと、今、3~4日に1枚、絵を描くようになったから、そんな気分になったのだろう。

ミュルメーコレオーンは「ライオンの上半身とアリの下半身の怪物」という説明を読んだときに「じゃあ、その継ぎ目の部分は一体どうなっているんだよ!」と疑問に思って描いたのだと記憶している。昔は結構、餓死する生き物なので、痩せ細った貧弱なライオンを描いていたんだけど、今回はお腹が空いてイラついているライオンを描いてみた。そういう意味では、少しだけブラッシュアップされている。

折角なので、昔、ボクが描いた絵を、デジタル画で再構築するアプローチも続けてみようかなと思ってみている。

2024年3月26日 フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクト

2024年1月から継続して「フィリピンの妖怪」のイラストを描いてきて、現時点で26項目になった。勝手なイメージとして、50項目行くのは大変だな、と思っている。でも、その半分の25項目を越えたら、一端というのか、それなりという感じがしていて、せっかくなので、これまでのイラストをひとまとめにした特設のページを作成してみた。

フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクト

日本における東南アジアの妖怪の知名度は必ずしも高くはない。ゲームや小説でも、あんまりモチーフとして使われない。でも、こうやってイラストをきっかけに「フィリピンの妖怪」に興味を持つというアプローチもいいのではないか。そう思っている。

2024年3月24日 久々の更新だ!

3月の怒涛の忙しさにようやく一息つき、本業(?)のウェブサイト「ファンタジィ事典」を久々に更新した。1か月振りの更新だ。

さてさて、ここからはどんどん事典を更新して、それから、絵も描いていこうと思う。フィリピンの妖怪シリーズは、もう少しだけは続けられるだろうか……。そろそろネタ切れ感もあるので、緩やかにタイの妖怪にシフトしていきたい。

2024年3月17日 近況報告。

3月なので、事業の精算をしなければならず、、ここのところ、連日連夜、21時とか22時とかまで働いていた。だから、ヘトヘトになっていて、ウェブサイト更新がなおざりになっていた。1か月くらい「日々の雑記」は断絶していたような気がする。それでも、何とかXとpixivの更新だけは3~4日の頻度でポストしていた。要するに、絵だけは描き続けていた。

まだもう少しだけ忙しい予定だ。だから、「日々の雑記」にはまだまだ注力できなそうな見通し。でも、タイの妖怪にも少しずつ手を出し始めた。Xではシーフーハーターの絵を描いて投稿してみた。だから、ちょっとだけ、Xもフォローしてもらえればよいかな、と思う。文字数が少ない分、気軽に投稿できて、助かっている。

2024年3月5日 フィリピンの妖怪を可視化【17】アマランヒグ

フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクト第17弾。アマランヒグのイラストを投稿してみる。

アマランヒグはフィリピン伝承のヴィサヤ地方に伝わるアンデッド系モンスターである。一度、死んだ後に生き返った存在で、基本的には死体なので、腐った肉のような悪臭が漂っている。森の中に棲息し、夜になると人里にやってきて眠っている人間を襲い、鼻から血を啜る。襲われた被害者もアマランヒグになってしまうと信じられている。

アマランヒグは全身が硬直していて、関節が固いため、万が一、襲われた場合には、曲がりくねった木の間を逃げたり、木に登ったり、ジグザグに走れば、追跡から逃れることができる。また、水が苦手なため、川や湖に飛び込むか、川を渡って越えてしまえば、もう追い掛けてはこない。

フィリピンではアスワンと呼ばれる吸血鬼の仲間たちが知られている。地域によっては、この吸血鬼の能力は他人に譲渡できると信じられている。そのため、彼らは天寿を全うする前に、子孫に自分の能力を移譲しようとする。しかし、誰もその能力を引き継がなかった場合には、彼らは死後も吸血鬼として生き続けることになる。それがアマランヒグなのだと説明される。そういう意味では、哀れな存在と言える。

  

2024年3月1日 フィリピンの妖怪を可視化【16】カタウ

フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクト第16弾。カタウのイラストを投稿してみる。

カタウはフィリピン伝承に登場する海の一族。海に囲まれた島国であるフィリピンには、バンタイ・トゥビグ(bantay tubig)と呼ばれる人魚や半魚人などの海の一族がたくさん知られている。人魚のマギンダラ、半魚人のショコイなど、いろいろな種族が知られているが、ヴィサヤ諸島では、カタウはこれらのバンタイ・トゥビグたちを支配する種族であると信じられている。カタウは、その姿こそ人間に似ているが、エラ呼吸で、腕や足にはヒレが生えている。カタウは海の干満や波など、水を制御して操る能力を持つ。ときには水を氷らせることもできるという。そして、しばしば漁師に姿を変え、近づいてきた人間を溺れさせてしまう。

カタウはしばしば、こちらが話したことをオウム返しに繰り返す習性がある。また、東ネグロスではカタウは子供くらいの大きさだとされていて、しばしば、排水溝を泳ぐ姿を目撃されている。カタウの毛は豊漁を約束してくれるので、大切なお守りになるとされる。

  

2024年2月26日 フィリピンの妖怪を可視化【15】カランゲット

フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクト第15弾。カランゲットのイラストを投稿してみる。

カランゲットはフィリピンの土の精霊である。頭が大きな老人で、醜い姿をしている。しかし、そんな彼らこそが実は土地の真の所有者なのである。そのため、新しく土地を開墾して作物を育てる場合や、その土地に家を建てる場合などには、常にカランゲットに供物を奉げる必要がある。

カランゲットへの供物は食べものでよい。でも、彼らはショウガや胡椒、酢などの味が強いものは苦手なので、塩や香辛料などは加えない。供物を捧げることを怠ると、その人間は謎の病気になって、気が触れたり、最悪の場合は死に至ることもある。

ちなみに、力のある魔術師に呼び出されて、地面から出現することもあるらしい。