2022年5月15日 SNSを駆使したい!?

右も左も分からないまんま、取り敢えず海に向かって舟を漕ぎ出している状態だ。FacebookとTwitter、そしてpixivを回しながら、何とか形に出来ないかと暗中模索で、YouTubeとInstagramはアカウントは取得したものの、アイディアがないため一時保留だ。

pixivはずぅっと前からやっていて、絵を描いては投稿していた。どちらかと言えば、絵を描いた感想の立ち位置で投稿しているイメージだ。ここからウェブサイト「ファンタジィ事典」に誘導できる。これは引き続き、続けていく方向性だ。Twitterも、絵を描いたタイミングでツイートしていた。単に「今、描いたよー!」という現在位置的な位置付けでツイートしていたんだけれど、今後はもう少しその妖怪に関する簡易な情報を載せてもいいかな、と思っている。Facebookについては現時点では使い方は模索中だけれど、神話・伝承関連の書籍を読んだときの感想と、絵を描いたタイミングに簡単な妖怪の概要を載せていって、蓄積していこうかな、と思っている。そして、Facebookページも作ったんだけど、こちらはもう少し厳密に、積み上げた情報をまとめるタイミングで更新していこうかな、と思っている。

そして、今後の予定として、当面、ジャンルを決めて、5つくらいの絵を描いていこうかな、と思っている。目下のところ、フィリピンの妖怪を5つくらい描いてみて、それをそれぞれのSNSにアップしながら、5つまとまった時点で、まとめ記事を書いてみたいな、と思っている。これをルーチンでやっていけるようになったら、ちょっと面白い展開になるのではないかな、と想定している。

そんなこんなで模索中ではあるものの、SNSを活用しながらの方向性なので、煩わしいところではあるんだけど、しばらくは雑記にこうやってアイコンをペタリコ、と貼り付けておこうかな、と思っている。

  

2022年5月6日 南米の妖怪をまとめてみた。

9月頃から、『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)に載っている妖怪を軸にウェブサイト「ファンタジィ事典」を順次、更新して来た。中南米の妖怪について言及するウェブサイトは少なく、一方で紹介されている妖怪の特徴がそれなりに面白そうだったので、せっかくならこの本に載っている妖怪を一気に紹介してしまおうという試みだ。

こうやって、1冊の本を潰していく作業は、中途半端にあちこちつまみ食いしながら自由気ままに更新作業をしてきた今までのボクにしては珍しい方向性だ。でも、あるジャンルを突き詰めることは、事典としての価値を高めるので、いずれは必要な行為だと思っていた。その意味では、本書は項目数も記述量もちょうどよかった。そういう新しい試みのつもりで始めてみた。

しかしながら、南米の妖怪となると、参照できる資料はなく、ほぼこの本だけが頼りになる。そうなると、畢竟、この本の写しになってしまうので、それはそれで問題だ。そこで、まずはスペイン語とポルトガル語のWikipediaを参照して、スペルや字義、特徴を確認することとした。それから、Wikipediaで英語表記を確認して、Googleで英語検索して、上位5件くらいの内容を確認した。その上で、Google画像検索で外見の描かれ方を確認した。英語であんまり引っ掛からないものは、スペイン語やポルトガル語で検索して、上位5件を確認した。基本的には、そうやって確認が取れた内容を掲載することにした。

このプロセスでやってみた結果、著者のホセ・サナルディ氏が、日本で南米の妖怪があんまり知られていないのをいいことにいい加減に書いた素人というわけではなく、信憑性の高い著述家であることが確認できた。また、本書を書くに当たって、おそらく彼がスペイン語やポルトガル語のWikipediaを参照していないだろうことも確認できた。ほぼ全ての項目で、Wikipediaに書いてある内容と本書の内容は合致するんだけど、Wikipediaにかなり詳述されている内容が、本書ではほとんど触れられていない。だから、Wikipediaとは別の情報に基づいて本書を記述しただろうことが分かった。アルゼンチンの人だけあって、スペイン語圏の妖怪の記述はほぼインターネット上の情報と合致する一方で、グアラニー神話やインカ神話などはあんまりフォローされていなくて、あくまでもそういう神話から派生した民間伝承的な要素だけが拾われている印象を受けた。大昔の神話・伝承は彼の対象の外にあって、あくまでも、現代の人々の間で語られる妖怪像にフォーカスしているようだ。

いくつか、本書でしか見つけることができなかった記述もある。カアーポラの記述の中で、マテ茶と結び付けるような記述はインターネット上で見つけることができなかった。また、イルペの二人の女も、インターネット上で見つけることができなかった。そういうものは、その旨を記述して、項目を記載した。

南米の妖怪へのアプローチは初めてなので、どの程度、自分の解説が妥当なのかは自分自身では評価できないが、発想として面白いな、と思ったのは、チェルーフェという妖怪だ。岩石とマグマでできた巨人ということで、最近のファンタジー映画のラスボスとしてCGで登場しそうな新しさを感じる。パテターロは糞尿で満たされた桶に片足を突っ込んだ格好の妖怪だが、どうしてこういう妖怪を着想したのかな、と思うと妙におかしい。セグアなんて、とても今風で、都市伝説っぽい。いずれにしても、一応、丁寧な確認作業は実施した上で、ウェブサイト「ファンタジィ事典」南米の妖怪をまとめてみたので、是非、参考にしてもらえればいいな、と思う。

2022年2月14日 令和の時代に「妖怪バラエティ」!?

2月13日にフジテレビで『妖怪ランキング大百科 鬼強い!鬼とヤバいもののけたちが大集合!』という特番が放送された。何故か、劇団ひとりとアンタッチャブルがMCを務め、ゲストとして、平成ノブシコブシの吉村、小芝風花、丸山桂里奈、そして荒俣宏大先生が出演していた。独自の視点で妖怪たちをランキングして、それらを紹介していくというスタイルで、『まんが日本昔ばなし』や『妖ばなし』など、他局の映像もふんだんに使っていて、ちょっと面白かった。自らを「妖怪バラエティ」と銘打っている点も、とても斬新だ。果たして、そんなバラエティが成立するのか。どのくらい視聴率を獲得したのだろうか。

妖怪に対する解説としては、及第点というところか。変に特徴的なところをピックアップしている点がクエスチョンだ。たとえば妖怪「クネクネ」が紹介されたときに、小芝風花が「あ、クネクネ、知っています。これ、メチャクチャ怖いですよ?」と前振りしたのに、その後の解説で、イマイチ、その怖さが伝わる映像になっていなかったのがその最たる部分で、多分、それぞれが思い描いている妖怪像と、解説者が狙っている妖怪像に少しずつ、ズレがあった。番組構成上、面白い部分だけを引っこ抜いたせいで、ちょっとずつズレている。そんな印象を持った。

でも、今は80年代じゃない。令和の時代にこんな「妖怪バラエティ」を3時間でやってみようという心意気は買える。いい方向性。

2022年1月30日 1,000項目達成を記念して

ボクがウェブサイト運営を始めたのは2003年で、大学生の頃だった。その中で「ファンタジィ事典」を立ち上げたのは2004年。その後、紆余曲折あって、方向性もあっちに行き、こっちに行き、いろんなスタイルを模索して、今(2022年1月)に至っている。

このたび、実は事典に掲載されている「世界の妖怪」の数が1,000項目を越えた。厳密に言えば、すでにとっくのとうに1,000項目は越えている。でも、単に辞書的に事実を載せるだけではなく、一定の要件を越えている項目を、ボクは別途、裏でカウントしていて、そんな納得している項目が、このたび、1,000項目を越えた。

そんな状況なので、今後は、新規の記事を増やすだけではなく、読み物としてもっと面白くなるように、過去の記事を再構築するような活動も、同時並行的に進めていければよいな、と思っている。

それから、単一の記事を書くのではなく、もっと俯瞰的な記事を増やすことも考えている。つまり、この国の妖怪ってこういう傾向にあるよね、とか、時代を経て、妖怪の在り方ってこういう風に変わっているよね、みたいな感じで、複数の項目を横断していくようなコラム的な特集記事を増やしていくと、「ファンタジィ事典」が単なる記事の総体ではなく、間口が広がって、読み物になっていく。

最近、いろいろな図鑑を読む。たとえば、動物図鑑だと、ネコ科とかイヌ科みたいな分類から始まって、個別の種の説明を載せるわけだけど、たとえば、食物連鎖についてまとめていたり、地域ごとに特集を組まれていたり、足の速い動物はどれかとか、肉食獣の獲物の捕まえ方の違いとか、いろいろな切り口で特集記事を書く。そうすると、単にその種の記事だけを読むのと違って、他の動物との比較ができたり、生態系の中でのその種の位置付けが分かったリ、進化の歴史が分かったリ、いろいろと理解が深まる。そういうアプローチを「ファンタジィ事典」の中でも取り入れられたら面白いだろうと思っている。こうして、1,000項目をまとめてきて、そんな分析ができるようなところまで来たのではないか。自分へのそんな期待もある。

何事も10年とは言うけれど、1,000項目を越えるのに、10年はとうに過ぎてしまった。ここから、さらに高いところを目指していきたいな、と思っている。そのときに、面白い世界が見えているといいなあ。

2022年1月5日 テスカトリポカを描いてみた。

今年の雑誌の表紙はテスカトリポカを描いてみた。アステカ神話の創造神だ。ジャガーに変身するので、寅年のネタとして採用してみた。顔の色は、本当はもう少し黄色いのかもしれない。塗ってみて、乾いたら、何だかオレンジっぽくなってしまったが、まあ、仕方ない。


2021年12月19日 こんな大らかな時代に生まれたかった

『ダンジョン飯』の10巻に「迷宮の兎」というのが登場して、一部のウィザードリィ・ファンの間で話題になっていた。ウサギが首を刈るというのは、ヴォーパル・バニーである。最近、『ダンジョン飯』の11巻を読んでいた妻のちぃ子が「そう言えば、ダンジョン飯に出てきた『迷宮の兎』には元ネタがあるのか?」と訊いてきた。どうも、かわいいウサギが首を刈るという設定にインパクトを受けたらしい。そんなこともあって、ウィザードリィのヴォーパル・バニーの話をして、現代の創作ではあるものの、面白いからウェブサイト「ファンタジィ事典」に載せてやろうと思って調べていたら、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』という映画が初出だと分かったので、ブルー・レイを調達して、観てみた。アーサー王と円卓の騎士が聖杯を求める物語のパロディ作品だ。でも、正直、とても面白かった。こんなにバカバカしい映画が作れるんだなあ、と思って感動した。いい時代だったんだなあ。大らかな時代だ。映画の終わり方も含めて、ふざけ散らかしている。ボクたちが生きている「今」は、もはや、こういう「遊び」が許容されにくい時代なのかもしれない。

2021年12月18日 絵巻物を漫画にしてしまう斬新さ!!

本屋に行ったら『まんが訳 稲生物怪録』(ちくま新書)が並んでいた。久々の本屋散策だったが、どうも2021年10月に出版されたらしい。ノーチェックだった。

監修が大塚英志氏だったので、彼好みの独特のタッチの画家による漫画なのかな、と思って本を開いたら、全然、そういうものではなくって、妖怪絵巻『稲生家妖怪傳巻物』そのものを写真で取り込んで、それを素材にしてうまくコマ割りして、吹き出しをつけている。まさに再構築といった様相で、全く新しい手法だった。このアイディアは面白い。

寡聞にして知らなかったが、実はこのアプローチは2作目で、『まんが訳 酒呑童子絵巻』というのが2020年5月にすでに出版されていたらしい。ともすれば、さらっと眺めて終わってしまう絵巻物だけれど、コマ割りがとても上手で、細部にフォーカスされるので、じっくりと絵巻物そのものを堪能できる仕掛けになっている。斬新だけど、これは発想として大成功しているな、と感じた。

近日中に『酒呑童子絵巻』も入手してみよう、と決意した。

本のページ

2021年9月30日 ミャンマーの伝承をガガッと大量更新中!!

ここのところ、ボクは「ファンタジィ事典」の更新に余念がない。各方面、各分野で更新しているが、本日はミャンマーの伝承に注力してみた。ミャンマーを旅して、現地で『The Thirty-Seven Nats』という本もゲットして、ずぅっと更新したいと思っていた分野だ。「ドゥッタバウン群」に分類される7柱のナッ神を更新してみた。マハギリナマードゥシュエナベシンニョシンピュトウン・バーンラシンネミだ。ちょっと、頑張って更新してみたので、是非、眺めてみて欲しい。ドゥッタバウン群の詳細はミャンマーの伝承を要チェック!!

そのうち、アノーヤタ群をまたガガッとまとめて大量に更新する日がやって来る……はず!?

2021年9月23日 ファンタジィの源流

ボクはウェブサイト「ファンタジィ事典」を運営している。その対象の範囲は「世界各地の神話や伝承の事典。古代の神話から都市伝説やUMA(未確認動物)まで」であり、「架空の存在でありながら、その存在が実在と信じられたもの」を『世界の妖怪』と定義して、「ファンタジィ」に関する言葉を事典形式で整理している。その一方で、実のところ、あんまり深く「ファンタジィ」という言葉を定義してこなかった。漠然と「ファンタジィ」という言葉を使っているけれど、さてはて、「ファンタジィ」って何だろう。

たとえば、ファンタジー小説の「ハリーポッター・シリーズ」は、分類として間違いなくファンタジィだ。映画『風の谷のナウシカ』もファンタジィ。RPGの「ドラゴンクエスト・シリーズ」や「ファイナル・ファンタジー・シリーズ」もファンタジィだろう。カードゲームの『マジック・ザ・ギャザリング』なんかもファンタジィなのだろう。中国を舞台にした『西遊記』や『封神演義』だって、ファンタジィだ。ファンタジィって幅広いな、と思う。最近は息子のツクル氏と一緒に、毎晩、「オズ・シリーズ」を読んでいて、もう少しで14作品を読破できる。こういうのもファンタジィだろう。

そんなわけで、ファンタジィの源流を探るべく、最近になって、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)を読み始めた。もっと遡れば、ジョン・ラスキンの『黄金の川の王様』(1851年)とか、チャールズ・キングズリーの『水の子』(1863年)などがあるらしいので、その辺も読んでみたいな、と思っている。ファンタジィはイギリスで誕生した。ちょうど、18世紀中頃に、書籍商のジョン・ニューベリー(1713~1767年)という人物が、子供向けに本を出版して売り出し始め、挿絵を付した本が売れるようになった時代らしい。その影響を受けて、18世紀後半には行商人たちによって「チャップブック」と呼ばれる通俗な本が販売され、その中で、フェアリーテール(おとぎ話)が人気を博すようになる。けれども、こういう通俗的な内容は、宗教的・道徳的・教育的に怪しからんということで、排斥する動きが出てくる。そんな中、1768年頃、ニューベリーがフランスで高い評価を得ていたシャルル・ペローの作品の英語版を出版する。そして、1823年にグリム兄弟の作品集の英訳、1840年代にはハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話の英訳が始まって、自由な発想による空想文学が出来上がる素地ができた。そうして、前述のラスキン、キングズリー、キャロルが作品を発表していく。

この辺の流れをちゃんと押さえれば、改めて「ファンタジィ」とは何か、を定義できるのではないか。そんなことを密かに目論んでいる。また、ヨーロッパの人々が新大陸アメリカに移住したときには、アメリカの地には「彼ら」にとっての神話・伝承がなかった。そのため、アメリカ人にとっての新たな神話として執筆された「オズ・シリーズ」も、ボクの中では、ひとつの探求のターゲットになっている。

こうやって、少しずつ「ファンタジィ」の外堀を埋めながら「ファンタジィ事典」を編纂していければよい。40歳になって、そんなことを感じている。

2021年5月5日 妖怪図書館 – 冥途のミヤゲ

最近、YouTubeで注目しているアカウントがある。「妖怪図書館 – 冥土のミヤゲ」(YouTube)だ。すでに1年ほど運営されていて、ボク自身は半年前くらいから見ていた。日本の妖怪について、熱く語っている。登録者数が1,000人にいかないので、収益化はできていないんだろうけれど、それでも、諦めずに定期的に投稿を続けている。すごいのは、情報のクオリティが高いこと。ちゃんと一次資料を参照していることが分かる。それでいて、分かりやすくて噛み砕かれていて、ちゃんとエンタメになっている。

正直、このクオリティでこの更新頻度なら、もっと登録者数が増えてもいいのにな、と思う。でも、YouTubeはコラボで登録者数を増やしていく側面があるので、このアプローチだとなかなか認知度が上がっていかないよなあ、とも思う。だから、こうやって陰ながら応援していこうと思って、小さいウェブサイトながら、紹介してみた。

2021年4月17日 天狗の絵を描こう!!

天狗の絵を描こうかと思って、いろいろと素材を集める。実は、ボクはひとつの絵を描くのに、いろいろと情報収集する。たとえば、今回の天狗であれば、過去の天狗の絵をたくさん集める。江戸時代の天狗の浮世絵もそうだし、天狗の神社の縁起に描かれている天狗の絵もそうだ。天狗のお面やお土産屋に売られている天狗の土鈴などの写真も収集する。それから、ゲームのデフォルメされた天狗の絵も参考になる。パズドラとか。そして、山伏の衣装の写真もたくさん情報収集する。今回は本山派を採用しようと思うけれど、山伏にもいろいろな派があることが分かった。他にも、ヤツデの写真、法螺貝の写真、八角棒の写真、鳥の翼の写真など、関連するものをできるだけたくさん集める。その上で、絵を描く。本日は、そういう下調べの日である。今月中には形にしたい。

2021年3月7日 バラバラ散漫雑記

今日は、ちょっとバラバラと散漫な雑記を書いてみよう。

息子のツクル氏の幼稚園時代の友人が家に訪問した。レゴマリオとWiiで遊んでいる。緊急事態宣言下ではあるので、どうなのか、という声もあるかもしれない。でも、子供がこうやって触れ合って遊ぶという体験は、新型コロナウイルス感染症なんかのために奪われていいものではない。そういう意味じゃ、我が家に遊びにやることに同意してくれた友人の両親にも感謝だ。

新コロに絡めてもうひとつ。地元の親たちの会合があって、本日、妻のちぃ子が参加した。何とZoom会議だ。これもいいよね。40分以上、やっていたので、誰かが有料のアカウントをゲットしたのか、会社のアカウントを勝手に使っているのかは分からない。でも、親たちの会合も、こうやってオンライン化が進んでいく。

そして、ボクはフランス伝承を調査。タラスクガルグイユグラウィリ。結構、フランスの竜退治って、地域によって類似の話があるのだなあ。そして、お祭りになっている。それもまた、面白いな、と思った。

2021年3月2日 ベヒモスは《カバ》でレヴィアタンは《ワニ》であるという不都合な真実

久々にゆっくりと休んで、ウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新。ベヒモスレヴィアタンを更新した。

ベヒモスが旧約聖書『ヨブ記』に登場することは有名だけど、じゃあ、『ヨブ記』を読んだことがあるのか、というと、読んでいない人が多いのだろう。でも、今はインターネットで何でも読める時代だ。Wikipediaの「ベヒモス」を見れば『ヨブ記』40章15-23節に登場することが分かる。そして、今度はWikipediaの「ヨブ記」に飛べば、Wikisourceで日本聖書協会の『明治元訳旧約聖書』(1953年)と『口語訳旧約聖書』(1955年)が引っ掛かる。従って、聖書を持っていない人でも、実は『ヨブ記』は読める。

というわけで、『ヨブ記』の40章15-23節を読むと、どちらにも「ベヒモス」は出てこない。実は「ベヒモス」はどちらも《河馬》と訳されている。ちなみに41章1節には「レヴィアタン」が登場するはずだが、これも「わに」あるいは「鱷」となっていて、「レヴィアタン」は出てこない。

ちなみに、ちょっと英語が出来れば、簡単にヘブライ語の『ヨブ記』を引っ張り出すこともできて、そこにはちゃんと「ベヒモス(בְהֵמוֹת)」も「レヴィアタン(לִוְיָתָן)」も出てくる。要するに、現在では「ベヒモス」は《カバ》と訳され、レヴィアタンは《ワニ》と訳されているということになる。それなら、ベヒモスは《カバ》でレヴィアタンは《ワニ》だ、とWikipediaで説明してもよさそうだし、神話系のウェブサイトで説明していてもよさそうだけど、そういう説明はない。やっぱり、ベヒモスやレヴィアタンを調べる人にとっては、ベヒモスが《カバ》で、レヴィアタンが《ワニ》であっては不都合なのだろうな、と感じる。

その当時(つまりヨブ記が書かれた紀元前7~4世紀)に、そういう認識だったのかどうかは分からない。少なくとも、カバの尻尾は杉のようではない。それに、現在では少なくともカバもワニもヨルダン川には棲息していない。ナイル川にはいたはずなので、そういう記憶が伝わったのかもしれない。でも、カバとワニだったら、確かに人類にとっては恐ろしい敵で、そこから着想してモンスターになったというのは、ない話ではないよなあ、と思う。だから、まあ、現在の聖書でカバとかワニとか訳されていても、それはそれで妥当ではあるかな、と感じる。勿論、ベヒモスはベヒモスであり、レヴィアタンはレヴィアタンなのだけれど。

2021年2月22日 オズの国の住民たちは素敵だ!?

最近、小1のツクル氏が寝る前、毎晩、本の読み聞かせをしている。今はフランク・ボームのオズ・シリーズだ。日本ではかかしやブリキのきこり、臆病ライオンが登場する1作目『オズの魔法使い』しか有名ではない。でも、オズ・シリーズは本当は全部で14作品(+短篇集が1作品)ある。それを順番に読んでいこうというプロジェクトだ。

すでに6作目『オズのエメラルドの都』に突入しているが、面白い。オズ・シリーズは突飛なキャラクターが登場して、面白いんだけど、6作目は集大成という感じで、本当にファンタジーをやっている。何しろ、ロクワットというノームの王が、周辺の極悪な民族と手を組んでオズの国に攻め込んでくるというシナリオだ。ロクワットに将軍に任命されたガプが休むことを知らないキテレツ族、筋肉だけのガリゴリ族、魔法に長けたマボロシ族と交渉して、同盟を組んでいく。その一方で、何も知らずに暢気にオズの国を旅して新しい出会いをするドロシー一行。この2つのプロットが、交互に入りながら、話は進んでいく。

ドロシー一行の旅も面白い。切り紙でつくられた人々が暮らすチョキリンの村、まるでパズルのように、ちょっとした衝撃でバラバラに崩れてしまうゴチャマゼ族の町、包丁や鍋、スプーンなどのキッチン用品の王国、パンが暮らす町、そして野ウサギが暮らす町、クドクドと訳の分からない理屈で話し続けるクドクド族の町、起こりもしないことを心配して大慌てするトリコシ族の村などだ。

ロクワット率いる乱暴な種族たちに対して、オズはどうやって危機を脱するのか……。そして、呆気ない終わり方。それがとてもオズらしくて面白い。

……問題は第6作『オズのエメラルドの都』がどうやっても手に入らないということ。仕方ないので、図書館から借りてきている。いつか入手したいなあ。我が家の本棚に正式にお招きしたい本である。

2021年2月20日 ケツの穴から手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わせたろかい

息子があまりに毎日「おケツ」「おケツ」と連呼するので「お尻」と言うように伝える。すると「ケツと尻は何が違うのか」と聞いてくる。挙句の果てに「ケツ」の漢字を教えろというので、そういえば、と調べてみたところ、漢字では「穴」と書いて「ケツ」と読むらしい。本来、ケツはお尻の穴を指すらしい。だから、ケツの穴では「穴の穴」になって、変なのではないか、という議論があった。度量が小さいことを意味する「ケツの穴が小さい」という慣用句もある。

ちなみに、岡山県には「オケツ」という妖怪がいる。お産のときに、赤ん坊の代わりに生まれてくる妖怪で、亀に似た姿で、背中には毛がはえている。生まれるとすぐに床を這って家の縁の下に逃げ込もうとするので、取り押さえて殺さないと、妊婦の真下に潜り込んで寝ている妊婦を殺してしまうという。

2021年2月7日 ちゃんと原典を参照すればよいのにね、というお話

本日はファンタジィ事典でブネという悪霊についてまとめた。マイナな悪霊ではあるけれど、ソロモン王が使役した72匹の悪霊の1匹なので、結構、知っている人は知っている。ソロモン王が使役した72匹の悪霊は、結構、ファンタジィ界隈では大人気だ。多分、ブレトンが描いたイラストが魅力的だからだろう。それぞれの悪霊に決まった魔法陣があるのもソソられる部分だ。

原典は明解で、17世紀頃からヨーロッパに流布した魔法書『レメゲトン』「ゴエティア」だ。1904年にメイザース&クロウリーが訳したものがよく知られているが、誤訳が多い。1999年にピーターソンが訳したものの方が本当は参考になる。でも、ピーターソン版が出るまではメイザース&クロウリー版が一般的だったので、イメージはそちらの方が強いので、ウェブサイト「ファンタジィ事典」ではメイザース&クロウリー版を訳して載せている。

ちなみに1577年にヨーハン・ヴァイヤーが『悪魔の偽王国(プセウドモナルキア・ダエモヌム)』を著していて、「ゴエティア」よりも古い。こちらは69匹の悪霊を紹介していて、そのほとんどが「ゴエティア」で紹介されている72匹の悪霊と重なっている。こちらはラテン語だ。これをレギナルド・スコットという人物が英訳してくれていて、多分、英語圏の人にはそちらで膾炙しているのだろうけれど、若干、意訳しているな、と感じる部分もある。

そして、コラン・ド・プランシーが1818年にまとめた『地獄の辞典』にもたくさんの悪霊が紹介されていて、これは改訂を重ね、1863年の第6版でブレトンの悪魔の挿絵が加わった。この挿絵のインパクトで有名になった72匹の悪霊は多いだろう。この本はフランス語で書かれている。日本語でも抄訳が出版されている。

ボクは72匹の悪霊については、基本的にこの3冊(ピーターソン版を入れると4冊)を原典で読んだ上で整理する方向にしている。そうすると、意外と日本で知られている解説が間違っていることに気づかされる。原典が明確なのだから、神話・伝承をエンタメとして楽しんでいる読者はともかく、本をまとめる人たちくらいは、ちゃんと原典を読めばいいのにな、と思う。その意味では、「ファンタジィ事典」では拙訳と合わせて原典も載せているので、一定の価値があって、参考になるのでは、と思っている。

 * * *

ちなみに、ロマンシングサガ3の四魔貴族のひとり「ビューネイ」は「ブネ」を元ネタにしているらしい。確かにデザインは似せている。性別が女性になっているが、元々の伝承も性別については言及されていないから、正しいのかもしれない。ブネだとダサいけど、ビューネイという言い方だと格好よく感じる。

2021年1月18日 カクダイ・クルクルムシ・ハカセ

最近、息子のツクル氏にライマン・フランク・ボームのオズ・シリーズを読み聞かせしている。ようやく3作目まで読んだ。意外と面白くて、とてもファンタジィをしているので、ウェブサイト「ファンタジィ事典」のターゲットにしてもよいかもしれないと思っている。1作目の『オズの魔法使い』だったら、たとえばクマとトラを組み合わせたような怪物「カリダー」とか魔法の金帽子で呼び出す「翼ザル」みたいなものが登場して、その辺は「ファンタジィ事典」っぽい。意外と有名な登場人物である「ブリキのきこり」も、魔女の魔法で次々に自分の身体を切り落として、そのつど、ブリキ職人に身体をブリキに置き換えてもらいながら、最後の最後で首を切り落としたときに、ブリキの頭に挿げ替えてもらう。こうして、完全なブリキのきこりになるわけだけれど、さて、主体はどこにあったのかな、と考えさせられる。

そんなわけで、お試しとして、1作目からは「トンカチ頭」を、2作目からは「カクダイ・クルクルムシ・ハカセ」を、3作目から「ホイーラー」を載せてみた。日本語訳によっては表現が異なるのかもしれないけれど、なかなかユニークなキャラクタたちだ。しばしば、幻想生物の事典などに『ガリバー旅行記』とか『指輪物語』、『クトゥルフ神話』などのキャラクタが載ったリもする。ドラキュラやフランケンシュタインの怪物なんかは完全に創作キャラクターだ。だから、オズ・シリーズのキャラクタが載ってもよいだろうな、と思っている。

2021年1月4日 予言獣、いろいろ

2020年はアマビエ・チャレンジが流行って、その後、いろいろな「予言獣」が取り上げられた。2020年はボクも真似して予言獣をたくさん描いてみた。


言わずと知れた「アマビエ」。でも、アマビエの詳細を知っている人は意外と少ないかもしれない(笑)。


アマビエの語源だと考えられる「アマビコ」。その由来は三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)らしい。


予言獣のルーツとしては「ジンジャヒメ」。これがオリジナルで、いろいろなものが混ざってアマビエに至る(笑)。


ジャンジャヒメのパロディだったはずの「クダン」。結局、戦後まで生き残った。


「ヨゲンノトリ」。誰かがアマビコやジンジャヒメ、クダンなんかを見てパクった派生形。

そんなわけで、予言獣たちのパワーも借りながら、2021年、いい年になりますように!!

2021年1月3日 あけましておめでとうございます!!

2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威を奮って、色々と大変な年だった。でも、お陰様でZoomやYouTubeなど、新しい取組みにもチャレンジできて、学びの多い年でもあった。こういう非常時にどれだけ創意工夫してこれまでの事業を推進していくか。対応力や発想力、柔軟性を求められる1年だった。

2021年は丑年なので、クダンを描いてみた。クダンもアマビエと類似の予言獣で、疫病退散の妖怪なので、ちょうど題材としては相応しかったかもしれない。


クダンは時代によって描かれ方は異なるが、江戸時代末期に、ウシからクダンが生まれるという形に落ち着いたので、その頃のクダン(すなわち、赤ん坊のクダン)を描いてみた。何とも不気味な表情になった(笑)。

2020年10月5日 インド神話に力を入れつつも……

ここのところ、ファンタジィ事典では「インド」に注力している。草野巧の『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』の索引でインドの項目に載っているものを全てやっつけながら、そこから派生していくものを潰していくという機械的な作業を進めている。そして、はたと困っている。

分類として「インド神話」という項目を立てている。ここにはヴェーダ神話とヒンドゥー神話が含まれる。それとは別に「仏教」という項目も立てている。けれども、この分類だと、厳密にはチュレルとかピシャーチャマサーンのような宗教学、神話学ではなくって、民俗学っぽいジャンルに含まれる現代に比較的近いところで信じられている(あるいは信じられていた)インドの妖怪の置きどころがない。歴史は必ずしも大昔のものではなくって、断絶せずに現在まで連綿と続いた地続きの存在だ。その途上にいる存在をうまく分類できない。仕方がないので、取り敢えずは「インド伝承」とでもしながら「インド神話」の中に仮置きしている。

昔、トルコに行ったときに、あの山にはゴルゴーンが棲んでいたなどと大真面目に現地ガイドに説明された。現地に根差した伝説みたいになっていて、すでに神話とは切り離されていた。ギリシアにも、ギリシア神話だけでなく、現在も巣食う妖怪や精霊たちがいる。そういうのはギリシア伝承とでもいいのだろうか。そういう意味じゃ、神話で分類していては、この辺が収まらない。そのうち、整理しなければいけないなあ、とは思っている。