2024年10月1日 グラス・キャットを描いてみた。
オズ・シリーズに登場する「グラス・キャット」を描いてみた。
グラス・キャットはライマン・フランク・ボームの『オズのパッチワーク娘』(1913年)で初登場したキャラクター。魔法の粉で命を得たガラス製の猫だ。疲れ知らずで、オズの国中を走り回って情報を収集している。ピンク色の粒々の脳みそが自慢で、よくこの脳みそがくるくると動いているところを見せつけて、自慢してくる。高慢ちきなやつである。
ツンとしたおしゃまな感じは表現できたが、正直、ガラスの素材感はうまく描けなかった。どうやればガラスっぽくなるんだろうなあ。難しいなあ。
2024年9月7日 フラットヘッドを描いてみた。
オズ・シリーズの「フラットヘッド」を描いてみた。
フラットヘッドはボームのオズ・シリーズの14作目(つまりボームとしては最終巻)の『オズのグリンダ』に登場する不思議な一族だ。頭が平らで、脳みそを入れておく場所がなかったため、愚かだったという。オズの国をつくった妖精たちは、彼らを見て哀れに思い、缶に脳みそを詰めて彼らに与えた。こうして、彼らは人並みに考えられるようになった。
この缶入りの脳みそは他人から奪うことも可能なようで、1人のフラットヘッドが他の2人から缶を奪って賢くなったという。この男は策を講じて、常に自分が国のリーダーに選ばれるような制度をつくったのである。
……脳みそが缶に詰められていて持ち運びできるというのは、一体、どういうことなのだろうか。しかもそれを奪うことで賢くなれるというのはどういうことなのだろうか。所有権を得た人が、その脳みそのスペックを使えるということなのだろうか。いろんなことを考えてしまう。ボームって不思議な人だよなあ。
それにしても、ちょっと気持ちの悪い絵になってしまったなあ。まあ、ボクの思うフラットヘッド族の王のスー・ディクってこんな感じなので、いいか。
2024年8月26日 オズ・シリーズのジャック・パンプキンヘッドを描いてみた。
オズ・シリーズの「ジャック・パンプキンヘッド」を描いてみた。ジャック・パンプキンヘッドは『オズのふしぎな国』(1904年)に初登場で、少年チップが木材とカボチャでつくった人形だったが、魔法の粉で命を吹き込まれた。
面白いのは、頭のカボチャはすぐに腐ってしまうので、取り換える必要があるという点。彼は自ら畑でカボチャを育てていて、定期的に腐りかけの頭を交換する。頭の出来栄えによって賢さが左右される。
頭を取り換えてもアイデンティティが変わらないのなら、お前の主体は一体どこにあるのだ、と小一時間ほど問い質したくなる。こういう不思議さがライマン・フランク・ボームの魅力のひとつだ。
2024年8月18日 庭に出て「ローズ」を描いてみる。
オズ・シリーズの「ローズ」を描いてみた。8作目の『オズのチクタク』(1914年)に登場したバラの一族で、バラ王国の王室庭園の温室で育てられている。植木鉢ごと移動する。ローズたちを支配するために、女王が誕生したが、彼女たちは女王に支配されることを拒み、王を求めて女王を追放してしまった。シャギー・マン(モジャボロ、ボサ男)は誰からも好かれる「愛の磁石」を彼女たちに使ってみたが、ローズたちはその美しい姿とは裏腹に心を持っていなかったため、効かなかった。
いつも絵を描くときには、インターネットで写真を探して、それを参考にしながら絵を描く。でも、妻のちぃ子がバラを育てているので、今回は庭先に出て、バラを観察しながら描いてみた。だから、比較的、リアルに描けた。本物を前に描くというのも大事なことだ。心がないという描写から、陰鬱な顔にしてみた次第。
2024年8月10日 風船人間。
飽きもせず、そして懲りもせずにオズ・シリーズを描いている。今回は「ルーン」である。オズ・シリーズに登場する風船人間である。バ・ルーンという王さまが統治しているので、ルーンというのは、英語のバルーンに由来することが分かる。
面白いことに、ルーンたちはすぐにパンクする。尖ったものにぶつかるとあっという間にパンクして、ぺっちゃんこになってしまう。そうなると、仲間たちがまるで自転車のタイヤのパンクを直すみたいに、傷口を修理して、空気を入れて、もう一度、膨らませる。そうやって、また元の姿に戻る。そんなわけの分からない種族がいるのか。そう思わせてしまうところが、ライマン・フランク・ボームの凄みである。
イラストは、あんまりうまく描けなかった。もっと弾んだ感じに描いた方が、ルーン族っぽくてよかったかもしれないし、空気が膨らんで中から押している感じも、もっと研究したらちゃんと再現できたかもしれない。でも、途中で「まあ、いいか」と思ってしまった。圧倒的に鍛錬が足りない。でも、何だかこんなバルーン人形がどこかの店先でふわふわと浮かんでいたような気もして、だったらまあ、風船っぽさもあるのだろう、と納得して、これもまた良しと受け容れることにした。受け容れて、こうしてアップして、公開している。
オズ・シリーズを描くなら、まずはカカシとブリキのきこりと臆病ライオンを描け、という声も聞こえてくるような気がする。でも、みんなが知っているものを描いても、あんまり意味がない。それぞれの頭の中に、それぞれの思うカカシがいて、きこりがいて、ライオンがいる。それはそれでもういいじゃん、と思う。こういうルーンみたいなやつは知らない人が多くって、「あ、そんな奴がいるんすか?」と思って興味を持ってもらえればよい。そう思って下手なりに頑張って描いている。
2024年8月6日 カクダイ・クルクルムシ・ハカセ!?
バズらないバズらないと言いながらのオズ・シリーズだけど、イラストのストックがたくさんあるので、本日も凝りもせず「ウォグルバグ」を更新してみた。そうしたら、意外とXで閲覧数が伸びている。いいねとリポストもまずまずの走り出し。
オズ・シリーズの場合、ジョン・R・ニール氏の挿絵が元ネタなので、ある種、ファンアート的な感覚で描いている。完全に同人のノリだ。そして、ニール氏のイラストが、非常にカラフルで、キャラクターの衣装もとてもオシャレだったりするから、畢竟、華やかになる。いつもボクが描く絵とは一線を画している。それはそれで面白さがあるのかもしれないなと思う。
緑色のジャケットにピンクのズボン、青いシルクハットというウォグルバグのデザインは、面白さがある。加えて、手足や触覚、鼻(?)の縞々の感じもオシャレよね。オズ・シリーズを読んでみたいと思う人がもっともっと増えればいいなあ。
2024年7月31日 オズ・シリーズのイラスト化、絶賛撃沈中
勝手にオズ・シリーズの登場人物のイラストを描いて「ライマン・フランク・ボームは『オズの魔法使い』だけじゃないよ」「オズ・シリーズは全部で14作品あるんだよ」ということを勝手にPRしようと試みたが、思いのほか、Xでもpixivでもバズっていない。それなのに勢いでたくさん描いてしまって、まだまだストックが残っているので、順次、アップされていく。バズらないままひた走っていくのか、誰かが見つけてバズらせてくれるのか。さてはて。
イラストとしてはかわいく描けていると思うんだよなあ。オズの世界の不思議な感じも出ていると思うんだけどなあ。マイナーなのかなあ。そうかもしれないなあ。うーん。
2024年7月29日 オズ・シリーズから「ソーホース」を描いてみた
オズ・シリーズをイラストに描き起こすシリーズとして、ティック・トック(チクタク)とホイーラーを描いたが、続いて、ソーホースを描いてみた。さてはて。
日本語の翻訳だと「木挽き台の馬」とか「ノコギリ馬」とかって訳されている。かわいさと翻訳の妙では「ノコギリ馬」に軍配が上がる。でも、英語だと「木挽き台」そのものがそのまんまsawhorseだったりするので、ちょうどダブルミーニングになっていて、いい感じなんだよね。そもそも、日本では「木挽き台」という表現そのものがあまり使用頻度が高くないかもしれない。
基本的に全部が木なので、色は茶色しか使わないという意味での難しさ。でも、動きが出るように、曲線とかにはこだわって描いてみた。しかも丸太の丸みを出しつつ、影も入れつつ、白黒でも問題ないくらいに下絵を整えてから彩色してみた。イラスト的には金の蹄鉄とか、赤い革のサドルとかで装飾してもよかったんだけど、やっぱり、チップに生命の粉を振り掛けられて動き出す瞬間のインパクトが描きたくて、無垢な感じにしてみた。さてはて。
2024年7月21日 オズの「ホイーラー」を描いてみた
オズ・シリーズをイラストに描き起こすシリーズとして、手始めにティック・トック(チクタク)を描いたが、続いてホイーラーを描いてみた。
これなんかは、もう、完全にファンアートだ。何しろ、オズ・シリーズはライマン・フランク・ボームの意向で、挿絵がたくさん描かれている。1作目の『オズの魔法使い』の挿絵はウィリアム・ウォーレス・デンスロウで、彼のイラストは知っている人が多いと思う。でも、2作目からはデンスロウとは不仲になって、新たにジョン・リー・ニールが起用された。だから、3作目に登場するホイーラーもニールのイラストがちゃんtの載っている。本当はもう少し気持ちの悪いニヤニヤ笑いの顔をしているが、服装としてはまさにこんな感じだ。
手が車輪になっている一族なんて発想はボームの凄さだと思う。その凄さを少しでも伝えたくて、頑張って描いてみた。かわいらしい絵柄になったけれど、まあ、児童書なので、それはそれでいいかな、と思っている。
2024年7月18日 オズ・シリーズにも挑戦だ。
ライマン・フランク・ボームは1900年に『オズの魔法使い』を発行した後、続編をたくさん書いていて、全部で14作品書いている。オズと言えば、ドロシー、トト、カカシとブリキの樵と臆病ライオンのイメージがあると思うんだけど、そんなもんじゃない。魅力的な登場人物はたくさんいるので、もっともっとオズ・シリーズを知って欲しいと常日頃から思っている。その意味で、オズ・シリーズの広報を担ってみようと思って、今回、オズ・シリーズの「ティック・トック」を描いてみた。
ティック・トックはボームの『オズのオズマ姫』(1907年)に登場した機械人間。日本語訳の本などでは「チクタク」の名前で登場している。思考、会話、行動の3つの機構があって、それぞれがゼンマイ仕掛けで動く。ドロシーに助けられて、以降、彼女に仕えている。何を隠そう、ティック・トックは文学史上初の「ロボット」なのである。