妖狐(ヤオホゥ)
分 類 | 中国伝承、日本伝承 |
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妖狐〔yāohú〕(ヤオホゥ)【中国語】 狐妖〔húyāo〕(ホゥヤオ)【中国語】 狐仙〔húxiān〕(ホゥシエン)【中国語】 狐狸精〔húlíjīng〕(ホゥリィジィン)【中国語】 | |
容 姿 | 狐。美女に化ける。 |
特 徴 | 長生きして霊力を得た狐。仙術や神通力を得て、人間に化けて悪さをする。 |
出 典 | 『捜神記』(4世紀)、『封神演義』(16世紀)ほか |
狐は美女に化けて人間をたぶらかす!?
妖狐(ヤオホゥ)は中国に伝わる狐の妖怪。中国では、狐は修行を積んだり、長生きして霊力を得ると、仙術や神通力を会得すると信じられていた。『子不語』(1788年)では狐たちが狐仙と認められるために泰山娘娘の試験を受け、人語を学ぶなどの説明がある。1000年生きると九尾狐になるなどと信じられ、太平の世に現れる瑞獣などと信仰された。たとえば、夏の禹王が塗山氏(とざんし)の女嬌に惹かれて妻にしたが、白い九尾狐だったとされる。ただし、狐は後代には多くの場合、美女に変身して、人間をたぶらかす存在として描かれることが多い。有名なものは『武王伐紂平話』や『封神演義』に登場する妲己(だっき)で、千年狐狸精などとされ、紂王を惑わして王朝を滅亡させた。
中国東北部では、霊力を得た五種類の動物の化身を「五大仙」と呼ぶ。狐仙(キツネ)、黄仙(イタチ)、白仙(ハリネズミ)、柳仙(ヘビ)、灰仙(ネズミ)で、財産をもたらすとして崇拝された。特に狐仙は飢饉から守る存在で、農家は狐仙堂に狐仙を祀った。人間に憑いて吉凶を占ったり、妖術を発現したりする。
日本でも狐はよく人間に化けて、たぶらかすとされるが、これは中国の「妖狐」の影響を受けている。なお、日本では狐と言えば油揚げだが、中国では、狐は鶏卵を好むとされ、狐を祀るときに鶏卵を与えることも多い。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/09/05