2024年11月23日 「ターボババア」を描いてみた。
都市伝説の「ターボババア」を描いてみた。
ターボババアは1990年代の中頃から都市伝説、あるいは学校の怪談などの文脈で語られ始めた存在だ。夜の高速道路などで自動車と並走し、時には自動車の窓を叩いたり、追い抜いて振り返るとニヤリと渡って運転手を驚かせる。たったそれだけなのに、100キロババアとかマッハババア、ジェットババアなど、いろんな名前で日本各地で知られている。リヤカーババアとか、ホッピングババア、ヘリコプターババアなどの変種も多種多様だ。
最近は「ダンダダン!」の中で大活躍なので、一躍、有名になった感じがする。めでたくタイにも進出したらしく、タイでは「ピー・ヤーイ・サピート」と呼ばれて、やっぱりタイの高速道路を走っているらしい。でも、長い舌を伸ばしているという点が、タイらしさ満載である。
2024年11月21日 八朔シータのサインを考えてみた!!
突然ながら「八朔シータ」のサインを考えてみた。
……というのも、最近、Xで規約変更があって、AI学習が明文化された。これを受けて、イラストレータ界隈が大騒ぎしている。やれ、ウォーターマークを入れなくちゃ。やれ、AI生成反対の意を表明しなくっちゃ。やれ、Blueskyに避難しなくちゃ。まあ、ボク個人としては、オンラインに公開した時点ですべての情報は公開情報だと思っているので、AI学習に利用されるのは致し方ないと思っている。ウォーターマークそのものも、そのうち技術的に乗り越えられちゃうだろうなあと思っていて、あんまり意味がないとも思っている。でも、これを機にいろいろと勉強した。
ウォーターマークはともかくとしても、国際的には「署名」って必要らしい。国によっては、署名がないイラストはフリー素材だと勘違いされることもあるらしい。へえ。だったら、国際規格で行こうかなと思って、この期に及んで「署名(サイン)」を考えてみた次第。
意外と署名を考えるのは楽しかった。いろんな人のサインを調べて、並べてみて、簡略化の方法とか、筆の進め方なんかを模倣したり、類型化したりして、それを組み合わせながら、それっぽく拵えてみた。一応、「八朔シータ」って読めるし、いい感じなのではないか。ふふふ。
2024年11月19日 オーソ・ワンを描いてみた。
アメリカの宇宙人「オーソ・ワン」を描いてみた。
日本では「アウッソ」として紹介されることもある。ヒグドン氏がワイオミング州で遭遇した宇宙人で、ヒグドン氏を立方体型の宇宙船に乗せて誘拐したとされる。テレパシーで会話する。16万3,000光年離れた惑星に棲む。
最近、アメリカの妖怪にも手を出している。意外とアジアに目を向けて、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーの妖怪を調べていたけれど、アメリカの妖怪というのも盲点で、知名度は低いよなあ、と思っている。
ちなみに、Xの方では、イラストに署名を入れてみた。海外では、署名のないイラストはフリー素材だと認知されることもあるという記事を読んで、それは困るなあと思っての対応だ。
2024年11月15日 あぎょうさんを描いてみた。
学校の怪談に登場する「あぎょうさん」を描いてみた。
あぎょうさんは謎掛け系の現代妖怪で、天井から降りてくる老婆の妖怪で、抱きついてきて、首筋を舐めてくる。そして「あぎょうさん、さぎょうご、いかに?」と問うてくる。これにうまく答えられれば、あぎょうさんは退散するが、答えられないとかぶりつかれるという。
こういう質問とそれに対応する答えがあるというのが、学校な怪談っぽさがある。世の中の大半の課題には必ずしもピタッとした答えがないのだよ、と子供たちに諭したくなる。
巷のイラストでは、結構、たくさんの人が蜘蛛のような姿で描いている。まさに8本足で描いている人もいるし、蜘蛛のようにたくさんの複眼を描いている人もいるんだけど、特に姿について明確な描写はないみたいなので、あんまり蜘蛛には寄せずに、人の要素を多く残してみた。それでも、上からぶら下がっている点は強調してみた。そんなこんな。
2024年11月11日 テケテケを描いてみた。
学校の怪談に登場する「テケテケ」を彩色してみた。白黒のときには感じなかったが、色をつけたら結構、グロテスクだ。
最近、腰を据えて都市伝説の調査をしている。資料そのものはかなりの部分、朝里樹氏がまとめてくれている。その一方で、朝里氏もそうなんだけど、2ちゃんねるのオカルト板とか、洒落怖系で語られる怪異は、創作的な側面が強い。匿名性は担保されていながら、作者の存在について考えさせられる。また、昔ながらの「友達の友達(FOF)」を介在させずに、自分の体験談としてまとめられる点で特異性がある。その辺をもう少し自分なりに検討したいなと思っている。
そんなこんなで、昔ながらの都市伝説も再整理しながら、洒落怖系やアメリカの現代妖怪(宇宙人的なものも含む)を調査しているこの頃である。
2024年11月7日 エンフィールド・ホラーを描いてみた。
アメリカの未確認生物の「エンフィールド・ホラー」を描いてみた。
エンフィールド・ホラーはイリノイ州のエンフィールド村に出没した怪物で、1973年にヘンリー・マクダニエル氏が遭遇。その身長は約1.4メートルで、3本足に小さな手がある。ピンク色に光る大きな目で、15メートルを3歩で跳躍したという。
マイナーな妖怪を紹介した方が面白いかと思いつつ、アクセス解析を見ると明らかにメジャーな妖怪を紹介した方が伸びるので、悩ましいところだ。今回、アメリカの妖怪に挑戦してみた。結構、アメリカは未確認生物や都市伝説の妖怪がたくさんいる。昔ながらの伝承がない分、ネイティヴ・アメリカンから借りてきたものと、その後、入植した人々が想像したものに溢れている。
歴史が新しいので、比較的、突飛なものが多い。エンフィールド・ホラーは「3本足」という変わった妖怪。ペットのカンガルーが脱走したものを見間違えたのではないかとの説もあるので、ちょっとカンガルーっぽさも残してイラスト化してみた。
2024年11月2日 ザガンを描いてみた。
ソロモン72柱の「ザガン」を描いてみた。
17世紀頃の魔法書『ゴエティア』によれば、彼は地獄の王の一人で、33個の悪魔の軍隊を率いている。あらゆる金属から硬貨を造り、水をワインに、血液を油に、愚者を賢者に変える。当の本人は自分を賢く見せている。
本来はグリュプスの翼をはやした雄ウシの姿か、その後、人間に変身した姿を描くべきなのだろうけれど、今回はその中間ら辺を狙って描いてみたので、若干、原典から見ると厳密さには欠けるイラストになっている。そのせいで、ちょっとファンタジー漫画のイラストっぽくなってしまった。
でも、自分を賢く見せかけている雰囲気を醸すべく、眼鏡をかけて本を持つというスタイルにしてみた。中世の学者っぽい服装も身につけさせてみた。そんなこんな。まあ、ソロモン72柱は、大抵の場合、ブルトンのイラストにみんな、引っ張られるので、ブルトンが挿絵をつけていない悪霊なので、自由に描いてみてもよいだろうと思っている。
2024年10月29日 ハッグを描いてみた。
イギリス伝承のハッグを描いてみた。
森に棲む魔女の妖怪で、邪悪なものが多い。妖術を駆使し、大鍋で薬を調合する。人を喰らうこともある。一見すると人間のようだが、人間ではなくて、森の精霊である。『ヘンゼルとグレーテル』に登場する人喰い魔女もハッグの一種とされる。日本の鬼婆や山姥のイメージに近い。
いかにも「イーヒッヒッヒ!」と笑い出しそうな感じのイラストに仕上がって満足している。ハロウィンが近いしね。それっぽいイラストをアップロードしておいた方がいいじゃん。そんな感じ。
2024年10月25日 口裂け女を描いてみた。
日本の都市伝説に登場する「口裂け女」を描いてみた。
都市伝説と言えば「彼女」というほどに有名な現代妖怪だと思う。最近だと赤いコートとか赤い傘みたいな装飾で語られることが多い。でも、ボクが子供の頃は、普通にOLのイメージだった印象だ。派手な赤いコートじゃない。赤い傘で空を飛ぶみたいなトンデモ設定もなくって、普通のOLの女性がマスクをしているからこそリアリティがあって怖かった。そんなイメージを伝えたくて、80年代っぽい感じのトレンチコートを着た女性を描いてみた。肩からショルダーバックを下げている。とある女優に似ているとして週刊誌に掲載されていた。そのときに週刊誌に載っていたイラストに髪型は寄せてみた。少なくとも、ボクのイメージする口裂け女はこんな感じである。
もう少しデフォルメしてでっかい鎌にしてもよいのだろうし、真っ黒い長い黒髪にしてもよかった。美人でもよかった。でも、80年代の当世っぽくすると、こんな感じではないだろうか。どうだろうか。
2024年10月21日 ジャック・オ・ランタンを描いてみた。
10月はハロウィンの季節なので、「ジャック・オ・ランタン」を描いてみた。
通常、ジャック・オ・ランタンと言えば、カボチャ頭のお化けを連想するが、本来、アイルランドでは、ジャック・オ・ランタンは西洋カブ(ルタバガ)でつくる。カボチャでランタンをつくるようになったのは、アメリカに入植して以降である。アイルランドには次のような古い伝承が残されている。
その昔、ジャックという男は、盗みや詐欺などを繰り返し、遂には悪魔を騙して地獄行きを阻止した。しかし、酒を飲みすぎて死んでしまった。しかし、日頃の悪行のために天国に行くこともできなくなった。これを憐れに思った悪魔は、ジャックに火を与え、以降、ジャックは西洋カブのランタンを手にこの世を彷徨い続けているのだとか。
そんなわけで、西洋カブのランタンを手に現世を彷徨うジャック・オ・ランタンを描いてみた。なお、西洋のお化けが足がないというわけではないんだけど、その方がお化け感が出るかと思って、今回はそういうデザインにしてみた。
2024年10月20日 ハイレタハイレタハイレタハイレタ
トイレの花子さんを描いてみたの記事でも書いているとおり、最近、都市伝説系の絵を連投しているボクだ。ネットロアや「洒落怖」に興味があって、その辺をリサーチしている関係で、そういう系のイラストに徐々にシフトしている。トイレの花子さん(学校の怪談)を皮切りに、ヤマノケ(洒落怖)、怪人アンサー(ネットロア)、マッド・ガッサー(アメリカの都市伝説)なんかを描いてきた。次はいよいよ口裂け女(日本の都市伝説)を描こうと思っているので、乞うご期待だ。そうして、近いうちに都市伝説(特に匿名性と作家性の部分)について一考してみたいなと思っている。
漫画『ダンダダン』はオカルトと妖怪をモチーフにした漫画で、10月からアニメ化された。アニマックスでの公開はまだなので、ボクはそちらを楽しみに待っている状況だが、ここでもターボババアやアクロバティックサラサラなどがたくさん登場する。そういう意味では、現代妖怪たちのオンパレードだ。鳥山明の再来と言われるほどの見事な立体造形とぶっ飛んだ世界観が素敵な漫画だ。
アニメの主題歌はCreepy Nutsの「オトノケ」だ。これはもちろん、ヤマノケのパロディだろう。歌詞の「ハイレタハイレタ」と連呼するところなんて、メチャクチャ、怖さがある。でも、ラッパーのR-指定的には自分の歌がリスナーの中に入っていくイメージなのかもしれない。そういう意味で「オトノケ」なのだろう。オトノケの歌詞については、各所で考察がなされていて、いろんな都市伝説の妖怪たちが練り込まれているようだから、是非、聴いてみて欲しい。
2024年10月17日 マッド・ガッサーを描いてみた。
アメリカの都市伝説に登場する「マッド・ガッサー」を描いてみた。
マッド・ガッサーは1933年にバージニア州、1944年にイリノイ州に現れた黒ずくめの怪人で、甘い匂いのガスを撒き、人々は眩暈、痺れ、吐き気などに悩まされた。結局、犯人は謎のままで捕まらなかったという。
最近、絵を描くときには、動きというか、物語性みたいなものを組み込んでみようかと思っているので、まさにガスを散布している瞬間の動きを描いてみた。甘い匂いのガスということで、ピンク色にしてみた。
ちなみに、実際のイリノイ州の事件での目撃証言では、ピッタリとしたニット帽を被って、黒ずくめの背の高い華奢な男性(あるいは男装した女性)とされ、ガスマスクに関する記載はない。また、絵ではガスタンクを背負わせてみたが、実際にはフリットガンと呼ばれる殺虫剤のような機構を持った水鉄砲の延長みたいなものを所持していたとも言われている。
2024年10月13日 シェムハザを描いてみた。
堕天使の「シェムハザ」を描いてみた。
『エノク書』(前2~前1世紀)によれば、彼は地上の見張りを任される天使の一団「ウォッチャーズ(グリゴリ)」の指導者であり、200人の天使を率いて地上にやってきて、それぞれが人間の女性を妻に娶って、さまざまな知識を人間に授けたとされる。これによって地上は荒廃し、大天使ミカエルによって討伐された。また、この出来事が原因で、神は大洪水を引き起こして地上を洗い流してしまったとされる。
シェムハザに関する姿・形について言及する書物はなく、また、それっぽい図もないので、今回ばかりは、かなり勝手なイメージでイラストに描き起こしている。服装だけは当時のキリスト教の絵画に描かれる天使の服装を元にしているが、それ以外は完全にオリジナルだ。天使たちがそれぞれ女性を娶って子をなそうと囁き合う中、シェムハザは「俺だけが罰せられることはないだろうな。みんなで一緒にやるんだぞ! 裏切るなよ」的なことを言っているので、かなり神経質なやつだと思っている。だから、そういう顔にしてみた(笑)。
2024年10月5日 「愛宕山太郎坊」を描いてみた。
愛宕山太郎坊を描いてみた。京都の愛宕山に棲む。日本全国の天狗たちの総大将だ。天狗と言えば、鼻高天狗をイメージする人も多くて、総大将も当然、鼻高天狗だと勝手に認識している人も多いかもしれない。でも、由緒正しき古来からの天狗と言うのは、実は烏天狗の方である。鼻高天狗を最初に描いたのは、室町時代の狩野元信だと言われている。鞍馬山僧正坊を描いたときに、現在のイメージのような鼻の高い天狗を描いたのが始まりだと言われている。だから、漠然と、次は鞍馬山僧正坊を描こうかなあ、などと考えている。
今回、結構、描き直しをした。小道具も多くて、結構、立体感のあるいい感じの絵になったと思う。自信作ではある。まあ、よくよく眺めるとあっちこっちデッサンの乱れはあるんだけど、これだけバチっと描くと、意外と誤魔化されてしまうかもしれない。
2024年10月1日 グラス・キャットを描いてみた。
オズ・シリーズに登場する「グラス・キャット」を描いてみた。
グラス・キャットはライマン・フランク・ボームの『オズのパッチワーク娘』(1913年)で初登場したキャラクター。魔法の粉で命を得たガラス製の猫だ。疲れ知らずで、オズの国中を走り回って情報を収集している。ピンク色の粒々の脳みそが自慢で、よくこの脳みそがくるくると動いているところを見せつけて、自慢してくる。高慢ちきなやつである。
ツンとしたおしゃまな感じは表現できたが、正直、ガラスの素材感はうまく描けなかった。どうやればガラスっぽくなるんだろうなあ。難しいなあ。
2024年9月27日 チャオドイノンメを描いてみた。
ようやく念願のベトナムの妖怪にも着手している。第1弾が首だけお化けの「マーライ」で、第2弾として「チャオドイノンメ」を描いてみた。ベトナムでは長生きしたイヌはやがて霊力を得て、妖怪になるようだ。さらに長生きして霊力を得るためには血が必要で、周辺の家畜を襲う。ときには人間も襲う。屋根の上にチャオドイノンメが現れたら、その家の人間の魂が吸われている。やがて家人は死に至る。
面白いのは、チャオドイノンメが小動物の妖怪たちの親玉ということだ。ネコやフクロウ、アヒル、ニワトリなどの妖怪たちを率いて、屋根の上で作戦会議をしているらしい。
2024年9月19日 プゴットを描いてみた
世の中、何が起こるか分からない。本日はフィリピン妖怪の第37弾で「プゴット」を描いてみたわけだけど、Xで珍しくバズっている。吃驚仰天。
まあ、そもそものバズるの定義がよく分からないし、バズるほどのアクセスでもないんだけど、でも、少なくとも、今までは平均でインプレッションが大体、150~200回くらいで、うまく絵が描けたなあと思っていると500回に届くくらいのときがあった。ところが、今回はあっという間に2000回を超えた。しかも、フォロワーでもないし、今まで絡んだことのない人たちがリポストしたり、いいねを押したりしている。要するに、妖怪界隈ではない人たちの目に触れたということになる。こんな恐ろしい姿なのに「下着泥棒」というところがハネた理由なのかもしれない。うーん。
正直、絵としてはうまく描けなかった。何度か描き直してはみたんだけど、どう直しても、結局、立体感がちょっとだけ足らなくって、色味も淡くって、イマイチだなあ、と思っていた。何ならゼロから描き直すことにして、投稿そのものをやめて、別の絵に差し替えようかと思っていたくらいだ。それなのに、投稿してみたら、案外、バズったものだから、驚いている。何がウケるのかは分からないものだなあ。
2024年9月16日 善意だけでは運用されないのが技術だ。
昨日はヤマノケをアップしてみたものの、Xでもpixivでも、そんなにバズらず。まあ、そういうこともある。
それはそうと、最近、ニュースでAI画像生成が問題視されている。ちょっと前の文脈だと、クリエイタの著作権が課題だとされていた。要するに、学習させるプロセスで過去のクリエイタの作品を学ばせていくわけで、誰かの作風を簡単に模倣できてしまうし、アイディアも真似できてしまう。それは如何なものかという文脈だったように思う。
Xのポストなんかでは、相当数のクリエイタたちがAI画像生成に対して否定的な意見を持っていて、ピリついている。pixivはその辺が寛容で、AI生成の作品の投稿もオーケィにしているので、かなりの数のクリエイタたちがpixivと言うプラットフォームからは離れていったように思うし、pixivそのものの態度や対応は常に批判にさらされている。この辺って、多分、クリエイタ界隈と触れ合っていない人には、全ッ然、空気感が伝わらないかもしれない。一般的には「新しい技術だし、面白そうだな」くらいの印象の人も多いかもしれないけれど、まあ、クリエイタ界隈ではものすごく批判的な人も多く、ホントに、ピリついているという雰囲気はある。
そんな流れに加えて、最近はフェイク作品も話題になっている。既存の写真を加工して、それこそ、ポルノっぽい画像を生成する人もいるらしい。自分の写真が勝手にポルノ作品に加工されて公開されるケースもあるようだし、最近だとハリーポッターの子役に煙草を吸わせるようなフェイク写真を生成するみたいな事例も流れてきた。つくっている人は面白半分(?)なのかもしれないが、やられる側はたまったものではない。そういう意味では、技術的にはいろいろと可能性は広がりそうだけど、倫理的なところでは課題が多い。
ボクの本職は絵描きではない。あくまでも妖怪をイラストに描き起こして、そのイメージを喚起したいだけだ。そういう意味では、別に画像生成AIに妖怪の絵を描いてもらって、それをファンタジィ事典の項目に載せるのも、全ッ然、アリだと思っていた。マナナンガルから開始したタブレットお描きによるボクの妖怪画も、すでに70作品くらいのストックが溜まってきたので、こいつをAIに学ばせて、ボクのイラストを引き継いでくれないかな、と期待していたんだけど、第三者の作風を勝手にパクる人も多くって、恣意的に誰かの作品を学ばせるようなプログラミングは市販されていないようで、自作でやるしかないようだ。難しいなあ。技術というのは、必ずしも善意だけでは運用されないからなあ。
2024年9月15日 ヤマノケを描いてみた
9月11日の記事「トイレの花子さんを描いてみた」でも宣言したとおり、今後、洒落怖系の妖怪の絵を描いていくぞ、という決意を固めたわけだが、早速、ヤマノケを描いてみた。
ヤマノケは、2ちゃんねるのオカルト板「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?(洒落怖)」に2007年2月に投稿された怪談だ。車中泊とは言え、山の中でこんな怪物に遭遇したら、そりゃあ、怖いよね。しかも女性にとり憑いて、憑かれた女性は気が触れてしまうわけだから、メチャクチャ、怖い。
1本足という特徴なんかは、山の怪に共通するところなので、そういうイメージが踏襲されているんだと思う。胸に顔がついているのは、中国の刑天とかインドのカバンダ、エティオピアのアケパロスがいる。そういうイメージもあるのかもしれない。日本だと胴面(ドウノツラ)という妖怪画も知られる。でも、1本足で白っぽいというのも相俟って、ブキミな感じの妖怪だなと思う。
2024年9月11日 トイレの花子さんを描いてみた。
学校の怪談に登場する「トイレの花子さん」を描いた。こんなのは、別にボクが描かなくても、たくさんのイラストレータさんが描いてくれている。もっとうまい絵もたくさんある。それでも、今後、都市伝説系とか洒落怖系の妖怪をバンバン描いていこうと思っているので、有名どころはしっかりと押さえておかなきゃ、ウェブサイトとしての体裁がおかしいかな。そんなことをぼやっと考えて、重たい腰をあげて描いてみた。
多分、ほかにも、口裂け女くらいは押さえておいた方がいいよなあ。ターボババアも有名どころなのかなあ。いろいろと調べると、何が有名で何がマイナなのかが分からなくなる。
ちなみに、今、ボクが目下のところ、興味があるのは、実はオーソドックスな学校の怪談とか都市伝説ではなくって、「洒落怖」の妖怪たちや、その他ネットロアの妖怪たちだ。
「洒落怖」というのは、2ちゃんねるの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」というスレッドのことで、そこではさまざまな怪異が語られる。当然、どこかの誰かの「創作」と言えば「創作」だ。でも、2ちゃんねるの匿名性も相俟って、伝承っぽくなっている。
意外とそういうのを朝里さんが「都市伝説」という文脈の中で紹介していて、徐々に市民権を得てきたような印象がある。その辺をウェブサイト「ファンタジィ事典」としても、とらまえていこうと画策している。そのためには、まずは有名どころの都市伝説の妖怪たちをイラスト化して、そこに並べる格好で、新しい妖怪たちを描きたいなあと思っているところである。