マラカット

分 類フィリピン伝承
名 称 Malakat〕(マラカット)【フィリピン諸語】
容 姿毛むくじゃらの獣。真っ赤な目、鋭い爪。
特 徴昼間は人間で、夜になると獣に変身する。硬い毛で獲物を攻撃する。
出 典

マラカットのイラスト

夜になると毛むくじゃらの獣に変化して人を襲う!?

マラカットはフィリピン伝承に登場する毛むくじゃらの獣の怪物。東ビサヤ地方のワライ族の間に伝わる怪物で、昼間は人間の姿をして村で暮らしているが、夜になると全身が毛むくじゃらの獣に変身する。目は燃えるように真っ赤になり、爪は長く鋭く伸びる。口からは唾液がだらだらと長い糸のように流れ出す。そして人間を襲って肉や内臓を喰らう。

これだけの説明を聞くと、まるで東欧のオオカミ人間(ライカンスロープ)のような印象を受ける。しかし、マラカットが特徴的なのは、その攻撃方法である。長い黒い毛は針金のように硬く、その毛が獲物の首を絞めたり、目や鼻、耳、口などに入り込んで獲物を窒息させたりする。また、髪の毛からは吐き気を催すような臭いが発せられていて、それだけでも嗅いだ人間を気絶させる恐れがあるという。

毛が獲物を襲うという点では、マンララヨなどの他のフィリピンの妖怪に似ている。マンララヨは女性の妖怪だったが、マラカットの場合は男女の両方が存在しているようだ。

《参考文献》

Last update: 2024/07/22

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