レヴィアタン/リヴァイアサン
分 類 | ユダヤ・キリスト教 |
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לִוְיָתָן(レヴィアタン)【ヘブライ語】 Leviathan(リヴァイアサン)【英語】 | |
容 姿 | 巨大な魚。 |
特 徴 | 天地創造の5日目に神に創造された怪物。口から炎を、鼻から煙を吐く。殖えないために雄は殺された。終末のときの食べ物になる。 |
出 典 | 『ヨブ記』『イザヤ書』ほか |
旧約聖書に登場する海の怪物!?
レヴィアタンは旧約聖書の『ヨブ記』や『詩篇』、『イザヤ書』などにその名前が登場する海の怪物である。英語ではリヴァイアサンと呼ばれている。神(ヤハウェ)が天地創造の5日目にベヒモスとともに創造したとされる。ベヒモスとレヴィアタンで対にされるが、しばしば、ジズも含めて三体一組にされることもある。レヴィアタンが海に棲み、ベヒモスが陸、ジズが空に棲むという。古い時代の絵などでは巨大な魚やクジラ、ワニなどの怪物として描かれることが多い。非常に巨大で、身体は硬い鱗に覆われ、口からは炎を、鼻からは煙を吐き出すという。ユダヤの伝承では、神はレヴィアタンを雌雄対にして創造し、海の生き物たちの王としたが、彼らから子供が生まれて殖えると危険だと判断し、雄だけは殺したという。終末のときには、ベヒモスとともに、義人たちの食べ物として提供されることになっている。
後代になると、別の海の怪物ラハブと同一視されるようになり、悪魔と看做されるようになった。アダムを誘惑した蛇もレヴィアタンとする説まである。七つの大罪の「嫉妬」を司る悪魔とされる。また、コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、地獄の海軍大提督を務めていて、ヨーハン・ヴァイヤーが最大の嘘つきと称したと説明されている。
また、ベヒモスの語は、アラビア語に転訛してバハムートになったが、これは巨大な魚の怪物である。これは対になっているレヴィアタンのイメージと混同されたものと考えられ、イスラームでは独自の発展を遂げた。
なお、フランスのローヌ河で灼熱の糞を撒き散らして暴れまわった怪物タラスクは、レヴィアタンと牛の怪物ボナコン(これも灼熱の糞を撒き散らす!)が交わって誕生したという伝説がある。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2021/03/02