クボット

分 類フィリピン伝承
名 称 Kubot(クボット)《包む》【フィリピン諸語】
容 姿長く太い乱れた髪を持つ女性のアスワン。
特 徴髪の毛で獲物を絞め殺す。髪の毛を広げて空を飛ぶことも。
出 典

クボットのイラスト

髪の毛を広げて空を飛ぶ吸血鬼!?

クボットはフィリピン伝承に登場するアスワンの一種。ビサヤ地方に伝わっていて、非常に長く、そして太い乱れた髪の毛を持つ女性で、その髪の毛を使って人間を襲う。クボットの髪の毛は触手のように自由自在に動き、狙った獲物を掴んで巻き付いて首を絞めたり、鼻や口などの開口部に髪の毛を突っ込んで窒素させたりする。そうやって、生命力を吸い取るのである。

クボットは他のアスワンたちのように翼を持たないが、髪の毛を広げて、まるでクラゲのように波打たせて空を飛べるという。

フィリピン映画の「クボット:アスワン・クロニクルズ2」(2014年)では、まさにクボットたちが敵キャラクターとして登場する。大きな毛の塊から手足をはやしたような姿で地面を這って移動し、人間と出会うと涎を垂らしながら、四足歩行の獣のように姿を変えて襲い掛かり、髪の毛で人間をぐるぐると包み込んで殺してしまう。そして、髪の毛を大きく広げながら宙を飛ぶ。恐ろしいアスワンとして大活躍する。

クボットの類似の存在として、ミンダナオ島のカガヤン・デ・オロにマンララヨという女性の妖怪がいる。こちらも長い髪の毛を使って人間を襲って生命力を吸い取る。

《参考文献》

Last update: 2024/07/22

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