ウェウェゴンベル

分 類インドネシア伝承
名 称 Wewe gombel(ウェウェ・ゴンベル)《ゴンベル婆さん》【インドネシア語】
容 姿髪を振り乱した老婆。長く垂れ下がった乳房を持つ。
特 徴ヤシの木の上に棲んでいて、子供を連れ去る。
出 典

子供をさらうジャワ島の老婆!?

ウェウェゴンベルはインドネシア伝承に登場する妖怪である。ウェウェゴンベルは髪を振り乱した老婆の姿で、異常に長く垂れ下がった乳房を持つ。そして、村の子供たちを誘拐すると恐れられている。

その昔、彼女はスマラン(中部ジャワ州の州都)のゴンベル丘の近くの村に暮らす女性だった。結婚はしたが、いつまで経っても子供に恵まれなかった。そのため、夫は妻に愛想を尽かし、彼女は寂しく暮らした。あるとき、夫を疑った彼女は夫を尾行した。すると、夫が別の女性と情事に耽るのを目撃してしまった。激怒した彼女は夫を殺害した。村人たちは彼女を村から追放した。彼女は失意のうちに自殺した。それ以来、彼女はウェウェゴンベルという妖怪に変化したという。

ゴンベル丘に出没することから《ゴンベル婆さん》という意味で、ウェウェゴンベルと呼ばれている。ウェウェゴンベルはシュガーパームというヤシの木の頂上に棲んでいて、子供をさらっていく。しかし、実はウェウェゴンベルはその恐ろしい姿とは裏腹に子供に対して危害は加えない。虐待されたり、放置されている子供を選んで誘拐するとも言われていて、子供たちを守っているとも言われる。親が悔い改めると子供を返してくれるとも言われる。

《参考文献》

Last update: 2024/03/23

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