グラスー
分 類 | タイ伝承 |
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ผีกระสือ(ピー・グラスー)【タイ語】 | |
容 姿 | 頭部だけの妖怪で、首からは臓器がぶら下がっている。臓器は光っている。 |
特 徴 | 吸血鬼。排泄物も好む。唾液を飲ませて殖える。夫はグラハン。 |
出 典 | - |
頭に臓器をぶら下げて飛ぶ吸血鬼!?
ピー・グラスーはタイ伝承に登場する吸血型の悪霊である。単にグラスーとも呼ばれる。この悪霊は女性にとり憑き、とり憑かれた女性は、昼間は普通に人間として暮らしていて、夜になると身体から頭だけが抜け出し、臓器をぶら下げて飛び回る。昼間は他の人と目を合わせないとか物静かで会話をせずに一人を好むなど、変わった様子を示す。
グラスーは血を吸うだけでなく、排泄物を食べるとも言われる。夜に洗濯物を干したままにしておくと、グラスーがそれで口を拭うため、汚物がつくと信じられた。グラスーの臓器は光っているため、夜道に不思議な光が飛んでいると、グラスーだと信じれらた。
グラスーの唾液を飲んだ女性もグラスーになると信じられた。初潮を迎えると同時にグラスーになってしまうと恐れられた。
グラスーは女性の妖怪だが、対になる男性の妖怪として、全く異なる姿のグラハンが知られている。グラスーとグラハンは夫婦なのだとも言われている。
日が出る前に元の身体に戻ってくるが、身体を隠してしまうと元に戻れなくなり、明け方には死んでしまう。
《参考文献》
- 『DACO 380号 バンコク怪奇物語』(DACO,2014年)
Last update: 2024/03/23