《日々の雑記》

2025年8月27日 豆本キーホルダーの『日本妖怪図鑑』

最近、『妖怪ブックガイド600』で氷厘亭氷泉氏が取り上げていた『日本妖怪図鑑』。うちにもあるなあと思って、久々に引っ張り出してきた。懐かしい。小学校のときに高速道路のサービスエリアで見つけて購入した記憶がある。これ、小さい割に、120匹の妖怪が紹介されているようだ。しかもかなりマニアックなものも載っている。全部、絵が掲載されている。今思えば、すごい!! わいらも載っている。

そんなこんなで、まだまだサボタージュ継続中。……というか、仕事が忙しすぎるー!! ふははは。

2025年8月17日 サボタージュ

随分と投稿をサボってしまった。半月ぶりの投稿だ。

運悪く、仕事でトラブルが続いていて、毎日、帰りが夜遅くになっていた。疲れ果ててベッドにダイブする日々だった。それに加えて、お盆ということもあって、妻のちぃ子が実家に帰って忙しい祖父母の手伝いをしていた。畢竟、息子のツクル氏との二人暮らし。

そんな状況に言い訳しながらのサボタージュ生活である。妖怪の調査も進んでいないし、妖怪画も描いていないので、公開するものは何もないんだけど、近況報告だけしておこうとキーボードを叩いている。

最近、大河ドラマ「べらぼう」で草双紙が取り上げられている。鳥山石燕も登場するし、妖怪画にも触れられる。だから、ボクも草双紙を読んでみている。アダム・カバット氏がエッセンスをよくまとめてくれているので、その辺の本を収集したし、叢の会も草双紙の翻刻をしてくれているので、その辺もフォローした。そして、最近話題に取り上げている「国書データベース」だ。ここでいろんな草双紙を閲覧できる。もう最高だよね。

そんなこんなで、草双紙を満喫はしているものの、インプット重視の日々。アウトプットはもう少し先になるかなあ(遠い目)。

2025年7月30日 データベースが整理されていく時代。

いい時代になった。いろんなデータベースにアクセスできる時代だ。

最近のボクのお気に入りは「国書データベース」だ。江戸時代以前の書籍を収集して公表してくれている。たとえば、鳥山石燕の作品を読みたいと思えば、全て読むことができる。試しに『百器徒然袋』の塵塚怪王のページにリンクを貼ってみよう。かなりの高解像度で、和綴本をスキャンしたものが読める。

北尾政美の『夭怪着到牒』を読みたいと思えば、これだって読める。リンク先は豆腐小僧の描かれた有名なページだ(厳密には「大あたまこぞう」と書いてあるんだけど)。見越入道と並んで描かれていて、よくアダム・カバットさんが紹介してくれているイラストだ。

そのほかにもたくさんの書籍が載っている。おそらく、今までボクがファンタジィ事典で言及していたものの大半はここで読むことができるのではないか。たとえば、白蔵主で紹介した『和泉国名所図会』の白蔵主が餌に心惹かれているシーンとか、七歩蛇で紹介した浅井了意の『伽婢子』の七歩蛇を退治しているシーンなんかも閲覧することができる。

いい時代になったよね。知的財産がちゃんとみんなで共有できるようになっているということだ。これからのウェブサイト「ファンタジィ事典」の在り方も考えなきゃいけないよなあ。こういうところと連携していくようなスタイルにすれば、もっとずぅっといい情報提供ができる。そんなことを考えている今日この頃である。

ちなみに、これは日本語だけの話ではない。楔形文字文献とか、古代ギリシア語文献とか、ラテン語文献とか、それぞれの分野で、こうやってデータベース化が図られている。文字情報だけじゃなくて、絵画・彫刻なんかも同じ。絵巻物とかも閲覧できる状態になっている。多分、こういうのは、音楽とか動画も同じで、どんどんデータベース化されていくのだろう。楽しみだよなあ。

2025年7月27日 学校の怪談はこうやって誕生した!?

YouTube「ゆる民俗学ラジオ」に常光徹氏がゲスト出演をしていた。ちょっと面白かったので、第3回を紹介したい。常光先生の歴史が分かる。師弟関係というか、出逢いによって影響されて、今に至る……みたいなエモさがあるし、パーソナリティの黒川氏(彼は日本語が非常にきれいなんだけど)の出逢いとも繋がって来て、エモさ満点の回になっている。

2025年7月19日 ヤグヮングィを描いてみた!!

朝鮮の妖怪「ヤグヮングィ(夜光鬼)」を描いてみた。子供ほどのサイズの鬼で、普段は地獄に暮らしているが、過去に地獄から逃げ出したため、すぐに見つけられるように閻魔様に頭の上に光を乗せられたという。けれども、閻魔様がお休みする1月16日の「鬼の日」になると人間界にやってきて靴を盗む。盗まれた人は1年間、不幸になるというので、ソウル市民この日はみんな靴を隠すという。

ヤグヮングィのイラスト

ちなみに、タブレットとタッチペンを駆使して、Clip Studioで妖怪のイラストを描こうと決意したのは2023年の12月のこと。最初はマナナンガルから描き始めて、2024年の6月にアン/アヌのイラストを描いて50体目を達成。そして、2025年7月19日にようやく100体目になった。100体目は何を描こうかなあなどといろいろと企画を考えていたものの、実は知らないうちに100体目を迎えていて、どうやらヤグヮングィが100体目となった模様。

イラスト作業をすべて電子化したことで、いつでもどこでも絵が描けるようになった。だから、空き時間にたくさんの妖怪たちの下絵を描いていて、時間のあるときに鋭意、彩色して完成させていったら、気づいたら100体目になっていた。本当は、もっと好きな妖怪を選んで気合を入れて描こうと思っていたのになあ。結局、ヤグヮングィになってしまった。

マナナンガルのイラスト
アン/アヌのイラスト
ヤグヮングィのイラスト

どうだろう。成長が感じられるだろうか。立体感は出たかもしれないし、彩色もいろんな技術を体得したように思う。でも、どんどん、漫画っぽくなっていくんだよなあ。ふふふ。

そんなわけで、引き続き、ファンタジィ事典に彩りを添えるために、妖怪のイラストを描き続けるので、乞うご期待。

2025年7月13日 謎めいた「わいら」を描いてみた。

日本の妖怪の「わいら」を描いてみた。基本的には、全体的な雰囲気は佐脇嵩之の『百怪図巻』のわいらをベースにして、耳や舌など、細部のパーツは鳥山石燕の『画図百鬼夜行』のわいらの要素を加えて描いてみた感じ。

わいらのイラスト

わいらは妖怪画の題材として、多くの狩野派の画家たちが好んで描いている。ただし、絵の横に名前だけしか記されていないので、具体的にどのような妖怪なのかは分からない。絵の中だけにしか登場せず、それ以上の情報がないところが、とても謎めいた感じで、魅力的である。

しかし、昭和の作家たちは、それだけでは満足しなかったので、たくさんの情報を付加していく。やれ、ガマガエルが化けたものだとか、雄と雌で色が違うとか、モグラを食べるとか……。遂には、翼まで生やし、腹が減ると骨ごと人間を食べる5メートル級の怪物になってしまった。いまや伝説となっている佐藤有文氏の『日本妖怪図鑑』(ジャガーバックス)なんかは、まさにそんな解説をしている。石原豪人氏のイラストは、巨大なクマのような怪物わいらを描いていて、ショッキングである。

わいらの変遷

妖怪というのは非実在の存在なので、語り手によっていろんな情報が付加されると、こうやって、どんどんと変質していく。変質していったものも含めて、ボクなんかは妖怪だよなあ、と思う。だから、江戸時代の妖怪画のわいらも、5メートル級の怪物わいらも、ボクはどちらもわいらなのだと思っている。でも、Wikipediaの「わいら」の項目では、佐藤有文が想像したようなわいら像はあまり触れられない。それも変だよなあ、とボクなんかは思う。だって、昭和を生きたボクたちにとって、わいらと言えば、佐藤有文のわいらの印象が強いもんなあ。それだって、江戸時代のわいらではないけれど、わいらはわいらだよなあ。

2025年7月9日 骨に棲みつく恐ろしい虫!?

コ・ソンベ氏の『韓国妖怪図鑑』を足掛かりに、「コルセンチュン」を更新してみた。インターネットで朝鮮の妖怪を調べていたときには引っ掛からなかった。コ・ソンベ氏の本で知った妖怪だ。コルセンチュンは、人間の骨に寄生する虫で、親指ほどの大きさ。大抵、脛骨か大腿骨に寄生し、激痛を引き起こす。李氏朝鮮時代の韓明澮は、あまりの痛さに、従者に自分の足の骨を叩き割らせて、中から虫を引っ張り出したという。それほどの耐え難い激痛だったということなのだろう。結局、韓明澮は死んでしまうので、寄生されたら死に至る虫でもある。

というわけで、引き続き、コ・ソンベ氏の本を足掛かりにネットサーフして、いろいろと朝鮮の妖怪について理解を深めていこうと思う。

2025年7月7日 「ミョドゥサ」を描いてみた。

朝鮮伝承の「ミョドゥサ」を描いてみた。ネコの頭にヘビの身体。ソンドの寺の裏の洞窟に棲み、青い気を放って人々の病を癒した。僧侶は食べ物を供えてこの獣を祀った。しかし、あるとき、ミョドゥサが洞窟から顔を出したところ、怪物だと思った男が誤って射殺してしまったという。

「ミョドゥサ」のイラスト

ミョドゥサと言えば、普通は鱗のついたヘビの身体に、ちょこんとネコの頭がついた怪物が描かれることが多い。でも、最近、韓国の子供向け番組で、かわいいミョドゥサが登場していて、ちょっとその要素も残したく、描いてみた次第。青い気を全身から放ってみたが、口から青い煙を吐くという表現もあるので、そういう絵でもよかったのかもしれないけれど、さてはて。

上のYouTubeは韓国の子供向け番組「묘시의 전설」。ミョドゥサがダイエットを試みて、結局、失敗する物語。多分、韓国語が分からなくても、見ていて笑える内容だと思う。オススメなので、是非是非。

2025年7月5日 『韓国妖怪図鑑』から妖怪を拾い上げていくぞ!!

6月26日の記事「『韓国妖怪図鑑』をゲット!!」でも紹介したんだけど、韓国からコ・ソンベ氏の『韓国妖怪図鑑』をゲットしたので、早速、そこからウェブサイト「ファンタジィ事典」の項目を追加してみた。「パンチョギ」「コチニョ」だ。

正確に言うと、『韓国妖怪図鑑』では、パンチョギはカムドリ、コチニョはカプサングェの名称で掲載されていた。でも、ネットサーフして、パンチョギとコニチョの方の名前を採用した。パンチョギは半分人間。生まれたときに、目も耳も鼻の穴も、そして腕も足も片方しかなかった。それでも、メチャクチャ、才能があった。子供が生まれなかった老夫婦が柿売りから子宝に恵まれる柿を入手したが、半分、ネズミに食べられてしまって、残り半分を食べた結果、生まれたらしい。コチニョというのは漢字で「鋸齒女」と書く。その名のとおり、ノコギリのような歯を持った鬼女の妖怪だ。国が乱れるときに出没するという。

ちなみに、すでに更新していた「カンギル」「カンチョリ」も、『韓国妖怪図鑑』を読んで、若干、情報を追記してみた。ふふふ。

さーて、と。ファンタジィ事典の更新も終わったし、次は妖怪絵を描くぞー。おーッ!!

2025年6月30日 マーガーのイラストを描いてみた!!

ベトナム伝承「マーガー」を描いてみた。家を守護してくれる精霊で、壷の中で飼育する。鶏が大好物で、毎月、生きた鶏を生贄に捧げる必要がある。日本の「憑きもの筋」に似て、代々、飼育しなければならない。財宝を侵そうとする人間がいると、内臓を喰らい尽くす。

マーガーのイラスト

…というわけで、久々に妖怪の絵を描いた。もう、ね。怒涛のように忙しかった。何が忙しいって、職場が3年連続で新採用を受け入れている。12人のチームで、4人の経験年数が3年未満というのは、なかなかにしんどくて、結局、何をやるにしても、常にフォローしてあげなきゃいけない。ボクがその対応に追われている。それぞれの若者たちの業務の山があって、全部、そこに巻き込まれる。そういう忙しさだ。まあ、ね。仕事をしない老人たちのフォローだと未来には繋がらない。未来ある若者たちの人材育成だと思えば、気持ちとしては前向きに取り組める。でも、厳然たる事実として、毎日、夜遅くまで働いている。うーん。

そんな中で、ようやく絵を描けたのは、ちょっと嬉しい。やっと少し人間らしい生活ができているよなあ。

2025年6月26日 『韓国妖怪図鑑』をゲット!!

コ・ソンベ氏の『한곡 요괴 도감(韓国妖怪図鑑)』(韓国語)の本が韓国から届いた。最近、韓国語も勉強していて、韓国の妖怪を調べていたので、韓国語の本であっても読めるだろうと踏んで、購入を決めたものだ。ネット上では数ページが公開されていて、妖怪1匹ごとに見開きで、イラストと解説が載っていることは分かっていた。でも、実際に手に取ってみて驚いたのは装丁だ。「妖怪」という古風な感じを演出するためだと思われるが、わざと「和綴じ」みたいな装丁になっている。そして、赤地に白で描かれた妖怪画でデザインされた紙でラッピングしてある。日本だと、こういう規格外のデザインってあんまりしないので、ちょっとビックリしたし、ワクワクもした。

ちなみに、この写真はカンギルのページ。妖怪の絵と解説が見開きで載っている。とてもいい!

ちなみに、この本の前書きの冒頭でコ・ソンベ氏は、「幼い頃から日本の漫画を読んで育った。日本の漫画にはたくさんの妖怪が出てくる。日本は妖怪大国だ。なぜ韓国にはいないのか。資料を調べたら、韓国にもたくさん個性的な妖怪がいた。いなかったのではなくって、知らなかっただけだ」と書いている。隣国韓国にも、日本の漫画文化が影響を与えているというのは嬉しい限り。

2025年6月22日 アジアの妖怪蒐集を粛々と。

さてさて、本日も「フィリピンの妖怪」「ベトナムの妖怪」を更新した。

フィリピンの妖怪からはウガウティブスカンラギラギの3匹を更新だ。ウガウは米泥棒だ。米倉から米を盗んでいく。日本の米が不足しているけれど、実はフィリピンからウガウがやってきているのでは? ……なんて。ティブスカンは魔女が飼う子ブタの妖怪。この子ブタが穴を掘ると病が蔓延する。そしてラギラギは赤ん坊にしか見えない妖怪で、赤ん坊を病気にする。

ベトナムの妖怪からはマーガー。これはベトナムの憑き物筋みたいなものだ。壺に入れて飼育すると財産を守ってくれる。その代わり、生きたニワトリを毎月、捧げなければいけない。

そんなわけで、粛々とアジアの妖怪を蒐集しては掲載をする活動を細々と続けている。近々、またアジアの妖怪画を載せるので、乞うご期待。ではでは。

2025年6月14日 朝鮮妖怪とフィリピン妖怪を粛々と……

さてさて。今日も今日とて「朝鮮の妖怪」「フィリピンの妖怪」を更新する日々である。すでに大量のデータベースは準備済みで、それをアウトプットするだけなので、いいペース。非常に順調である。

本日、アップした「朝鮮の妖怪」はコググィコジャムだ。どちらも朝鮮半島らしいなと思う。コググィの方は道を塞ぐ妖怪だけど、心意気を試しているだけで、覚悟を決めて前に進むと消えてしまう。しかも、勇敢な人物だと認めて、従者になって付き従う。コジャムの方は巨大なカイコだ。ウシほどのサイズのでかい幼虫なので、想像すると気持ち悪い感じではあるけれど、そのカイコの死を悼んで大量のカイコ蛾が飛んできて、村が潤う。

「フィリピンの妖怪」からはシャムシャムタンバロスロスを持ってきた。シャムシャムはイロイロ地方の都市伝説だ。消えるヒッチハイカーみたいに馬車に相乗りする相手が幽霊だったという展開だが、消えるのではなく、わざわざ骸骨姿になって同乗者を驚かせる。タンバロスロスは非常に卑猥な妖怪で、ガリガリの痩せた身体の妖怪の癖に、玉袋は地面につくほどでかく、陰茎も顔に届くほど巨大という。タンバロスロスみたいな妖怪は、絵に描けないよなあ。すぐにpixivに怒られちゃうもんなあ。うーん。

2025年6月10日 ひとりで生きることも死ぬことも許さない!!

妖怪メインのウェブサイトなのに、頻繁に音楽を紹介してしまうボクである(笑)。

本当にいろんなことがあって活動を休止していたステミレイツが、満を持して復活した。ドラムとキーボード兼デスボの脱退、新メンバー募集、新曲にて再起動からの急転直下のヴォーカルの脱退。もう自然消滅かな、と思っていたけれど、こうして復活を果たした。ヴォーカル不在をどう乗り切るのかと思ったら、ゲスト・ヴォーカル(笑)。そして歌詞がかなち。「ZENTSUPPA」というのは、まさに今のステミにピッタリだし、かなちらしさ満載で面白い。何よりもかなちとさきてぃがニコニコしてくれていれば、もうそれでいいや! という気分だ。

それから、戦慄かなのとかてぃで結成されている悪魔のキッス。彼女たちの新曲の「XOXO」。いい曲だなあと思っていたら、楽曲提供が小南泰葉さんだった。何と! もう随分前にアーティストとしての活動は休止しているものと認識していて、たまに楽曲提供しているなあと思っていたけれど、まさか悪魔のキッスに楽曲提供するとは! ということで、あまりにびっくりして、記事を書いているボクである。彼女は不安定な音への飛躍とか、難解な歌詞とか、楽曲そのものも素晴らしいんだけど、歌唱方法も独特で、たまにざらつくような声を出すのが魅力なので、もう一度、歌ってくれないかなあ。

あと、もうひとつ、ここのところ面白かったのが、レペゼン界隈だ。DJ社長が新曲を出して、再生数がものすごいんだけど、それよりも注目は銀太だ。まさかのmisonoとのコラボ。しかも結構、聴いていて心地よいビート。ああ、頑張っているなあと思っている。

2025年6月8日 ベトナムの妖怪を追加!!

本日はベトナムの妖怪を2体、更新した。「クイマッマム」「ピーフォン」だ。出典はズイ・ヴァン氏のMa Quỷ Dân Gian Ký。ゴールデンウィークにズイ・ヴァン氏が大阪・関西万博に来ていたらしい。ボク自身、そのタイミングは韓国を訪問していたので、物理的に彼に会うことは叶わなかったけれど、ちょっと会ってみたかった気もする。彼の2冊の妖怪図鑑をゲットしたかったなという気持ちもある。イラストは現在も出展しているようだけれど、図鑑が売っているという情報はないので、断念だなあ。誰かどこかで彼の本、調達してきてくれないかなあ。

さてはて。クイマッマムはベトナム語で《お盆の顔の魔物》という意味で、平べったいでかい丸い顔を見せて驚かせる妖怪だ。そして、驚いて気を失っている人間を喰ってしまうのだというから恐ろしい。ピーフォンは絶世の美女にして吸血鬼という一族だ。美女の家系であるために吸血鬼であることを疑われ、村の外に結婚相手を探しに行かなきゃいけないという。面白いのは、月夜に怪物に変身すると、どんどん美しい姿になっていくという点。変則的だ。

そんなこんなで、緩やかに調子が戻ってきた。このくらいのゆるゆるペースでウェブサイト「ファンタジィ事典」の更新が続けられればいいなと思っている。

2025年6月5日 1958年の音楽とファンタジィ事典

2025年3月19日に「電脳空間の大掃除に齷齪。」という記事を書いて、音楽のサブスクについての興味をちょっとだけ書いた。iPhoneを買い替えたら、15,000曲を超えるmp3の移行がうまく行かず、その整理に悩んでいたからだ。そんなこともあって、4月に音楽サブスクを解禁した。その結果、ボクの生活は劇的に変化した。

4月は1960年から1964年の5年間のビルボード年間ランキングを1位から100位まで、苦行のように聴いていた(笑)。エルヴィス・プレスリーとか、ブレンダ・リー、コニー・フランシス、エヴァリー・ブラザーズ、ロイ・オービソン、レイ・チャールズ、チャビー・チェッカー、ビーチ・ボーイズなどなど。そして1964年になるとようやくビートルズが登場だ。5月は1965年から1969年の5年間。まさにブリティッシュ・インベージョンの時代だ。ビートルズだけでなく、ローリング・ストーンズ、ハーマンズ・ハーミッツなどが続く。アメリカ側もモンキーズで対抗する。後にダイアナ・ロスを生むスプリームスもいるし、サイモン・アンド・ガーファンクルや気だるいドアーズもいる。

そして6月になって、もうちょっと遡ろうかと思って、1955年から1959年の5年間を聴き始めたら、1958年の12位の「パープル・ピープル・イーター」に出逢った。あ、これがあの「パープル・ピープル・イーター」なのか、とすぐにピンと来た。A Book of Creaturesの記事にエイプリルフールの冗談みたいな形で、この怪物が紹介されているのを思い出したからだ。そんなわけで、まさかオールディーズの音楽を聴いていて、妖怪に遭遇するボクであった。ファンタジィ事典にパープル・ピープル・イーターを追加してみた。

2025年6月3日 絵文字の歴史5:国際統一規格化とその後の課題

「ドコモ絵文字」終了のニュースを読んで、5月21日に記事「絵文字の歴史1:ファンタジィ事典の多言語化」を書いた。その記事では、絵文字文化は日本由来だと書いた。ドコモ絵文字が、実はニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されたという事実も書いた。それでも、文字コードの歴史の観点では、日本の技術者たちの敗北だったと書いた。以降、「絵文字の歴史2:感情を伝えるには顔のシンボルが必要だ」「絵文字の歴史3:ハートマーク事件とドコモ絵文字の誕生」、そして「絵文字の歴史4:絵文字の進化と文字コードの壁」と記事を書いてきて、今回で最終回だ。

絵文字はdocomo、au、softbankの3社の中でバラバラに発展して、SNSにも水平展開しながらも、日本においては統一規格にはならなかった。機種依存文字のままで、他社とのやり取りでは文字化けすることもあった。この流れに終止符が打たれたのが2010年だ。でも、統一規格の道を推し進めたのは、残念ながら、日本人じゃなかった。AppleがiPhoneを日本に売り込もうとしたときにぶつかった壁が、まさにこの日本独特の絵文字文化だった。iPhone、そしてAndroidでは当初、絵文字が使えなかった。これでは日本人に受け入れてもらえない。同様にGoogleもgmailを日本に売り込もうとしていたけれど、ここでも絵文字の壁にぶち当たった。そこで、AppleとGoogleがUnicodeコンソーシアムに働きかけたわけだ。結構、この取り組みは大変だったみたいで、そもそも絵文字は文字なのかという議論もあったし、絵文字のバラエティも多くて、なかなか評価できなかったようだ。でも、最終的に2010年にUnicode 6.0の中に「Emoji」として採用されて、今に至るわけで、結局、ガラパゴス日本では、統一規格化できなかったよなあと思いつつ、日本人として悔しい想いもある。

ちなみに、その後も絵文字はいろいろな壁にぶち当たっていく。たとえば、肌の色。日本人が考えた絵文字の人間はみんな、うすだいだい色。いわゆる「肌色」だった。でも、当然、国際社会には黒っぽい肌の人、白っぽい肌の人がいるわけで、今は色を選択できる仕様になっている。ジェンダーとか家族の壁にもぶち当たった。夫婦というのが男女でいいのかとか、家族は子供がいなきゃいけないのかとか、片親だっているじゃないかとか、そんなこんなで、今は家族を表現する絵文字もたくさんの種類が用意されている。職業も、たとえば、日本の絵文字だと、警察官が男性だったりする。でも、現在は、女性の警察官も搭載されている。サラダも、ベジタリアンを意識して、今はタマゴの記載がなくなった。一番大きな課題は国旗だ。日本の絵文字は、日本に馴染みのある先進国の国旗だけを搭載していた。この部分はUnidoceコンソーシアムでも最後まで揉めたようだけれど、結局、全ての国の国旗を入れることで落ち着いた。それでも、台湾の旗をどう取り扱うかなど、今でも揉めている。

そういう意味では、実は栗田穣崇氏が監修したドコモ絵文字というのは、最初っから「絵」ではなくて「文字」として志向して構想されていて、シンプルで、肌の色も国籍も性別からも離れた「記号」としてデザインされていたわけで、そのドコモ絵文字が終了してしまうのは寂しいよなあとも思ったりする。そんなわけで、第5回まで長々と書いてしまったが、絵文字についてのボクの雑感である。

2025年6月1日 韓国妖怪、フィリピン妖怪、そしてスイス妖怪……

5月26日の記事「久々にファンタジィ事典を更新!」でも書いたように、本業の仕事に追われている。毎日、家に帰り着くのが遅くて、そのままソファで倒れて泥のように寝ている日々だ。それでも、何とか前に進みたい。そんな気持ちで、歯を食いしばりながら(?)、妖怪蒐集をしている。

そんなわけで、本日の妖怪の更新はフィリピンの妖怪アコップ、朝鮮の妖怪カンギルカンチョリ、そしてスイスの妖怪ブタッチ・クン・イルグスだ。

フィリピンの妖怪は、有名なものは粗方やっつけたような気もするが、まだまだヘンテコな妖怪はいる。今回のアコップは、頭から直接、手足が生えているという不気味な姿と、未亡人を抱き締めて夫の後を追わせようとする性質の妙が引っ掛かったので、更新してみた。

カンギルとカンチョリは、実はハングルの五十音順では「ㄱ」が最初で、蒐集した韓国妖怪のリストの中から、五十音順に頭から拾っていったら、結果としてカンギルとカンチョリになった。でも、結構、カンチョリなんかは朝鮮半島では有名な「竜」の一種で、結果としていいチョイスになったのではないかと思っている。

ブタッチ・クン・イルグスは、奇妙なイラストを描くことでこの界隈で有名な「A Book of Creatures」の中から選んだ。最近、このウェブサイトをよく眺めている。世界各地の膨大な妖怪の資料が、イラストとともに掲載されていて、日本ではマイナなものも多い。出典として、英語だけでなく、フランス語の書籍が多いので、それも影響しているのだろう。ブタッチ・クン・イルグスは巨大なウシの胃袋みたいな姿の怪物で、無数に目玉がついているらしい。湖の怪物で、横暴な貴族たちを圧し潰してしまう。目玉からは炎を吐き出すらしいので、奇妙な妖怪だと思う。

そんなわけで、本日は「ファンタジィ事典」に4項目を更新したというご報告。

2025年5月30日 「我辛党」と「3の歌」!?

花冷え。が新曲「Spicy Queen」を発表した。ユキナ氏の喋りのようなプリティーな歌唱からデスボイスに移っていく。この振れ幅の凄まじさが花冷え。の魅力のひとつだとすると、今回の楽曲は、ユキナ氏のプリティーな歌唱が多くてよい。ユキナ氏のキラキラした雰囲気からのド迫力のデスボイスの落差が楽しいのである。歌詞の中でたくさん韻を踏んでいて、それもメチャクチャよくできている。歌詞の中に「我辛党」という言葉が出てくるんだけど、「我甘党」という昔の楽曲との対比になっているのも遊び心が満載で面白い。そして、最近、クールビューティーな雰囲気のマツリ氏がニコニコとダンスしているのも茶目っ気があってよい。

BABYMETALも新曲「Song 3」を出してきた。「メタり!!」あたりからずぅっとコラボ続きで面白いのだが、今回、久々にSU-METAL氏以外の2人が大活躍。初期のBABYMETALの「4の歌」の雰囲気を彷彿させる。こういうふざけた感じがBABYMETALの真骨頂のひとつだよね。バックバンドもSU-METAL氏も大真面目にやっているのに、歌詞といい、脇の2人といい、ふざけ散らかすのが、いい感じ。「1, 2, 3, 1, 2, 3, 1, 2, thunder」とか歌っているけど、結局は猪木の「1、2、3、ダー!!」と言っているだけだもんね。「バリ3」だって、電波がいい状況を指す言葉だけど、今の人たち、伝わらないんじゃないか?

まあ、そんなわけで、どちらもふざけた楽曲なんだけど、とてもいいよね。

2025年5月28日 絵文字の歴史4:絵文字の進化と文字コードの壁

5月25日の絵文字の歴史3:ハートマーク事件とドコモ絵文字の誕生の続き。

docomo絵文字に倣って、J-フォン(後のvodafone、そしてsoftbank)とauもすぐに独自の絵文字を開発していく。

顧客はどのキャリアの絵文字がかわいいかで端末を選んだといっても過言ではなくって、当時の若かりしボクも例外ではない。ちぃ子(後の妻!)が「docomoの絵文字はかわいくない。Vodafoneの顔も四角いからやだ。auがいい」という理由で、auを選んだので、ずぅっとauを愛用していた。当時はdocomoはdocomo、vodafoneはvodafone、auはau同士でしか絵文字を送れなくって、他社の端末では文字化けする。だから、家族や彼氏彼女とキャリアを揃える必要があって、囲い込みが進んでいくわけだ。当時のボクたちは、誰がauユーザで、誰が非auユーザなのかを把握していて、auの人向けにはかわいい絵文字を送り、非auの人向けには顔文字を使って対応していたような気がする。写メが導入されたのもこの頃。当時としては画期的で、J-フォンが最初に導入したのだと記憶している。つまり、各社、差異化を図って顧客獲得を目指していたわけだ。

ここで、ようやく本題に入る。このように、各社が独自に開発した絵文字というのは、機種依存文字だ。統一的な文字コードの規格になっていないから、異なるキャリア同士では文字化けする。エンジニアとしては、ここは何とか乗り越えたかった課題だと思う。そりゃあ、当然、人間だもの。やっぱり他社の人とも同じ絵文字を共有したい。だから、絵文字の統一規格が必要になる。当然、そんな議論はあったはずだ。

ところが、ここで当時の技術者たちは別の方向に舵を切る。まず、2004年にdocomoがデコメールを始める。絵文字を文字ではなく、画像にして、メールに添付して、htmlで文字と文字の間に絵を突っ込むという暴挙に出たわけだ。続いて2005年には、softbankがサーバ上で他社宛てのメールの絵文字を自社の類似の絵文字に変換する「絵文字変換機能」のサービスを開始する。結局、ケータイ各社は統ー規格を作る方向にはならずに、バラバラのまま突き進むことになる。

けれども、絵文字利用の文化はどんどんと深化していく。ケータイの枠を飛び越して、SNSでも絵文字が使われるようになる。blogやfacebook、twitterを利用するときにも、日本人の若者たちは絵文字も使って記事を投稿するようになる。そんなニーズに応じる形で、各SNSプラットフォームも、どんどん絵文字の機能を展開していく。そんな困った状況の中、絵文字の国際規格化を推進する動きが出てくる。2010年に「Emoji」がUnicode 6.0に採用された。さてはて。