2025年1月6日 ブループを調べて感じたこと。

本日、久々にウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新してみた。今回は「ブループ」という妖怪を紹介している。

実は、年末に息子のツクル氏がまいぜんシスターズの動画を見ていて、そこにブループというクジラのような怪物が登場した。まいぜんシスターズはときどき、マニアックな妖怪を企画に取り入れる。八尺様なんかも登場したこともあるので、もしかしたらブループも神話・伝承のバックグラウンドがあるのかもしれない。そう思って調べたら、予想通り、未確認生物の類いだった。こんな妖怪、全然、知らなかったなあ。

とは言え、実際には観測されているのが「音」だけで、目撃した人はいないので、未確認生物にしてはちょっと珍しいパターンだ。アメリカ海洋大気庁が1997年に南太平洋で「謎の音」を観測して、この低周波がクジラの鳴き声に似ていて、音の大きさから逆算すると、その体長は215メートルを超える。そんな推定から誕生した怪物である。

今回の「ブループ」の記事の中ではちょっとしか触れていないが、同じ「音」だけ観測されている怪物として「ユリア」というのもいて、こちらは800メートルを超えると言うから、とんでもない大きさだ。史上最大の動物はシロナガスクジラで、30メートルなので、800メートルになると荒唐無稽という感じがする。でも、「音」の大きさから逆算して生き物の大きさを決めていくという発想は、ちょっと面白いなと思う。

ちなみに、身体が大きくなればなるほど、身体を動かすのにエネルギーが必要になる。畢竟、獲物を追い掛けて捕食するというのが現実的ではなくなる。だから、巨大な海洋生物というのは、プランクトンを吸い込んで食べる「濾過摂食」というやり方を採用している場合が多い。そんな生物学的な背景もあって、ブループもユリアもヒゲクジラの仲間のような姿・形や生態が想定されている。仮に空想の生き物であっても、科学的な発想で姿・形が組み立てられていく。そういう点も、ちょっと面白いなと思う。