刑天(シンティエン、けいてん)

分 類中国伝承
名 称 刑天〔xíng-tiān〕(シィンティエン、シンティエン)【中国語】
刑天(ケイテン)【日本語】
容 姿首のない巨人。お腹に目と口がある。
特 徴神農の配下で、黄帝に首を斬り落とされても戦い続けた。
出 典『山海經』(前4世紀頃)ほか

首を斬り落とされても戦い続けた巨人!?

刑天(シンティエン、けいてん)は中国神話に登場する首のない巨人である。もともとは普通の巨人の姿をした神農の配下だったが、あるとき、神農と黄帝が戦ったときに、黄帝は神農を倒してしまったが、刑天はそれでも尚、黄帝に戦いを挑んだ。そして黄帝に首を斬り落とされてしまうが、それでも刑天は戦うことをやめず、乳首を目に、ヘソを口にして斧と盾を振り回して戦い続けたという。

なお、『山海経』では「形天」という表記で登場している。形天は奇肱国において天帝と神の座を巡って争ったという。

形天與帝爭神,帝斷其首,葬之常羊之山,乃以乳為目,以臍為口,操干戚以舞。

形天は天帝と神の座を巡って争い、天帝はその頭を斬り落とし、常羊山に埋葬したが、なおも両乳を目に、ヘソを口に変え、盾と斧を手に舞った。

『山海經』「海外西經」より

ちなみに、古代ギリシアには、《首なし》という意味のアケパロスという怪物が伝わっている。その姿はほとんど刑天と同じである。インドのカバンダも同様である。頭部がなく、代わりに胸に顔がついている怪物というのは、世界共通で発想しやすい形なのかもしれない。

《参考文献》

Last update: 2022/02/27

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