鞍馬山僧正坊

分 類日本伝承
名 称 鞍馬山僧正坊(クラマヤマソウジョウボウ)【日本語】
鞍馬天狗(クラマテング)【日本語】
容 姿大天狗。でっぷり太った鼻高天狗として描かれることが多い。
特 徴鞍馬山に棲む大天狗。牛若丸に剣術を指南した。
出 典

牛若丸に剣術を指南した大天狗!?

鞍馬山僧正坊(くらまやまそうじょうぼう)は京都の北に位置する鞍馬山の奥の「僧正が谷」に棲む天狗。単に僧正坊、あるいは鞍馬天狗とも呼ばれる。『天狗経』に書かれている四十八天狗に名前が挙げられ、八天狗にも名前を連ねている。鞍馬山の「天狗の内裏」という目に見えない場所に、多数の天狗を手下として従え、愛宕山や比良山、高野山、那智山、神倉山などの天狗、さらには天竺や大唐の天狗たちにも顔が利くという。人間の妻を持つとも言われる。

僧正坊は、牛若丸(源義経)に剣術や兵法を教えたという伝説で知られる。河鍋暁斎や歌川豊国など、多くの浮世絵師たちが、僧正坊の指導の下、牛若丸が烏天狗たちと戦って剣の腕を磨いている絵を描いている。実際、源義経は、父の源義朝が平治の乱で亡くなった後、幼少期を京都の鞍馬寺で過ごしており、その間に。そして、成長すると兄・源頼朝の下で平氏と戦って活躍する。

ちなみに、現在の鞍馬寺は、1947年に信楽香雲が鞍馬弘教を興して天台宗から独立した。鞍馬弘教では毘沙門天、千手観音、護法魔王尊を三身一体の「尊天」として祀っている。護法魔王尊(サナト・クマーラ)の像は、高い鼻、長いひげ、背中に大きな翼を持ち、修験者のような帽子(頭襟)をかぶり、まるで天狗を連想させる姿をしている。別名を鞍馬山魔王大僧正で、鞍馬山僧正坊を配下に置いているとも、鞍馬山僧正坊と同一のものだともされる。

(参考)八天狗とは

八天狗といえば、京都の愛宕山太郎坊、滋賀の比良山次郎坊、京都の鞍馬山僧正坊、長野の飯縄山三郎坊、神奈川の大山伯耆坊、福岡の英彦山豊前坊、奈良の大峰山前鬼坊、香川の白峯相模坊の8人の強力な天狗のこと。その中でも、愛宕山太郎坊がその筆頭である。

《参考文献》

Last update: 2021/03/28

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