2024年9月7日 フラットヘッドを描いてみた。
オズ・シリーズの「フラットヘッド」を描いてみた。
フラットヘッドはボームのオズ・シリーズの14作目(つまりボームとしては最終巻)の『オズのグリンダ』に登場する不思議な一族だ。頭が平らで、脳みそを入れておく場所がなかったため、愚かだったという。オズの国をつくった妖精たちは、彼らを見て哀れに思い、缶に脳みそを詰めて彼らに与えた。こうして、彼らは人並みに考えられるようになった。
この缶入りの脳みそは他人から奪うことも可能なようで、1人のフラットヘッドが他の2人から缶を奪って賢くなったという。この男は策を講じて、常に自分が国のリーダーに選ばれるような制度をつくったのである。
……脳みそが缶に詰められていて持ち運びできるというのは、一体、どういうことなのだろうか。しかもそれを奪うことで賢くなれるというのはどういうことなのだろうか。所有権を得た人が、その脳みそのスペックを使えるということなのだろうか。いろんなことを考えてしまう。ボームって不思議な人だよなあ。
それにしても、ちょっと気持ちの悪い絵になってしまったなあ。まあ、ボクの思うフラットヘッド族の王のスー・ディクってこんな感じなので、いいか。
2024年9月3日 マーライを描いてみた。
ベトナムの妖怪第1弾として「マーライ」を描いてみた。今後は徐々にベトナムの妖怪もイラスト化して認知度を上げていきたいと思っている。
さて、マーライは昼間は人間として暮らしていて、夜になると臓器とともに頭が抜け出し、空を飛ぶ。こういう首と臓器だけの妖怪と言えば、東南アジア各地にいて、たとえば、タイのガスーやインドネシアのペナンガラン、フィリピンのウンガウンガなどが知られている。どれも昼間は人間として暮らして、夜になると首と臓器が抜け出す。
他の首&臓器妖怪とマーライが大きく異なるのは、マーライの場合、直接、人間を襲わないとされている点だ。マーライは主に排泄物を狙うらしい。マーライに排泄物を食べられた人は腸の病気になり、やがて重篤化して死んでしまう。つまり、人間の排泄物を介して、マーライは人間に作用するわけである。
いずれはタイのガスーも描いてみたいなと思っている。結局、首と臓器という意味では同じデザインなんだけど、ガスーの場合、人間とガスーの悲恋みたいなものが展開されるので、妖艶な美女で描けば、少しは差異化できるのではないか。ふふふ。
2024年8月30日 磯女を描いてみた。
九州地方の妖怪「磯女」を描いてみた。
今回、こうして磯女を描いてみようと思い立ったのは、ずぅっとフィリピンの妖怪のマンララヨやクボット、グモン、マラカットなどの「髪の毛軍団」を描いてきたからだ。どうしてだか分からないが、フィリピンには、髪の毛で獲物を攻撃する類いの妖怪の一団がいて、とても恐れられている。
フィリピンの妖怪を解説するウェブサイト「アスワン・プロジェクト」では、マンララヨの項目の中に「日本にも似た妖怪がいる」という言及がある。おそらく、それは磯女のことだと思われる。磯女は海に棲んでいて、髪の毛で血を吸って獲物を殺してしまう。
イラストは鳥山石燕の「濡女」を参考にしている。なかなか絵はうまくならないが、毎回、何かに挑戦している。今回は濡れた髪の毛。これがなかなかうまく描けなくて、何度も何度も描き直した。ようやくそれっぽく描けたので、これで完成とした。む、難しい。
2024年8月27日 日曜ウェブマスターの試練
仕事が忙しいと、趣味の時間が激減する。体調が悪いと、趣味の時間が激減する。今、その両方がボクを襲っていて、体調が悪いんだけど、仕事も手を抜けないので、歯を食いしばって出勤している状況が続いている。家に帰ってくるとバタンとソファに倒れ伏す。そんな日々の繰り返しだ。
それでも、毎週2枚のイラストは仕上げようとタブレットに向かってペンタブを動かし、ファンタジィ事典くらいは更新しようと、細々と記事を書いている。イラストもファンタジィ事典の項目も、過去のストックがあるから何とかやっている。ストックが残されているので途切れずに頑張れている。もはや、これは使命感だ。誰に対しての何の使命なのか分からないが、でも、誰かに対しての何らかの使命感で頑張っている。
ウェブサイト「日々の雑記」は、現時点でストックがないので、不定期になっている。しかも頭の中がまとまらないので、文章も含めてぐちゃぐちゃだ。その上、そういう状況下での創作活動はクオリティが下がるので、今後公開されるイラストやファンタジィ事典の項目は、少しだけ質が低くなることが予想されていて、それもまたひとつの憂鬱の種である。うーん。
まあ、日曜ウェブマスターだから、仕方ないかなあ。でも、それを言い訳にしたくもなくて、必死の形相である。わははー。でも、こういうありのままの自分を赤裸々にえいや、と提示してみるのも一興かと思っての垂れ流し。
2024年8月26日 オズ・シリーズのジャック・パンプキンヘッドを描いてみた。
オズ・シリーズの「ジャック・パンプキンヘッド」を描いてみた。ジャック・パンプキンヘッドは『オズのふしぎな国』(1904年)に初登場で、少年チップが木材とカボチャでつくった人形だったが、魔法の粉で命を吹き込まれた。
面白いのは、頭のカボチャはすぐに腐ってしまうので、取り換える必要があるという点。彼は自ら畑でカボチャを育てていて、定期的に腐りかけの頭を交換する。頭の出来栄えによって賢さが左右される。
頭を取り換えてもアイデンティティが変わらないのなら、お前の主体は一体どこにあるのだ、と小一時間ほど問い質したくなる。こういう不思議さがライマン・フランク・ボームの魅力のひとつだ。
2024年8月22日 フィリピン妖怪第36弾「マラカット」
フィリピンの妖怪をイラストに描き起こす企画第36弾で「マラカット」を描いてみた。
マラカットはアスワンの一種で、昼間は人間として村の中で暮らしているが、夜になると毛むくじゃらの獣に変身する。いわばオオカミ人間みたいな存在だが、攻撃方法が独特で、長い毛で相手の首を絞め、鼻や口を塞いで窒息死させる。フィリピンのアスワンにはこういう類いのものが多い。マンララヨとかクボット、グモンなんかは、みんな、毛で獲物を攻撃する。
古来より、フィリピン人というのは、何らか「毛」に対して怖さを感じていたのだろうか。その感性は不思議な感じがする。日本でも、水辺だと髪の毛が足に絡まる感覚があって、ひやっとすることがある。だから、濡れ女なんかは髪の毛で相手を殺してしまうのかなあ、と想像する。都市伝説でも、プールで女の人の髪の毛に足をさらわれて溺れさせられるというのはちらほら見かける。
そんなわけで、オオカミ人間っぽくありつつ、髪の毛が長いという不思議なイラストを描いてみた。
2024年8月18日 庭に出て「ローズ」を描いてみる。
オズ・シリーズの「ローズ」を描いてみた。8作目の『オズのチクタク』(1914年)に登場したバラの一族で、バラ王国の王室庭園の温室で育てられている。植木鉢ごと移動する。ローズたちを支配するために、女王が誕生したが、彼女たちは女王に支配されることを拒み、王を求めて女王を追放してしまった。シャギー・マン(モジャボロ、ボサ男)は誰からも好かれる「愛の磁石」を彼女たちに使ってみたが、ローズたちはその美しい姿とは裏腹に心を持っていなかったため、効かなかった。
いつも絵を描くときには、インターネットで写真を探して、それを参考にしながら絵を描く。でも、妻のちぃ子がバラを育てているので、今回は庭先に出て、バラを観察しながら描いてみた。だから、比較的、リアルに描けた。本物を前に描くというのも大事なことだ。心がないという描写から、陰鬱な顔にしてみた次第。
2024年8月16日 パソコンとスマホとタブレットと
息子のツクル氏が三泊四日でキャンプに出掛けたので、これ幸いと育児から離れて、単身、実家に戻っている。趣味のデジタル化を鋭意進めていたので、普段の家の環境そのままに実家に帰れるのがいい。
ノートパソコンがあれば、ウェブサイトの更新準備ができるし、妖怪調査もできる。タブレットがあれば、妖怪のイラストが描ける。スマホがこれらの機器をインターネットに接続してくれる。そして、スマホからは音楽が流れ、作業中のボクのやる気を高めてくれる。
そんなわけで、実家にいながらにして、好きな音楽を流し、鋭意、妖怪を調査し、妖怪のイラストを描き、ウェブサイトの更新ができる。いい時代だ。ここまで突き詰められたのは、おそらく海外生活が長かったからだ。ホテル暮らしの中でも、何とか趣味を継続したいというパッションが、ここまでのシステムを構築させたのだと思う。
いずれにしても、ボクはどこにいても、趣味の活動を継続できる環境を構築したわけである。そして、これはボクの個人的な趣味の話ではあるが、本来、こういうのが働き方改革だったり、DX推進だったりではないか。
もうね。会社のDXは遅々として進まないわけだ。何かあれば会議が開催される。みんなが一堂に会するわけだけど、たった20分程度の会議のために、みんな、1時間もかけて会議室を訪問する。コロナ禍でオンライン会議を導入したのに、もうすっかりあのときの文化は廃れてしまった。
恰好いいDXじゃなくって、地に足のついたDXがある。もっとやれることはたくさんある。もちろん、ボクもまだまだ頑張らなきゃいけない。死ぬ気でやらないと国際社会に負けちゃうもんなあ。
2024年8月14日 クボットを描いてみた。
フィリピンの妖怪をイラストに描き起こす企画第35弾で「クボット」を描いてみた。もう気づけばフィリピン妖怪も第35弾になるんだなあ。我ながら、頑張っているなあ。
さて、クボットはフィリピンの吸血妖怪アスワンの一種で、長い髪の毛で獲物の首を絞め、鼻や口などの開口部に髪の毛を突っ込んで窒素させる。そして毛先から生命力を吸い取る。まさにフィリピンの髪の毛妖怪軍団の第3弾だ。
第1弾がマンララヨ、第2弾がグモン、そして第3弾がクボット。クボットの特徴は、髪の毛を広げて空を飛ぶこともできる点だ。だから、髪の毛をバサーッと広げて、空を飛んでいるシーンを描いてみた。後はマラカットを描けば、フィリピンの髪の毛妖怪軍団コンプリートだ。頑張るぞー。
それにしても、筆がノっている。タブレットお絵描きの場合には、ペンタブがノっているというのか!?
2024年8月10日 風船人間。
飽きもせず、そして懲りもせずにオズ・シリーズを描いている。今回は「ルーン」である。オズ・シリーズに登場する風船人間である。バ・ルーンという王さまが統治しているので、ルーンというのは、英語のバルーンに由来することが分かる。
面白いことに、ルーンたちはすぐにパンクする。尖ったものにぶつかるとあっという間にパンクして、ぺっちゃんこになってしまう。そうなると、仲間たちがまるで自転車のタイヤのパンクを直すみたいに、傷口を修理して、空気を入れて、もう一度、膨らませる。そうやって、また元の姿に戻る。そんなわけの分からない種族がいるのか。そう思わせてしまうところが、ライマン・フランク・ボームの凄みである。
イラストは、あんまりうまく描けなかった。もっと弾んだ感じに描いた方が、ルーン族っぽくてよかったかもしれないし、空気が膨らんで中から押している感じも、もっと研究したらちゃんと再現できたかもしれない。でも、途中で「まあ、いいか」と思ってしまった。圧倒的に鍛錬が足りない。でも、何だかこんなバルーン人形がどこかの店先でふわふわと浮かんでいたような気もして、だったらまあ、風船っぽさもあるのだろう、と納得して、これもまた良しと受け容れることにした。受け容れて、こうしてアップして、公開している。
オズ・シリーズを描くなら、まずはカカシとブリキのきこりと臆病ライオンを描け、という声も聞こえてくるような気がする。でも、みんなが知っているものを描いても、あんまり意味がない。それぞれの頭の中に、それぞれの思うカカシがいて、きこりがいて、ライオンがいる。それはそれでもういいじゃん、と思う。こういうルーンみたいなやつは知らない人が多くって、「あ、そんな奴がいるんすか?」と思って興味を持ってもらえればよい。そう思って下手なりに頑張って描いている。
2024年8月9日 デジタル画の効用!?
最近、毎週、イラストを描いている。こんなにハイペースでイラストを描いているのは、おそらく小学生のとき以来だ。小学生のときは時間に余裕があったので、暇さえあれば絵を描いていた気がする。段々と忙しさを理由に絵を描かなくなった。
この年になって、今更ながらに思ったのは、どれだけ絵に向き合うかが作品の良し悪しを決めるし、自分の成長にも繋がっているのだなということだ。当たり前のことだけど、今まで絵を描いていて、あんまり意識したことはなかったかもしれない。
具体的には、線を引いてみて「あ、違うな」と感じるわけだ。「ちょっとデッサンが狂ったな」とか「動きが悪くなったな、勢いがなくなったな」とか「立体感がなくなったな」とか、そりゃあ、まあ、いろんな部分で「あ、違うな」と思うわけだ。でも、心のどこかで「ま、いいか」と妥協する。せっかく描いちゃったし、まあ、いいじゃん。で、そうなると、途端に絵の質が悪くなる。そして、毎回のその積み重ねが、ボクの成長を止める。最近、そういう風に認識するようになった。
もしかしたら、デジタル画だからという側面もあるのかもしれない。紙の上にペンでガリガリと線を引いてしまうと、やり直しが利かない。でも、デジタル画だと簡単にやり直せてしまう。場合によっては複製して、二つのパターンで試してみた絵を並べて比較することもできちゃうし、既存のレイヤーに失敗した線を残しておきながら、新たなレイヤーをつくって、別の線を引いてみるなんてこともできる。
これって革命だよなあ。必ずしもデジタルにしたから絵がうまくなるということではない。でも、いろんな線の可能性を検討して比較できるし、いつでもどこにでも戻れるというのは、邪道だと言われるかもしれないけれど、訓練としては非常に貴重な体験になる。
そんなわけで、最近のボクは真剣に絵と向き合っている。どうしても技術が追い付かない部分は多々あって、気に入らない部分もたくさんあるんだけど、でも、日々、成長している実感があって、充実もしている。
2024年8月6日 カクダイ・クルクルムシ・ハカセ!?
バズらないバズらないと言いながらのオズ・シリーズだけど、イラストのストックがたくさんあるので、本日も凝りもせず「ウォグルバグ」を更新してみた。そうしたら、意外とXで閲覧数が伸びている。いいねとリポストもまずまずの走り出し。
オズ・シリーズの場合、ジョン・R・ニール氏の挿絵が元ネタなので、ある種、ファンアート的な感覚で描いている。完全に同人のノリだ。そして、ニール氏のイラストが、非常にカラフルで、キャラクターの衣装もとてもオシャレだったりするから、畢竟、華やかになる。いつもボクが描く絵とは一線を画している。それはそれで面白さがあるのかもしれないなと思う。
緑色のジャケットにピンクのズボン、青いシルクハットというウォグルバグのデザインは、面白さがある。加えて、手足や触覚、鼻(?)の縞々の感じもオシャレよね。オズ・シリーズを読んでみたいと思う人がもっともっと増えればいいなあ。
2024年8月2日 ペンタブだけど、筆がノったぜ!!
フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクトの第34弾で、「グモン」を描いてみた。毛の塊が地面を這っていて、毛を伸ばして獲物の人間を絞めたり、口や鼻などに毛を突っ込んで窒息させて殺してしまう恐ろしい妖怪だ。
7月22日の髪の毛で人間を襲うフィリピンの妖怪たち!?の記事でも書いたが、フィリピンは髪の毛の妖怪がたくさんいる。マンララヨは描いたが、順次、フィリピンの髪の毛妖怪を描いてみたいなと思って、まずはグモンを描いてみた。
筆がノッたという表現がCGにも通用するのか分からないけれど、まさにそんな感覚だ。髪の毛を描くのが苦手だったし、這っている女の人の絵も構図としては難しいと思っていたんだけど、するすると描けた。イメージどおりに描けた。もしかしたら、1月から毎週、毎週、2枚以上の絵を描いてきた成果が実ったのかもしれない。結構、気持ち悪くて、まさに妖怪という感じの絵だ。わはははー。
2024年7月31日 オズ・シリーズのイラスト化、絶賛撃沈中
勝手にオズ・シリーズの登場人物のイラストを描いて「ライマン・フランク・ボームは『オズの魔法使い』だけじゃないよ」「オズ・シリーズは全部で14作品あるんだよ」ということを勝手にPRしようと試みたが、思いのほか、Xでもpixivでもバズっていない。それなのに勢いでたくさん描いてしまって、まだまだストックが残っているので、順次、アップされていく。バズらないままひた走っていくのか、誰かが見つけてバズらせてくれるのか。さてはて。
イラストとしてはかわいく描けていると思うんだよなあ。オズの世界の不思議な感じも出ていると思うんだけどなあ。マイナーなのかなあ。そうかもしれないなあ。うーん。
2024年7月29日 オズ・シリーズから「ソーホース」を描いてみた
オズ・シリーズをイラストに描き起こすシリーズとして、ティック・トック(チクタク)とホイーラーを描いたが、続いて、ソーホースを描いてみた。さてはて。
日本語の翻訳だと「木挽き台の馬」とか「ノコギリ馬」とかって訳されている。かわいさと翻訳の妙では「ノコギリ馬」に軍配が上がる。でも、英語だと「木挽き台」そのものがそのまんまsawhorseだったりするので、ちょうどダブルミーニングになっていて、いい感じなんだよね。そもそも、日本では「木挽き台」という表現そのものがあまり使用頻度が高くないかもしれない。
基本的に全部が木なので、色は茶色しか使わないという意味での難しさ。でも、動きが出るように、曲線とかにはこだわって描いてみた。しかも丸太の丸みを出しつつ、影も入れつつ、白黒でも問題ないくらいに下絵を整えてから彩色してみた。イラスト的には金の蹄鉄とか、赤い革のサドルとかで装飾してもよかったんだけど、やっぱり、チップに生命の粉を振り掛けられて動き出す瞬間のインパクトが描きたくて、無垢な感じにしてみた。さてはて。
2024年7月25日 パティン・ナ・パクパカンを描いてみた。
フィリピンの妖怪をイラストに描き起こす企画第33弾で「パティン・ナ・パクパカン」を描いてみた。ビコル地方の『イバロン叙事詩』の中で、英雄ハンディオンと仲間たちに襲い掛かった空飛ぶサメの一団。上空を旋回して次々と急襲してくる。
サメと言えば、灰色のイメージがあるが、ボクはいつもサメを描くときには灰緑色で塗るのがしっくり来る。だから、別に神話・伝承でパティン・ナ・パクパカンが「緑色」と記述されているわけではないのでご用心(笑)。
本当は上空を旋回しているシーンを描いた方が伝承に即している。でも、それだと飛んでいるのか泳いでいるのかが分かりにくくなってしまったので、飛び出している瞬間の絵にしてみた。技術力があれば、上空を旋回して獲物を狙っているような絵も描けるのかもしれない。そもそも、背景を入れたら楽勝なんだよね。背景を入れないで真っ白の正方形の中に妖怪を描くというテンプレートに決めてしまったので、それで結構、苦しめられているところはある。妖怪画と言えばメガテンの金子一馬氏のイメージがあって、どうしてもそのイメージから脱却できない。
2024年7月21日 オズの「ホイーラー」を描いてみた
オズ・シリーズをイラストに描き起こすシリーズとして、手始めにティック・トック(チクタク)を描いたが、続いてホイーラーを描いてみた。
これなんかは、もう、完全にファンアートだ。何しろ、オズ・シリーズはライマン・フランク・ボームの意向で、挿絵がたくさん描かれている。1作目の『オズの魔法使い』の挿絵はウィリアム・ウォーレス・デンスロウで、彼のイラストは知っている人が多いと思う。でも、2作目からはデンスロウとは不仲になって、新たにジョン・リー・ニールが起用された。だから、3作目に登場するホイーラーもニールのイラストがちゃんtの載っている。本当はもう少し気持ちの悪いニヤニヤ笑いの顔をしているが、服装としてはまさにこんな感じだ。
手が車輪になっている一族なんて発想はボームの凄さだと思う。その凄さを少しでも伝えたくて、頑張って描いてみた。かわいらしい絵柄になったけれど、まあ、児童書なので、それはそれでいいかな、と思っている。
2024年7月18日 オズ・シリーズにも挑戦だ。
ライマン・フランク・ボームは1900年に『オズの魔法使い』を発行した後、続編をたくさん書いていて、全部で14作品書いている。オズと言えば、ドロシー、トト、カカシとブリキの樵と臆病ライオンのイメージがあると思うんだけど、そんなもんじゃない。魅力的な登場人物はたくさんいるので、もっともっとオズ・シリーズを知って欲しいと常日頃から思っている。その意味で、オズ・シリーズの広報を担ってみようと思って、今回、オズ・シリーズの「ティック・トック」を描いてみた。
ティック・トックはボームの『オズのオズマ姫』(1907年)に登場した機械人間。日本語訳の本などでは「チクタク」の名前で登場している。思考、会話、行動の3つの機構があって、それぞれがゼンマイ仕掛けで動く。ドロシーに助けられて、以降、彼女に仕えている。何を隠そう、ティック・トックは文学史上初の「ロボット」なのである。
2024年7月14日 反省。
ネットロアの巨頭オのイラストを描いてみた。でも、正直、あんまりうまく描けなかった。気持ち悪くなってしまった。まあ、気持ち悪いのが「妖怪」ではあるんだけど、そういう気持ちの悪さではなくて、据わりの悪さみたいなのがある。うーん。アップしなければよかったか。まあ、pixivとXに投稿してしまったので、このまま前に進んでいこう。
実は、ボクはイラストに関しては、数週間先まで予定を組んで、締め切りを設けながら描いている。自堕落なので、そうしないと続けられないと思っているからだ。そして、ちょっと仕事に忙殺されて、締め切りが押せ押せになっていたので、えいや、で描いて投稿してしまった。
巨頭オが服を着ているのか着ていないのかは議論が分かれるところだ。結構、裸ん坊の巨頭オのイラストを多く見かける。でも、ボクは巨頭オは服を着ているんじゃないかと思っている派だ。何故なら、目撃者が巨頭オのことを、頭の大きい「人間」と認識しているからだ。二足歩行の獣でも、サルでもなくって、人間と認識しているから、一程度の文化は持っているのではないかと想像する。また、「巨頭オ」という看板をつくるわけだから、これも文化のある証拠だ。ましてや「巨頭村」だったのであれば、尚更、村としての自治はあるはずだと思っている。そんなわけで、服を着せてみたんだけど、ちょっとそれが悪さをしたかな、と思っている。農業をやっている雰囲気を出したくて、タオルを巻いたのが、変に生っぽくなってしまった。もっとシンプルな個性のない服装にすればよかったかもしれない。反省しきりである。
2024年7月7日 ティユ・アンを描いてみた
フィリピンの妖怪をイラストに描き起こす企画第32弾でティユ・アンを描いてみた。実はずぅっと描きたいと思っていたフィリピンの妖怪のひとつだ。
ティユ・アンは《小犬を連れた女》という意味。フィリピンでもそんなにメジャーな妖怪ではないのかもしれない。でも、ちょっと面白い妖怪だ。
彼女が飼っているのは永遠に年を取らない小犬だ。母から娘へと代々引き継がれている。日本で言えば、狐憑きとか犬神憑きみたいな感じで、その家にとり憑いているわけだ。そして、小犬が彼女の足をペロペロと舐め始めたら、それは狩りの合図だ。彼女は吸血鬼となって、屋根の上に跳躍し、寝ている妊婦の子宮に長い舌を差し入れて、胎児の血を吸う。
結局のところ、このかわいい小犬こそがこの妖怪の本体だというところがとても変わっていて、それが面白いなと思って、イラストに描き起こしたいと思っていた。世界的に見ても、こういう妖怪って珍しいのでは?
だから、女性の方は意外と普通の女性にして、犬も普通に描いて、両者を繋げるように、紫色のオーラでつなげてみた。彼女が操られているようなイメージだ。どうだろうか。