クイモッゾー

分 類ベトナム伝承
名 称 Quỷ Một Giò(クイモッゾー)《一本足の魔物》【ベトナム語】
容 姿毛むくじゃらの一本足の妖怪。
特 徴一本足で飛び跳ねながら人を襲う。
出 典

月夜に一本足で飛び跳ねる!?

クイモッゾーはベトナム伝承に登場する一本足の魔物。黒く毛深い大きな身体にボサボサの髪、骨ばった顔は頭蓋骨のように見え、大きな口にはギザギザの歯と長い牙が生えている。そして、一本足でぴょんぴょんと跳ねる。木の上や屋根の上まで跳ぶこともある。事故で片足を失って亡くなった人が、その強い恨みからクイモッゾーと化したとされ、失った自分の足を探し求めているとも言われている。

月夜に夜道に出現する。悲しげな遠吠えを伴うこともある。クイモッゾー自体はさまざまな人間の姿に変身することができるが、その場合でも一本足で歩く癖が残っているため、足が曲がって不格好になるため、容易に見分けられる。単に人をからかうだけの場合もあれば、人を引き裂き、喰らう残虐な場合もある。

あるとき、クイモッゾーが道に現れ、通行人を襲うようになった。襲われた人間たちもクイモッゾーになって襲い掛かった。人々は家の中に閉じ籠り、外出できなくなった。すると、森の大木に雷が落ちた。木が引き裂かれ、焼け落ちたところから悪臭のする赤い液体が流れ出し、以降、クイモッゾーの脅威はなくなった。人々は「この大木こそがクイモッゾーの棲み処だったのだ」と囁き合ったという。

《参考文献》

Last update: 2025/01/11

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