マーカーゾン
分 類 | ベトナム伝承 |
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Ma Cà Rồng (マーカーゾン)【ベトナム語】 | |
容 姿 | 足の親指を鼻の穴に入れて空を飛ぶ。 |
特 徴 | 昼間は人間として暮らし、夜に吸血鬼に変化する。 |
出 典 | - |
足の指を鼻の穴に突っ込めば空も飛べるはず!?
マーカーゾンはベトナム伝承に登場する吸血鬼である。吸血鬼は世界各地にいるが、ご多聞に漏れず、マーカーゾンも昼間は人間の姿をして、農作業をするなど、人間社会の中で暮らしている。額が少し赤いことと、白目が多いことを覗けば、人間と区別することはできない。しかし、夜になると吸血鬼となって人家を襲撃し、血や膿、ニキビなどを喰らう。家畜の血を吸うときもある。マーカーゾンは特に妊婦を好むとされる。
ベトナムの吸血鬼マーカーゾンが特徴的なのは、飛ぶときの姿である。マーカーゾンは鼻の穴に自分の足の親指を2本入れ、手で耳を掴んで空を飛ぶ。ランプの光が赤色から緑色に変化するときは、マーカーゾンの接近を示している。壁を叩いて大きな音を立てるとマーカーゾンは退散すると信じられている。狩りが終わったマーカーゾンは家に戻ってくると、ヨモギの混ざった水の入った鍋に浸かり、鼻の穴から足の指を抜いて、また元の人間に戻る。
マーカーゾンに噛まれた人の肌は青白くなって乾燥し、身体中にたくさんの赤い斑点が現れるという。奇妙な病気に罹って死ぬこともある。
《参考文献》
Last update: 2025/01/15