マーザウ

分 類ベトナム伝承
名 称 Ma Giấu(マー・ザウ)《隠す幽霊》【ベトナム語】
容 姿老婆。
特 徴人間を連れ去って隠してしまう。
出 典

人間をどこかに連れ去って隠してしまう幽霊!?

マーザウはベトナム伝承に登場する老婆の妖怪。村の端っこに立っていて、食事に誘ってくる。この誘いに乗ると、犠牲者は老婆の家に招待され、豪華な食事を振る舞われる。しかし、他の人々から見ると、その人は神隠しのように行方不明になってしまう。村人たちが行方を探すと、竹林や茂みなどの奥で被害者が発見される。被害者は茫然自失となっていて、土や水牛の糞を無理矢理、自分の口の中に詰め込み続けている。どうやってそこに辿り着いたのか分からないような場所なので、村人たちは鎌などで棘だらけの茂みや竹林を切り開いて被害者を広い場所に引っ張り出し、口に入った土や糞を全て吐き出させ、尿(特に子供の尿が有効だとされる)などをかけて正気に戻さなければならない。その後、被害者は数日間、高熱に浮かされ、ショック状態になってしまうので、シャーマンのもとで祈祷して、心を元に戻してやる必要があるという。あるいは、マーザウは背後から人間の目を覆い、盲目にして、その人を幽霊の世界に引き込んでしまうとも言われる。いずれにしても、早期に発見してやり、意識を回復させないと、その人間は憔悴して、最終的には死んでしまう。

一説によれば、夫の命日のために市場に買い物に出掛けた老婆が、強盗に惨殺されて、竹林に投げ込まれ、その後、幽霊になって化けて出ていると信じられている。そのため、買い物用の籠を持っているとも言われる。腹から腸が飛び出しているという報告もある。

《参考文献》

Last update: 2025/01/05

サイト内検索