セケメト
分 類 | エジプト神話 |
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𓌂𓐍𓏏𓁐〔sḥmt(セケメト)【古代エジプト語】 | |
容 姿 | 雌ライオンの頭にウラエウスと太陽円盤を乗せた女神。 |
特 徴 | 熱風と疫病を送る獰猛な女神。 |
出 典 | - |
地上を滅茶苦茶にしたライオン頭の女神!?
セケメト(セクメト)はエジプト神話に登場する牝ライオンの頭部を持った荒々しい女神で、戦いと疫病を司る。敵に対しては砂漠の熱風を吐き出し、疫病を送り込んだ。一方で味方からは疫病を追い払い、病人を癒すとされた。この能力のため、セケメトの祭司たちは医者となり、病を治癒する存在となった。
セケメトは太陽神ラーの左目から生まれたとされ、ラーに対する信仰心をなくした人間たちを誅殺するために地上に遣わされた。ところが彼女はあまりに苛烈に暴れ回り、地上を滅茶苦茶にしてしまった。その様子を見たラーもさすがに人間たちに同情し、赤いビールの雨を降らせてセケメトを泥酔させ、怒りを鎮めたという。
セケメトは中王国時代にペテフ(プタハ)と結びつけられた。イネブ・ヘジュ(メンフィス)で主神して崇拝されていたペテフの妻の座に納まり、ペテフとの間にネフェルテムという睡蓮(スイレン)の神を生んでいる。メンフィスではペテフ、セケメト、ネフェルテムの3柱神がセットで崇拝され、その後、長く崇拝され続けた。
《参考文献》
- 『図説 古代エジプト誌 古代エジプトの神々』(著:松本弥,弥呂久,2006年)
- 『図説 エジプト神々事典』(著:ステファヌ・ロッシーニ/リュト・シュマン=アンテルム,訳:矢島文夫/吉田春美,河出書房新社,1997年〔1992年〕)
Last update: 2025/02/16