ゲブ

分 類エジプト神話
名 称 𓅬𓃀𓀭 〔gb〕(ゲブ)《大地》【古代エジプト語】
容 姿ガチョウを頭に載せた男性。肌は緑色。
特 徴大地の神。ヌゥト(天空)と抱き合って離れないため、シュウ(大気)が引き離した。大地そのもので、王権を司る。
出 典

大地の神、エジプト最初の王を生む!?

ゲブはエジプト神話の大地の男神。ガチョウを頭に載せた男性神。肌は植物を表わす緑色で彩色される。イウヌゥ(ヘリオポリス)の創世神話によれば、大気の男神シュウと湿気の女神テフヌゥトの夫婦から、天空の女神ヌゥトとともに誕生し、ヌゥトと夫婦になって、ウシル、アセト、セテク、ネベトフゥトをもうけた。ゲブ(大地)とヌゥト(天空)が抱き合って離れないため、シュウ(大気)は無理矢理、二人の間に入り、天と地を引き離した。このとき、ヌゥトと別れるのを嫌がったゲブの一部が隆起して山になったという。横たわるゲブ(大地)の上にシュウ(大気)が立ち、両腕を持ちあげてヌゥト(天空)を押し上げている図像はよく知られている。

なお、ゲブは、父親であるシュウから「イリィ・パアト・ネチェルウ《神々の後継者》」の称号を与えられている。そして、長男であるウシルを最初のエジプト王とした。このため、王位は「ネスウト・ゲブ《ゲブの玉座》」と呼ばれることもある。ゲブは人間が暮らす大地そのものと考えられていて、古代エジプトでは、ゲブが笑うと地震が起こると信じられていた。また、死者はゲブの体内に収められると考えられた。

《参考文献》

Last update: 2019/08/05

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