2023年11月21日 サンタ・システム

そろそろ息子のツクル氏にクリスマスプレゼントを決めてもらうシーズンになった。ツクル氏の誕生日が12月なのもあって、一気にプレゼントをもらう格好になるので、なかなか彼も決めあぐねている。LEGOマインクラフトシリーズや「マインクラフト・ダンジョンズ」(Switch)などを検討している。

早々にサンタクロースのプレゼントを決めて欲しくて「サンタには何を頼む?」と訊いてみたところ、ツクル氏はニヤニヤしながら「親に言わないとサンタには伝わらないわけ? 心で思ってみたら伝わらないのかな?」などと言ってくる。どうやら、彼はサンタの正体に気づき始めているのかもしれない。小癪な! 面妖な! そんなわけで、そろそろ卒業なのかもしれない。

妻のちぃ子にそんな話をしたら、「ん? 両親がサンタ・システムに加入して申請してやらないとプレゼントは届かない仕組みだよ? サブスク的な? 子供の意向だけでは届きません。そう説明すればよかったのに」と返されてしまった。むむむ。こちらもこちらで面妖な!!

ちなみに、サンタクロースの元ネタになったのは聖ニコラスだけど、彼には従者がいる。クネヒト・ルプレヒト、クランプス、ペレ・フェタール、ベルスニッケル、ズワルテ・ピートなどなど。どの面々も子供たちを罰する存在で、子供にプレゼントをあげる聖ニコラスと対になっている。クネヒト・ルプレヒトなんかはブラック・サンタとも呼ばれるし、クランプスは悪魔のような姿をしている。大昔は、子供に対する二面性があったのである。

来月のクリスマスに向けて、この辺の詳細を調べて、ウェブサイトファンタジィ事典に反映させてみても面白いかなあ。

  

2023年11月19日 あっちゃんが再び世界史を語る!?

中田敦彦がYouTube大学でもう一度、世界史の授業をするらしい。全8回の予定で、「古代・中世」をヨーロッパ編、中東編、インド編、中国編の4部構成でやって、一度「大航海時代」を挟んだ後に、「近代」として欧米編、中東・インド・中国編の2部構成でやって、最後に「現代」でまとめるらしい。宗教史や経済史、メディア史など、さまざまな角度から歴史をぶった切ってきたあっちゃんが、もう一度、世界史と向き合って、再構築するというのだから、ワクワクが止まらない。

実は「世界の妖怪」を考える上でも、世界史とか地理、宗教、文化の知識って必須だ。そういう意味では、こうやってそれぞれの時代の出来事を、一気通貫、整理してまとめてくれると、通史が分かって、それぞれの時代の位置づけや文化・思想的な変遷が把握しやすい。この動画で、世界史ファンが日本中に増えるとよいな、と思う。今後の残りの7回に期待だ。

第1回の今回はあっちゃんならではの切り口で、ヨーロッパの歴史を振り返りながら、現代の状況や課題と紐づけて論じられるように、組み立てられている。たとえば、共和制と絶対王政みたいな政治システムの変遷や、多神教と一神教、その後の宗教的な対立みたいなものを平易な言葉で説明してくれて、常に現在の世界と比較して、自分ごととして考察できるように練られている。また、それぞれの時代の新しい概念の導入による覇権の変更と、その後の失敗による滅亡が明確に論じられている。面白いので、見ていない人は是非!! 動画そのものは長いけど、あっという間に見ることができるはず。

  

2023年11月17日 バハムートがはらぺこになったら大変だよねwww

先日、はらぺこバハムートをゲットした。これ、全部でカードが16枚しかなくて、全てが異なるカードである。山札からカードを引く呪文がたくさんあって、山札がなくなると捨て札が山札に早変わりするので、畢竟、相手のカードが読めるようになってくる。そうなると、カードを出す順番がとても重要になるので、単純なようでいて戦略性が高い。だから、面白い。絵もかわいい。

結局、ボクはこういう絵が素敵なカードゲームが好きなんだなあ、と思う。オススメ。ちなみに、バハムートはドラゴンだという言説がまかり通っているが、本来はアラビア伝承に登場する巨大な魚だよ! なぁんて、どうでもよいことを書いておくボクであることよ。

  

2023年11月15日 コピーライト的なものから普遍的なものへ

息子のツクル氏が父の影響で「妖怪」に興味を持ち始めた。何しろ、ボクがスマホやパソコンに向かって何か描いているときは、常に「妖怪」なのだ。「パパの描く絵は首がなかったり、目がいっぱいあったり、手がいっぱい生えていたり、変な絵ばっかりだよね」と幼稚園の頃に言われた。教育的にどうなんだろうか……と真剣に悩んだのも、今となっては懐かしい思い出(笑)。そんなツクル氏も、ゲームや小説、漫画を読みながら、朧げに「幻想生物」という概念が分かるようになってきた。どうやらドラゴンやペガサス、ユニコーン、ゴーレム、ゾンビなどは、ピカチューやクッパとは毛色が違うようだと気づいてきたみたいだ。

ピカチューはポケモンの世界に存在し、クッパはマリオの世界に存在する。でも、「幻想生物」はいろんな作品で取り上げられるので、共通の概念やイメージが相互のメディアの中で共有されている。そんな事実が感覚として分かってきて、そういう存在をツクル氏は「妖怪」と称するようになってきた。「これはパパの好きな『妖怪』でしょ。この現実世界にはいない動物でしょ」などと言っている。かわいいやつめ。

この辺、実はすごく難しくて、いつも例に出すんだけど、ドラキュラはブラム・ストーカーの創作だし、フランケンはメアリー・シェリーの創作だ。エントはトルキーンの創作だ。ミミックは本来は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のオリジナル・モンスターだ。全部、コピーライトがある。でも、メディアの中で繰り返しモチーフとして使われていく中で、いつの間にか共通の概念として普及する。そうなると、いつの間にかコピーライト的なものがなくなって、普遍化されていく。作者とは離れて、独立していく。

大昔の神話の中の幻想生物だって、結局は全て、誰かが語ったものだ。最初に言及した「作者」に当たる人物がいるはずだ。それが分からなくなって、普遍化したら「妖怪」になる。その辺の不思議な線引きが、ツクル氏にも分かってきたみたいだ。

だから『ダンジョン飯』を父の本棚から解放してみた。このタイミングなら、きっと面白く読めるのではないだろうか。

  

2023年11月13日 このギリシア神話は良本!?

図書館に行ったら、『ギリシア神話 オリンポスの神々(新装版)』(著:遠藤寛子,絵:小林系,青い鳥文庫,2011年)が置いてあって、絵がメチャクチャよい。これだったら、息子のツクル氏にオススメできる。嬉しくなって、ついついAmazonでポチってしまった。

最近の子供向けの本は、素人っぽい2次元系のイラストレータの絵が添えられていることが多いんだけど、この小林系氏の絵はチープじゃない。ちゃんと立体として人物が描かれているし、ギリシア神話の世界観を壊していない。格好いい。個人的にはとても好ましく感じる。こういう画家をもっと活用すべきだ。

内容も適切で、創世神話も簡単に載せているが、星座にまつわるようなエピソードもあれば、ペルセウスやヘーラクレースの冒険譚もあり、イーリアスやオデュッセイアの要約も載っている。この1冊でギリシア神話の全体がコンパクトに把握できるようになっている。良本だと感じた。

  

2023年11月11日 ビートルズの新曲!?

「すでにビートルズがほぼ全てのジャンルをやっている」と言われることがある。いろんなジャンル、可能性を追求した「ホワイト・アルバム」はビートルズの集大成だ。全方位無敵という感じ。そんなビートルズが「新曲」の「Now And Then」を発表した。すでにジョン・レノンとジョージ・ハリスンが亡くなっているのに、新たに楽曲が発表されるのだから、衝撃の作品である。

この楽曲は、レノンが生前に歌った音源からAI技術を駆使して、雑音とピアノの音を除去してレノンの声だけを取り出している。さらには1995年にいったんは残された3人のメンバーで再構築を試みた際のハリスンのギターの音源をも拾い出し、そこにポール・マッカートニーとリンゴ・スター、それにオーケストラの演奏を重ねて再構築したものだ。まさにあらゆる音楽に挑戦してきたビートルズが、AI技術をも駆使して発表した「新曲」。とてもビートルズらしい。

しかも、この楽曲のPVも、若かりし頃のレノン、ハリスンと、今の老齢なマッカートニーとスターを合成して茶化しながら作ってしまうのだから、もう完敗である。クネクネと動き回るレノンがかわいらしい。

そんなわけで、感動して聞き入ってしまった。あっという間にYouTubeが2,000万再生されている。それもまた衝撃的だ。常に最新技術と向き合ってきたビートルズが、最後の最後に、また挑戦している。まだ聴いていない人は要チェケラ!

  

2023年11月9日 家族deボドゲ!?

ボクの趣味趣向に感化されたのか、最近、妻のちぃ子もボドゲにハマっている。地域の仲のよいお母さんたちと一緒に、ボドゲ同好会なるママ友会を結成して、子供を集めて、ボドゲに興じている。

ボクは何となくファンタジーっぽい雰囲気のボドゲが好きだし、イラストが特徴的なボドゲが好きだ。その上で、ブラフっぽいゲームだったらなお良し。元々は「マジック・ザ・ギャザリング」とか九月姫さんのイラストでお馴染みの「モンスター・メーカー」シリーズとかが好きだった。この「日々の雑記」でも最近紹介しているところで言うと「こねこばくはつ」とか「ごきぶりポーカー」、「おばけキャッチ」なんかは、カードの絵柄が全て違うところがとても気に入っている。

ちぃ子は、子供たちと遊ぶことに主眼を置くので、どちらかと言えば、みんなでワイワイやるものが好きだ。「ナインタイル」とか「ブロックス」、「ウボンゴ」みたいなもの。こういうのは幾何学模様なので、ボクの食指は動かないんだけど、でも、楽しんでくれているので、一緒に面白いゲームを探している。

妻がボドゲ好きでいてくれると素晴らしいのは、ボクが何かを買ったときに、否定せずに理解してくれるところ。ボドゲが好きだなんて、あんまり言ってこなかったんだけど、子供と向き合う過程で、いろいろとゲームを引っ張り出して来たら、結果、こういう感じになって、家族一緒に楽しめている。ふふふ。

  

2023年11月7日 「ドラクエみたいなゲームをつくる」

プログラミングが小学生の必修科目になって久しい。我が家では、試しに息子のツクル氏にプログラミングを習わせている。小学4年生のツクル氏は、結構、こういうトライアル・アンド・エラー的な作業が好きみたいで、かなり熱中している。プログラミング教室でテンプレートをもらうと、大幅にアレンジしてみせる。先日は横スクロール系のゲームで、敵を避けてゴールを目指すプログラミングをしていたが、最初はアイテムをとったらジャンプ力が上がるみたいな改造をしているなあ、と眺めていたが、気づいたらレーザー銃を手に入れて敵を倒し、ひび割れた壁を破壊して先に進むなどの大幅改変を加えていてビックリした。

先日、「ドラクエみたいなゲームをつくる」と言い出した。直感的に、これはしんどいぞ、と思ったボクだ。ボクはツクールをベースにRPGをつくったことがある。結構、大変な印象がある。何しろ、マップをつくることが大変だ。16×16なのか32×32なのかは分からないが、格子状にして、そこにマップを配置していかないといけない。通り抜けられるマップと通り抜けられないマップの判定も必要だ。そもそも、RPGの場合、プレイヤーが上下左右を向かなければいけない。それも結構、大変。でも、ここまで作っても、あくまでもマップ上を歩くだけだ。戦闘になったら、変数をたくさん作らなきゃいけないので、超大変だ。

「大丈夫だよ。最初は簡単なダンジョンを歩くだけにする。敵も味方も1種類でつくるから」などと言っている。そうかなあ。仕方ないので、昔取った杵柄で、かつてお世話になったフリー素材サイトを巡回してみたが、時代は変わったなあ。もう、最近はドット絵を配布しているところが数が限られてしまっている。しかも、パッケージで販売しているところもあって、商売になっている場合もある。

ボクがウェブサイト「ファンタジィ事典」を編纂するようになったキッカケも、ウィザードリィやファイナル・ファンタジーだったりするので、息子を応援してあげようと重い腰をあげるボクである。願わくは、モンスターはボクのウェブサイトを参考に設定なんかを考えてくれるとよいのだけれど……むにゃむにゃ。

  

2023年11月5日 ボドゲで脳トレ、おばけキャッチ!?

『おばけキャッチ』というボドゲがひと昔前に流行ったんだけど、最近、入荷されていなくって、オンライン上でなかなか手に入らなかった。そうしたら、ひょんなことから近くのヨドバシカメラで大量に入荷していたのを発見して、ついつい買ってきた。

『おばけキャッチ』は白いオバケ、灰色のネズミ、緑の瓶、赤いソファ、青い本を並べて、カードを捲っていって、そこに描かれていない色、アイテムのものを瞬時に探してキャッチするゲーム。下の写真の例で言えば、赤いオバケと青い瓶があるので、(白い)オバケ、(緑の)瓶、赤(いソファ)、青(い本)はあるので、「灰色のネズミ」を最初に掴んだ人が勝利で、このカードをゲットできる。こうして、一番多くカードをゲットできた人が勝ち。早い話が、脳トレである。

で、ヨドバシカメラでいそいそと買ってきて開封したら、箱の中に最初っからネズミのコマが入っていなかった。それじゃ、ゲームできないじゃん。大慌てでヨドバシカメラに行ったら、すぐに別の箱と交換してくれた。やー、そんなことってあるんだなー。ちなみに、『おばけキャッチ2』というのも発売されていて(厳密には本家ドイツではもっといろんなヴァージョンが出ているんだけど)、こちらは女性のオバケとバスタブ、櫛、お風呂マット、カエルのセットだ。『おばけキャッチ』と『おばけキャッチ2』で組み合わせて使うことで、もっと難易度の高い遊びができるので、『おばけキャッチ2』も買ってみようかな。そんな風にカスタマー・レビューを見たら、カエルのコマが入っていなかったという苦情コメントが複数、あった。なるほど、コマの欠損はボクだけではなかったらしい。しかも、ネズミとカエルが梱包し忘れというのは、よくある事象らしい。どういう工場管理をしているんだよ、と思うわけだけれど、さてはて。家族で楽しくプレーした。息子も大喜びである。

さて、カエルのコマが入っていない可能性もあるわけだけれど、『おばけキャッチ2』も買ってみようかな。そうしたら組み合わせて遊べるもんね。ドキドキ。

  

2023年11月3日 小説『らせん』を読んだ。

貞子繋がりで『リング』を読み、そして『らせん』を読んだ。『リング』については小説『リング』を読んだ。で書いたので、今回は『らせん』の感想を書いてみたい。

超絶、面白かった。滅茶苦茶、ホラーだった。高野舞という女性は何を生んだのか。そして、高野舞の部屋から出てきた謎の女性は誰なのか。友人の宮下は山村貞子を追い掛けて、劇団「飛翔」のメンバーに会いに行く。そして、ファックスを送ってくる。ファックスを受け取った安藤は、その瞬間にすべてを了解し、謎が氷解する。ここが一番のホラーで、この作品のクライマックスだ。でも、映画にはこのシーンは存在しない。ここを描かずして、どうして『らせん』になり得るのか。ボクはこのシーンこそ、映画で見たかった。『らせん』を読んでいくと、徐々に読者は結論は分かってくる。繋がってくる。でも、その瞬間を目の当たりにするまでは信じられない。確認しなくてはいけない。そんな気持ちでページを繰っていく。そして、安藤が全てを了解して戦慄して、やっぱりそうだよね、と思う。ここが『らせん』の一番の見せ場ではないだろうか。

 

ウェブサイトでどれだけ「あらすじ」を把握していても、映画を観ていても、原作の小説を堪能しなきゃ分からないことってある。やっぱりエアプはダメだよねって思い知った。だからこそ、妖怪たちが登場する過去の作品(古典みたいなもの)は、エアプじゃなくって読んで解説しないとダメだよねって思うので、今、10,000円くらいする原典完訳の『アヴェスタ』を手に入れて読んでいる。意外と、これも面白い。ゾロアスター教って、なんて理性的かつ概念的な宗教なんだろうなって思う。神さまがみんな抽象度が高くって、全然、共感ができないんだよなあ。

  

2023年11月1日 新たな木は植えませんのでご理解をお願いします。

先日、図書館に行ったら、カウンターのところに、木を1本伐採した旨の貼り紙がしてあった。どうも倒木の恐れがあったらしい。わざわざ図書館側で予算をつけて、緊急で伐採したのだろう。結構、大きな木だったので、それなりの費用が掛かったはずだ。

気になったのは、その後の文言で、新たに木を植えないことをアナウンスして、それに対して理解を求める旨の言葉が並んでいた。おそらく、図書館側は、市民からご指摘が入ることを恐れたのだろう。新たに木を植えるように言ってくる市民を想定して、先んじて断りを入れた格好だ。でも、そんな必要があるのか。ボクは甚だ疑問だ。そりゃあ、木を植えれば日陰が出来るし、景観もよくなるし、市民にとって憩いの場になる。自治体としての緑地率に貢献するかもしれない。その一方で、落ち葉は片付けなきゃいけないし、枝が伸びれば剪定作業も必要になる。今回のように倒木のリスクに対する責任も生じる。ハチの巣ができれば駆除しなければならない。だからこそ、検討の上、新たに木を植えないという方針に落ち着いたことは理解ができる。

図書館は公共の施設なので、きっと悪質なクレーマーが多いのだろうなあ。それに苦しめられているから、こうやって、お断りする癖がついている。そんな社会って生きにくいよなあ。もっとみんなが大らかに生きられる世の中にしなきゃいけない。そんなことを、樹木の伐採と、その断りの貼り紙から感じた。

  

2023年10月30日 エンターテイメントの在り方

ボクが「日々の雑記」を小休止している間に、世の中では東海オンエアが大変なことになっていた。真実は分からない。最終的には「休憩」ということで落ち着いたっぽくて、よかったな、と思う。彼らの更新が1週間ほど停止していたときに、どうやって再開するのだろうか、と思った。お決まりの謝罪動画から始まるのだろうかとも思っていた。でも、久々の動画は、いつもの彼ららしく、和気あいあいとした雰囲気で、雑談のような感じで、しばしの「休憩」を宣言していて、よかった。ボクは個人的には「謝罪動画」なんていらないと思っている。大企業ならいざ知らず、エンターテイナーは常に楽しい側面を見せ続けるべきだと思っている。アンジャッシュ渡部の記者会見も最悪だったし、エンターテイメントの世界に深刻さなんかいらないと思っている。その意味では、いろんなことがあったのかもしれないけれど、楽しいまんま、「休憩」に突入した彼らの判断は正しいし、ボクは高く評価したい。

同時に、インパルスの堤下敦も復活した。1年4か月ぶりらしい。スーツを着て、カメラの前で謝罪していた。あの動画は、ボクはいらなかったと思う。「免許を返納したし、医者と相談しながら再開します」という事実だけを説明して、再開を宣言すればよかったと思う。謝罪も必要だけど、重々しくする必要はなくて、迷惑を掛けました。申し訳ありません的な感じでも、全然、よかったと思う。カジサックが笑いに変えてくれて事なきを得たけれど、あの動画の次にどんな動画が来ても、結構、重たい感じになってしまった。エンタメってのは、どうせ虚構なのだから、不必要に謝る必要はない。ボクは常々、そう思っている。

  

2023年10月28日 12日間の沈黙。

ずぅっと一定のペースで「日々の雑記」の更新を維持していたんだけど、ここに来て10日以上(厳密には12日間)、更新が途絶えてしまった。恥ずかしながら、本業の仕事がとても忙しかった。毎日、21時とか22時に家に帰りついて、ご飯を食べてお風呂に入って寝る……みたいな生活だった。その上、毎年、新年の雑誌をつくって発刊しているけれど、それをそろそろ作り始めなければいけないタイミングが重なったりして、わずかな時間はそちらに振り分けて、土日はずぅっと雑誌の紙面をつくる時間に当ててていた。雑誌に載せるために、フィリピンの妖怪の絵を4体くらい描いてみた。それもそのうち、公開できると思う。着々と裏では準備ができている。

そんなわけで、本業の仕事も少しだけ落ち着いたので、また、緩やかに「日々の雑記」も再開としたい。……という近況報告。

  

2023年10月16日 アイルランド神話、始めました。

2009年からウェブサイト「ファンタジィ事典」を運営してきたボクであるが、実は最近になって、ケルト神話に一切、触れていないことに気がついた。大抵、世界の神話を挙げていけば、5本の指にケルト神話が入ってくる。日本神話は当然として、ギリシア・ローマ神話、北欧神話、ケルト神話、メソポタミア神話、エジプト神話、そしてインド神話なんかを解説するはずだ。それなのに、当ウェブサイトでは、どうしたことか、ケルト神話がすっかりと抜け落ちている。

正直、若かりし頃のボクにとって、ケルト神話って難解だったのだ。資料に乏しく、断片的で、だから、何となく敬遠していたのは事実だ。そもそも一言でケルト神話と言っても、「島のケルト」と「大陸のケルト」で全然、内容が違うし、「島のケルト」の中だって、アイルランドとウェールズで異なっているのだ。

それから、古アイルランド語の正しい発音が難しくて分からなかったというのも大きかったと思う。どういう呼称で固有名詞を立項していくか悩んでいたら手が止まってしまった。

そして、当時の気持ちのまんま、すっかり忘れてしまっていたのだ。そんなわけで、まずは緩やかにアイルランド神話をまとめていかねばと、重たい腰を上げた次第。とりあえずケルト神話のページを立ち上げて、項目をゆるゆると作成中。

  

2023年10月14日 日本人の緩やかな信仰スタイルと無神論

ボクはあんまり宗教の話は深追いせずに、しれっとヤハウェとかアッラーフとかアマテラスとか釈迦なんかを「ファンタジィ事典」に掲載している。ファンタジィと言い切ってしまうのは、あまりにも不遜と言えば不遜だし、信者の方々には失礼千万な話だ。でも、すべての神話・伝承・宗教を、えいや、と同列に横に並べないと、ボクのイメージする世界観にならないので、そういうものだと割り切って載せている。結構、原理主義的な人もいるので、怖いところではある。

ボクは海外で仕事をすることも多いので、宗教の話をすることもある。文化によっては、無神論者を受け入れないところもあると聞いているので、ボクは無難に「仏教徒です」と答えるようにしている。でも、本当のところのボクは無神論者だ。無神論者だなどと言うと、もしかしたら多くの日本人は「私もそうだよ!」と答えるかもしれない。でも、ボクは日本人は無神論者だとは思っていない。キリスト教のように日曜日に教会に通うようなものを信仰だと定義すると、日本人のいい加減な信仰というのは宗教ではないと感じるかもしれないが、たとえば、お盆になると実家に帰って墓参りしたり、定期的に故人を悼んで法要を執り行ったりするのは、立派な宗教だと思う。何となくお正月に初詣に行くのもある種の宗教だと思う。葬式に行った帰りに塩を撒くのも宗教だし、神社仏閣に入る前に敷居を踏むと気持ち悪さを覚えるのも、立派な宗教だ。

ボクの父方の祖父はどちらかと言えば無神論者だった。どうせ死んだらお終いだから、葬式はいらないと言って憚らなかったし、もしも葬儀を上げるなら、どうせなら踊り仏教にして、みんなで踊って楽しく送り出せばいいじゃないかと笑っているような人だった。ボクもそういう意識を持っている。祖母が死んでも、祖父が死んでも、ボクは喪中はがきを出したことはない。喪に服すというのも、多分、ひとつの宗教だ。ボクには、そういう意識はない。それでも、母からは「せめて私が死んだら喪に服して欲しい」と言われているので、母のために喪中はがきを出すのかもしれない。

そんなボクなので、本当の意味での無神論者である。そして、無神論者だからこそ、神道も仏教もキリスト教もイスラームも横並びにして論じられるのではないかと思っているんだけど、どうだろうか。さてはて。

  

2023年10月12日 ウェブ2.0と妖怪の話!?

今年度になって、異動があって、仕事の方は肉体労働が続いている。慣れないもので、筋肉痛で身体が悲鳴を上げている。ちょうど仕事と仕事の間に休めるタイミングができたので休んで、ウェブサイト「ファンタジィ事典」の更新に勤しむ。

先般まで「フィリピンの妖怪」や「モンゴルの妖怪」に手を出していた癖に、今日は今日で「韓国の妖怪」を追加している。飽き性で移り気なボクである。韓国の妖怪に関しても、少しずつ韓国語のウェブサイトが増えてきた印象だ。韓国人が自国の妖怪を整理して、ウェブサイトに情報をアップしてくれている。どの程度、正確なのかは分からないが、日本人がまとめるウェブサイトよりは、その国の人がまとめてくれるウェブサイトの方が、現地の温度感もあって、信憑性がある。

日本は幸いなことに、近代化が進んでいく最中に、民俗学というジャンルの中で、民話の収集や妖怪の語彙収集みたいなものを民俗学者たちがやってくれた。イギリスでも、妖精の民話を収集する研究者たちがたくさんいた。お陰で、いろんな伝承がちゃんと記録に残されているし、書籍もたくさん出されている。近代化が進んでしまうと、お化けや妖怪の類いは迷信になってしまって、語る人がいなくなってしまう。そうなると、たくさんの貴重な情報が散逸する。

今はインターネットの時代である。いろんな情報がオンライン上で集約できるようになって、各地の伝承が整理統合されるようになってきたと言えるのかもしれない。ちょうど、フィリピンでアスワン・プロジェクトが始まり、韓国でトッケビ復興プロジェクトが起こったりして、いろんな情報がデジタル化されて、可視化されている。その流れの中で、愛国心とか民族復興みたいな意識も働いて、妖怪を掘り起こす人が現れているのかもしれない。

ボクの勝手なイメージだと、韓国はかなり近代化が進んでいる国だと思っている。韓流映画でも、早い段階で最先端の電子機器を駆使する若者たちが描かれていた。地方部はともかくとしても、都市部の近代化は早かったはずだ。だから、今になって大昔の韓国の妖怪を拾い出すのは難しいかもしれないなあ、と勝手に思っていた。でも、韓国の古い文献がデジタル化されてオンライン上にアップされ、多くの人がそれを読めるようになった。そこで掘り起こされる妖怪もいるだろう。韓国人は愛国心が強いので、中国や日本の文脈とは切り離した韓国オリジナルの妖怪を探そうとする気持ちも、もしかしたら一役買っているかもしれない。加えて、韓国は日本と同じくらいに都市伝説的なものに妖怪が出現する(アメリカのアーバン・レジェンドはぞっとするオチがメインで「妖怪」っぽい感じではない!)。そういう新しい妖怪がどんどん生み出され、収集されているのも、とてもよいと思う。

  

2023年10月10日 アイロンビーズでマリオの世界を再現中!!

巷ではアイロンビーズというのが流行っているらしい。ビーズと言っても、紐を通して連結するわけではなく、ビーズを型に平面的に並べて、アイロンで熱を加えることでくっつける。元々はデンマーク発祥で、マルタハニング社がつくったハマビーズが最初らしい。ボーネルンドが販売している。日本では、ナノブロックで有名なカワダが1995年にパーラービーズの発売を開始して定着したらしい。今ではダイソー、キャンドゥ、セリアなどの100均ショップでも、かなりのスペースを割いて販売している。

ボクはアイロンビーズなるものを寡聞にして知らなかったが、95年と言えば、ボクが中学生の頃だから、我々の世代がドンピシャということになる。もしかしたら、同世代の女の子たちはハマっていたのかもしれない。たまたま100均散策をしているちぃ子(妻)が見つけてきて、我が家でハマっている。

このアイロンビーズはドット絵との相性がめちゃくちゃよい。ドット絵もアイロンビーズも色を面的に並べていくので、たとえば、ドラクエのスライムのアイロンビズをつくろうと思えば、そのままドラクエのドット絵を図案として持ってくればいい。大きさ的には、ファミコンくらいの解像度のドット絵だと、ちょうど20×20くらいのデザインになって、サイズ的にはコースターくらいの大きさに仕上がる。スーパーファミコンのドット絵だと、解像度が上がり過ぎて、葉書サイズよりちょっとはみ出してくるので、若干、作っていて大きい印象だ。

アイロンビーズでマリオ

そんなわけで、スーパーマリオブラザーズ(初期)のマリオやクリボーなんかをアイロンビーズで再現して楽しんでいる(笑)。

  

2023年10月8日 フィリピン、そしてモンゴルも!!

昨晩、ウェブサイト「ファンタジィ事典」を11項目更新した。我ながら、忙しい最中、結構な更新量だと思う。

ひとつは「フィリピンの妖怪」。ホワイト・レディカペローサウンガウンガカマカマを更新した。イラストはまだこれからだ。でも、ウンガウンガなんか、イラストにしたらインパクトがありそうなので、早急に絵を起こしたいと思う。従前から言っているとおり、フィリピンの妖怪をイラスト化したら、次はインドネシアかミャンマーに着手したいと思っている。これらの国々は実際にボクも行ったことがあるし、土地の持つ雰囲気が分かっている。だから、イメージしやすい。

もうひとつは「モンゴルの妖怪」だ。マンガスモー・ショボーを更新してみた。何となく、あまり知られていないアジアの妖怪を潰していきたいなと思っていて、その中でも、日本、韓国、中国、モンゴルは「東アジア」に分類される。日本も含めて「東アジア」の体制を整える意味で、今回、モンゴルにも手を伸ばしてみた。モンゴルに関しては、ロシア語圏の資料が多いので、ロシア語のウェブサイトも参照している。

それから、最近、注釈をつけられるスタイルにしてみた。本文に補足的に説明できるようにすることで、本文を少しだけシンプルに読みやすくして、難解な部分や枝葉は注釈に持っていけるように、文章を組み立て直してみている。いろいろと試行錯誤中のボクである。

そんなわけで、緩やかにファンタジィ事典を更新中である。

  

2023年10月6日 小説『リング』を読んだ。

先日、「ファンタジィ事典」で貞子を更新するために、映画「リング」「らせん」「リング2」「リング0~バースデイ~」を一気に観た。でも、原作とは若干、設定が違う部分もあるという情報があったので、原作の小説『リング』も読んでみた。面白くて、一気に読んでしまった。映画を観ているので大まかな粗筋も展開も分かっている。それでも、面白かった。映画を観る前に読んでいたら、もっと驚いただろうし、面白かっただろうな、と思うけれど、でも、そんなことを度外視しても、文章が生き生きしていて、話の組み立てや情報開示の順番が練り込まれていて、引き込まれるままにあっという間に読み終わってしまった。映画だと結構、曖昧に書かれている部分も、小説では丁寧に描かれている。たとえば、貞子が何を望んだのかとか、何故、ウイルスと化したのかとか、その辺がとても明瞭だ。

一方で、小説を読んでみて、結構、映画ベースで構築していたボクの「ファンタジィ事典」の記述は、小説を読む立場からすると、かなりの部分、ネタバレになっているかな、という気もして、加筆修正が必要だなあと感じた。映画と小説では、物語の組み立て方がかなり違っていて、謎の開示のされ方とか、種明かしのタイミングが大きく異なる。その辺、これから小説を読む人に配慮した表現にしなきゃいけないかもしれない。

いずれにしても、とても面白かった。

  

2023年10月4日 フィリピン妖怪から始めてみよう。

相も変わらず、フィリピンの妖怪を調査している。もう少し整理したら、またファンタジィ事典にも反映させたいと思っている。そのときには、イラストを添えてフィリピンの妖怪を紹介できたらよいなと思う。日本で知名度の低い妖怪は、イラストを援用することで、少しでも知名度を高められたらよい。そんな密やかな構想である。

こんなことが可能になったのは、Aswang Projectのお陰だ。いろんなフィリピン妖怪を掲載してくれている。姿・形の詳細が載っていないものが多いので、イラストに起こすのは大変なんだけど、それでも、最近はフィリピンのイラストレータさんがフィリピン妖怪を描くようになっているので、現地でどういう風に捉えられているのかが、少しずつ把握できるようになってきている。勿論、イラストレータさんの独自の解釈とかアイディアが盛り込まれているはずなので、完全に信頼できるわけではない。でも、少なくとも、現地ではこういう風に解釈されているという一端を知ることはできる。

たとえば、アスワンの一種であるマナマンガルという妖怪は、下半身から切り離されて、上半身だけが空を飛ぶイメージが定着している。上半身からは腸がはみ出しているイラストが多い。一方で、ウンガウンガという妖怪は、マナナンガルに似ているけれど、上半身ではなく、首だけが身体から切り離されて空を飛ぶ。しかも、肺、胃、腸などが一緒になって首にくっついて飛び出してくる。そんなイラストを多くのフィリピンのイラストレータが描いている。インドネシアやタイ、ラオスにも、首だけが内臓をぶら下げて飛んでいる妖怪がたくさんいる。ウンガウンガは、そういう東南アジアの妖怪の方に近い姿だ。こういうのをイラストで描いて紹介すれば、フィリピン妖怪の知名度が上がるのではないか。それがうまく行けば、インドネシア妖怪やミャンマー妖怪でも同様の取り組みをしていきたいところだ。