2024年からフィリピンの妖怪にフォーカスしてイラストに描き起こしてきたが、2025年5月に韓国に行き、そしてコ・ソンベ氏の『韓国妖怪図鑑』もゲットできたので、徐々に朝鮮半島の妖怪に軸足を移している。
朝鮮半島の妖怪も、意外と知名度が低い。それはコ・ソンベ氏が『韓国妖怪図鑑』の前書きで書いている言葉に集約されていると思うので、日本語に訳して引用したい。
幼い頃から日本の漫画を読んで育った。そこにはたくさんの妖怪が出てくる。日本は妖怪大国だ。どうして韓国には妖怪がいないのかと古い文献を引っ張り返していたら、韓国にも個性的な妖怪がたくさんいた。いなかったんじゃなくって、ただ知らなかっただけだったんだ!
(コ・ソンベ『韓国妖怪図鑑』より)
コ・ソンベ氏はたくさんの朝鮮半島の古い文献をリサーチして、そこから妖怪を「再発見」している。実際、彼が文献の中から見つけ出して命名した妖怪たちがたくさんいて、それが今や韓国のアニメや漫画の中で大活躍している。その是非はともかくとして、妖怪たちはひとたび固有名詞が与えられると、人々の想像力の中で生き生きと躍動し始めるわけだ。
たとえば、『猫の刻の伝説(묘시의 전설)』(YouTube、韓国語)では、十二支に入ることができなかった13番目の動物であるネコが治める世界で、朝鮮半島の妖怪たちが大活躍する。この作品には、もう当たり前のようにでっぷり太ったかわいいミョドゥサ(猫頭蛇)が登場する。この怪物は確かに李德泂の『松都記異』(1631年)に登場する。けれども、実は文献ではこの怪物には名前がない。コ・ソンベ氏が猫の頭を持った蛇ということで「ミョドゥサ(猫頭蛇)」と命名したわけだ。そして、現在では当たり前のように「ミョドゥサ」として漫画やアニメの中で大暴れしている。それがとても不思議で面白いと思うわけだ。
ボクがフィリピンと朝鮮半島にフォーカスしているのは、これらの国が日本の隣国だからだ。世界中の妖怪たちを相手に勝負を仕掛けるのは大変だから、まずは日本の隣国から取り組んでいこうと考えている。その視点から、フィリピンに次いで、現在、朝鮮半島の妖怪に力を入れているところ。だから、これからしばらくは朝鮮半島の妖怪たちの絵を順次、掲載していきたい。
《参考文献》
- 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)
Last update: 2026/01/11








