《日々の雑記》
2024年6月18日 「さようなら」をする羽目に
ここ数日間で、pixivのフォローを思い切って何人か削除した。こういう場合、相手に通知とかいくのかなあ。うーん、難しいなあ。
ボクは極力、妖怪のイラストを描く人をフォローするようにしている。あるいはファンタジィっぽいイラストを描く人も多少はフォローしている。イラストの上手い下手はあんまり重要視していなくって、そのイラストが比較的、原典に忠実であれば(つまり解釈の部分が過剰でなくて、設定を大幅に変更していなければ)、積極的にフォローしている。もちろん、イラストに描き起こす時点で、大なり小なりイラストレータの解釈は入り込むし、改変はある。でも、極力、忠実に描こうとする態度や姿勢を感じたら、基本的には前向きにフォローするようにしている。
ところが、そうやってフォローしたイラストレータさんが方針転換して、せっせとR-18方向の作品を連投し始めるケースがある。それがウケがいいのか、本人の趣味趣向でそういう方向に舵切りをしたのかは分からない。でも、ボクは別にそういうイラストにはあんまり興味はない。そういうのが見たかったら、そういう専門のサイトを見ればよいと思う。でも、まあ、無害だし、我慢するかと思っていた。クリエイティヴは自由なので、彼らがそういうイラストを描きたいなら、どうぞご自由に、という気持ちだった。
ところが、稀にパソコンでpixivを閲覧しているときに、息子が近づいてきて、ビックリすることが何度かあった。こちらに他意はないけれど、心臓はバクバクする。そんなわけで、畢竟、何人かとは「さようなら」をする羽目になった次第。ご容赦あれ。
2024年6月16日 ランポンのひげは緑色なのか!?
1か月振りくらいにフィリピンの妖怪のイラストを描いてみた。フィリピンの妖怪をイラストに描き起こすプロジェクトの第31弾の「ランポン」だ。ランポンは森の獣を守護する小人だ。森に狩猟者が現れると1つ目の真っ白いシカに変身して狩猟者の気を惹き、森の獣たちを逃がす。
意外と英語の解釈が難しくて、「one-eyed」とか「single eye」という表現が曲者だ。《片目の》とも訳せるし《単眼の》とも訳せる。フィリピンのイラストレータは片目が傷ついたシカのヴァージョンで描いている人もいれば、頭の真ん中に1つしかない単眼のシカを描いている人もいる。どちらが正解なのかは正直、よく分からない。でも、複数の辞書を参照して、どうも「one-eyed」とか「single eye」の用例にキュクロープスがたくさん出てくるので、ボクは「1つ目のシカ」を採用して描いてみた。
小人の方は比較的、多くのイラストレータの絵が一致していたので、裸ん坊に長いひげの姿を採用した。文章にはとんがり2つの黒い帽子という記述があるが、多くの人はシカの角を生やした禿の小人で描いている。でも、文章に忠実にするために、とんがり2つの黒い帽子で描いてみた。でも、シカの角が生えているっぽい雰囲気は少しだけ残してみた。ひげについては、白髭という記述もあるんだけど、多くのイラストレータが緑色で描いているので、悩んだ末、緑を採用してみた。
そんなわけで、1枚、絵を描くだけでも、いろいろな資料を当たって、検討し、決断をしながら絵に起こしている。それが正解かどうかは分からない。でも、極力、納得できるまで熟考するようにはしている。
2024年6月13日 古代ギリシア・ローマのイラストは少しだけ気楽。
ここのところ、ヒッポカムポスとかクリューソマッロス・クリオスみたいなギリシア神話関係のイラストを投下している。というのも、ギリシア神話の妖怪って楽ちんでよい。何がよいかと言うと、原典資料に当たる文献が大量にあるというのもいいんだけど、図像(壷絵とか)も大量に残されていて、そこに古代ギリシア人たちの想像力がたくさん込められている。それを何とかそれっぽく抽出できたら、新しさがある。
そんなわけで、古代のイラストと今風のイラストの折衷案を狙っている。ボクはあんまり今風にはしたくなくって、たとえばクリューソマッロス・クリオスなんかは、ファイナルファンタジーのゲームの中ではクリュソマロスとして登場していて、とてもキュートな丸いフォルムの金色のヒツジで描かれている。とても今風な感じで、それはそれでとても魅力的なんだけど、古代ギリシアの人たちはもう少し雄々しいヒツジで想像していた。その辺の真ん中を狙っている。ヒッポカムポスも同じで、もっと今風に描くなら、尾びれなんかを青系の色で描くと思う。でも、ギリシアの色っぽさを出したくて、3世紀頃のローマ時代のモザイク画の色を採用した。
あんまりにも疲れてしまうと、こういう資料の多いものに手を出して、内心、少しだけ休息しているボクである。
2024年6月11日 頑張れ、ニコニコ動画!!
ニコニコ動画がサイバー攻撃を受けてサービスを停止している。結構、長引いていて、苦戦しているのが伝わる。
ボクは日本の経済を回して何とか前に進まなければならないと思っているので、YouTubeよりもニコニコ動画を推している。ニコニコ動画の方が広告が多いし、重たい。でも、ニコニコ動画を積極的に利用している。ポケミクのときにも、敢えてYouTubeではなくってニコニコ動画を紹介していた。同じコンテンツがアップロードされているなら、極力、日本の企業を応援すべきだと思っていた。だから、今、こうしてニコニコ動画がサービスを停止しているのが悲しい。何とか早く復旧して欲しいと思う。
2024年6月7日 666には間に合わず(>人<)
ソロモン72柱の「ベレト」を描いてみた。詳細はウェブサイト「ファンタジィ事典」のベレトを参照にしてもらえればいいのだけれど、今回、ラテン語の『悪魔の偽王国』のボリュームが多くて、翻訳に苦労した。英語の『ゴエティア』も結構、分かりにくさはあって、フランス語の『地獄の辞典』も『悪魔の偽王国』を参照しているはずなのに、かなり端折った感じになっていて、時間を要してしまった。
本当は、ね。令和6年6月6日が「666」になるので、その「獣の数字」に合わせてソロモン72柱の悪霊をひとつ更新したくて準備をしていた。でも、何やかんやで結局、1日遅れになってしまった。クッソゥ。
ベレトの場合、他の悪霊たちとは違って、ルイ・ル・ブルトンの元絵がないので、自由に描くことができるが、それはそれで難しさはある。特にベレトについては『悪魔の偽王国』や『ゴエティア』の中に外見や風貌に関する記述がなくって、蒼ざめたウマに乗っていることくらいか記述がない。
ちなみに「蒼ざめたウマ」と言えば、キリスト教の世界では『ヨハネの黙示録』の四騎士を連想するはずだ。支配(白いウマ)、戦争(赤いウマ)、飢饉(黒いウマ)、そして死(蒼ざめたウマ)をそれぞれ象徴している。「蒼ざめた」というのはギリシア語では「緑」ということなので、今回、ウマの色は緑色と灰色の混ざったような色にしてみた。また、蒼ざめたウマを駆っている人物は死の象徴ということで、しばしば死神みたいに描かれる。死神は黒いローブをまとった骸骨っぽいイメージなので、今回、赤黒いローブに身を包んだ骨張った悪霊にしてみた。前を先導するネコとネズミは『地獄の辞典』の絵をそのまま援用している。
そんなわけで、ボクなりのベレトになっている。さあ、次はプルソンだなあ。プルソンはプルソンで、文章そのものは短いんだけど、訳しにくいと言えば訳しにくいんだよなあ。「aerial」がどういう意味なのか、解釈は人それぞれで、訳しにくい。でも、まあ、頑張ろう。
2024年6月1日 ガールズバンド兼YouTuber!?
花冷え。に続いて「さあ、ステミレイツを紹介するぞ」という段取りになっていたんだけど、突如、5月29日にメンバー2人の脱退が発表されて、勝手に茫然自失となっていた(苦笑)。
ステミレイツはガールズバンド兼YouTuberで、かなり積極的にYouTuber活動をしていた。過酷な企画もあって、バンド活動よりオYouTuber全開の雰囲気があって、それでいてミュージックビデオになると突然、格好よくなるというギャップ萌えな感じがあった。ごみのんが脱退するので、YouTuber色は薄くなって、バンドに主軸が置かれていくのだろうか。メンバーの募集が始まるようだが、正直、新しいメンバー次第だなあ、というところか。YouTuberとしてのノリをどこまで維持できるか。
というわけで、いろいろありつつも、当初の予定どおり、楽曲を2つ紹介しておこうと思う。「TWILIGHT」は撮影場所が横浜のみなとみらいだぜ!!
2024年5月29日 かわいいとデスボの共存
今日は花冷え。について。ヴォーカルのユキナがブリブリのアニメ声で発声しているのに、突然、デスボでシャウトし始める。かわいいと激しいを行ったり来たりする。楽曲として、かわいいとデスボが共存できるというのがとても面白くて、このバンドの凄いところ。そして、このバンドをコントロールしているのがギタリストのマツリ。ポップとメタルを行ったり来たりする複雑怪奇な楽曲を作っているところも然ることながら、激しく唸るギターの腕前も見事ながら、陰のある独特の風貌をまとっているところが何よりもミステリアスだ。今回の「O·TA·KUラブリー伝説」のコメント欄では、彼女はエヴァみたいだと外国人に揶揄されているけれど、本当に、エヴァのフィギュア人形みたいな感じがして、不思議な雰囲気を醸している。
ちなみに「今年こそギャル~初夏ver.」では、PVの冒頭で4人が芋っぽい女子を演じていて、それはそれで面白い。トライセラトップスが「踊れるロック」を標榜していたが、大勢のギャルたちが踊っているPVはある意味、格好いいゾ。
2024年5月28日 縦横無尽に駆け回る6つの色
昨日に引き続きで、音楽のネタを投稿しよう。ボクは意外と毎日、音楽を聴いている。No Music, No Lifeだ。そんな中、最近、繰り返し聴いている楽曲がGacharic Spinの「Let It Beat」だ。
このバンドは、実は6人全員が歌える(FチョッパーKOGAはコーラス専門かもしれないけれど)。だから、あっちからこっちから声が飛ぶ。それが格好いい。もちろん、FチョッパーKOGAの安定のベースは天才的だし、TOMO-ZOのギタープレイも光っているし、オレオレオナのピアノもオシャレだ。yuriが楽しそうにドラムを叩いているのも良き。そして、何よりもアンジェリーナ1/3の声が格好いい。以前の少しだけ中二病を拗らせたような歌詞は人によっては拒否反応が出る可能性はあるんだけど、最近はそういう毒っぽい歌詞も鳴りをひそめてきていて、キャッチーで格好いい世界観が構築され始めている。そこに6人が6人ともいろんなカラーをぶっこんで来て、とてもバランスのいい魅力的なバンドになっていっている。
「BakuBaku」ははな (Hana)の下からしゃくりあげていくようなボーカルが独特で面白い。はな (Hana)とオレオレオナが朗々と歌う中で、アンジェリーナ1/3がラップっぽく重なっていくところなんかは、この編成だからこその音楽的な面白さだと思う。いろんなカラーがあって、飛び道具的に楽器の音や声が混ざってきて、カラフルで、とても不思議なチームだと思う。
2024年5月27日 DJ社長は復活の狼煙をあげる
世界の妖怪をあげていくウェブサイトなので、ミーハーな人は少ないかもしれないので、今日はちょっとミーハーに振ってみる。最近、銀太とまるが脱退して、どうなることかと思っていたボクだけど、DJ社長は面白いね。アゲアゲな新曲をどんどん披露してくれる。しかも再生数が半端ない。あっという間に100万再生を突破して、それでもどんどん伸びていく。
「And I’m waiting for you too」は銀太が脱退したときの楽曲。一人の力を試したいとレペゼンを飛び出した銀太をディスりながらの応援歌。
「Waiting for you in Bali island」はまるが脱退したときの楽曲。こっちは完全にブチ切れていて、容赦ない。でも、そういうクレイジーなところもDJ社長らしい。アゲアゲでノリノリで、こんなにディスりの効いた歌詞なのに、聴いていて楽しくなる不思議。
いろいろと賛否両論あると思うけど、結局、こうやってエンタメをして、ちゃんとYouTubeのカウンターを回してインフルエンサーとして成功してしまうところが偉大だと思う。
2024年5月26日 復活の狼煙をあげられるか!?
最近、文字通り、体調を崩していた。ゴールデンウィークが開けたところで38度の発熱。そこから1週間、熱がずぅっと下がらないまんまで、ようやく熱が下がったと思ったら、今度は咳が止まらなくなって早2週間。その間、満足に眠れないし、咳のせいで全身に変な力が入って、筋肉痛になっていた。咳が出なくなってきたので、ようやく本日、全身マッサージに行ったら、あまりのひどさに揉み返しがおきて、午前中はずぅっと死んでいた。
そんなわけで(どんなわけ?)、本来業務のお仕事もままならなかったんだけど、ウェブサイト更新や創作活動も大幅に滞っていた。フィリピンの妖怪とかタイの妖怪という雰囲気じゃなくって、それで少し視点を変えて、現代ファンタジー系に手を出してみた。ゴブリンとスライムだ。こういうのは気が楽だ。たくさんの人がすでに描いてくれているので、ボクなりの解釈で振り切って描いても問題ない。
ゴブリンは頭がでかくてグロテスクというイメージがあるので、ちょっとだけ頭を大きく描いて、歪(いびつ)な感じにしてみた。決してデッサンが狂っているわけではない。
スライムは鳥山明のかわいらしいスライムのイメージを払拭したくて、結構、大きなサイズで描いてみた。消化中の人間の骨を中に描いてみたわけだけど、ここから逆算すると、結構、大きなモンスターということになる。
そんなわけで、熱に浮かされ、咳き込みながら、何とかできることをやってきた感じだ。苦しい3週間だったなあ。ここから復活の狼煙を上げられるといいのだけれど、さてはて。
2024年5月20日 ナイジェリアのムーブメント!?
DJ銀太の脱退に続いて、DJまるも脱退。Repezen Foxxは一体どうなってしまうのだろう。DJ社長の6月復活は嬉しいけれど、先行きが心配だ。などと、意外とミーハーなボクである。
* * *
閑話休題で、最近、ボクの周辺のXで、ナイジェリアに関連するポストが多い。ナイジェリアの料理や文化、仮面、衣装など、フォロワーの話題の中で、そういうリポストがたくさん流れてくる。何だろう。何かナイジェリアにまつわるイベントでもあったのかしら。
ボクは2014~2016年にお仕事で5回、ナイジェリアに渡航したことがある。累計で180日もナイジェリアに暮らしていたので、何となくナイジェリアに馴染みがあって、親近感がある。ナイジェリアと言えば、レストランでうっかり「シェフのおまかせサラダ」を頼んだら、ジャイアントスネイルが入っていて、知らずに食べてしまったこととか、町中で写真を撮っていたら、いきなり軍人がやってきて「逮捕する」と言われて、どうやら軍事施設の周辺だったとか、いろんな思い出がある。当時はボコハラムが暴れ回っていたし、エボラ出血熱も流行っていたしで、いろいろと難儀な時代だった。
ナイジェリアにはハウサ族、イボ族、ヨルバ族などのたくさんの民族がいて、特にヨルバ族の神話はアフリカ諸国の神話の中でも比較的よく研究されていて、知られている。それは、ヨルバランドの人々が、奴隷貿易でアメリカに連れていかれて、そこでブードゥー教などに変化していった歴史があるからだ。オロドゥマレという最高神に遣わされて、たくさんのオリシャ(神々)が地上にやってきて、世界創造をしたり、人類創造をする。有名なところだと、創造神オバタラとか、雷神シャンゴー、海神オロクン、軍神オドゥン、川の女神イェモジャ、そしてトリックスターのエシュなどがいる。そういうのを紹介したら、ちょっとニーズがあるのだろうか。
2024年5月14日 ポケミクのイベントが終わった!!
2023年9月にDECO*27氏が「ボルテッカー」を公開し、その後、さまざまなボカロPたちによって定期的に18曲が公開されるというポケモン×初音ミクの一連のイベントが、3月にEve氏の「Glorious Day」で終わった。CD音源化されるに当たって、sasakure.UK氏が新曲を発表するということだったので、楽しみに待っていたら、いよいよ5月に「アフターエポックス」が公開された。そうそうたる面々で、あのMitchie M氏やピノキオピー氏、cosMo@暴走P氏、そしてナユタン星人氏やかいりきベア氏まで参加している。これで終わりかと思ったら、今後、Kanaria氏も投入するというから、ものすごいプロジェクト。楽しみすぎる。
そんなわけで、ニコニコ動画の方を貼っておく。妻はワン☆オポじーざす氏の「ゴー!ビッパ団」が気に入っているらしい。息子のツクル氏は八王子P氏の「PARTY ROCK ETERNITY」がお気に入りとのこと。ボクは断然、cosMo@暴走P氏の「戦闘!初音ミク」だ。そんなわけで、是非是非、ニコニコ動画で聴いてみて欲しい!!
2024年5月11日 インターネットの記事の妥当性
38℃のハイフィーバーが3日ほど続いて、ようやく今日になって少し落ち着いてきた。それでも、まだ頭はぼーっとしているし、満足に身動きがとれる状況ではない。ずぅっとベットに突っ伏していた。そんなわけで、絵を描くプロジェクトも頓挫したし、リニューアルしていた「アバウトな創作工房」をもう少し手を入れる作業もストップ。いろいろと予定が狂ってしまった。
それでも、ようやく今日になって少しだけ動けるようになったので、久々にギリシア神話を眺めていた。そうしたら、意外とWikipediaの情報が不正確な部分があることに気づいた。実はギリシア語って、動詞の格変化で主語の人称が分かるようになっている。だから、主語が省略できる。だから、ヘーシオドスの『テオゴニアー(神統記)』の中で、主語が明確じゃない部分がたくさんある。たとえば、合成獣キマイラを生み出した両親とか、オルトロスの配偶者なんかは、三人称単数の「彼女」が主語であることは分かるが、それが誰なのかは文脈上、明確ではない。キマイラの両親は一般的にはテューポーンとエキドナとされている。それはヘーシオドス以外のアポッロドーロスやヒュギーヌスがそう明示しているから、妥当だ。でも、ヘーシオドスの文章だけでは、実のところ、女神ケートーである可能性も、レルネーのヒュドラ―である可能性も否定はできない。同様に、オルトロスの配偶者は一般的にはキマイラとされていて、子供としてスピンクスとネメアのライオンを儲けている。でも、これも同様に主語が省略されていて、エキドナやケートーの可能性もあって、判然としない。
ちなみに、『テオゴニアー』を日本語に訳した廣川氏は、キマイラの母親である「彼女」をレルネーのヒュドラー、オルトロスの配偶者である「彼女」をエキドナとして訳した。さすがにレルネーのヒュドラーがキマイラを生んだという解釈は受け入れられなかったのか、日本語版のWikipediaではキマイラの母親はエキドナとして解説している。しかし、オルトロスの配偶者の方はエキドナになっていて、日本語のWikipediaは全体的にこの解釈で統一されているようだ。でも、英語のWikipediaでは明確に誰と定めることはなく、3つの可能性を挙げるに留めていて、特にキマイラの母親である「彼女」はエキドナである可能性が高いと評価している。
ちなみに、Perseus Digital Libraryの『テオゴニアー』ではオルトロスの配偶者である「彼女」はエキドナと明確に訳されていて、母と息子の逢瀬という解釈を採っている。一方で、ローブ叢書の『テオゴニアー』では「おそらくキマイラ」と注がつけられていて、兄妹の逢瀬という解釈を採っている。ボクはローブ叢書の解釈が合うように思っている。そういう意味では、ひとつの解釈に定めてしまっているWikipediaの記述は正確性を欠いていると言える。ギリシア神話みたいにアクセス数が多そうな記事でも、こういうことがあるのだなあと思って、ちょっとビックリした次第。
……でも、ボクはポリシーとしてWikipediaはいじらない。いじっても誰かに直されるだけなので、ボクはボクの土俵である「ファンタジィ事典」の記事だけをアップデートするのみである。もしも誰か気になった方がいれば、是非、Wikipediaのキマイラとオルトロスとエキドナの項目の記事を修正くださいな。
2024年5月6日 2003年の音楽作品
せっかくウェブサイト「アバウトな創作工房」を再構築したので、過去につくった楽曲を放出してみた。結構、若い頃のボクは神懸っていたと思う。
演劇の舞台用に作成した歌で、本来は歌詞もあって、歌がのる。だから、公開しているのはデモテープ音源である。世界観を統一するために、全体的にAdd9の不協和音でつくっている。ふわーっと広がっていく感じがとても素敵である。
2024年5月5日 創作サイト、復活の狼煙!?
ウェブサイト「アバウトな創作工房」を再構築した。結果としてシンプルなページになった。でも、最近、鋭意、進めている「世界の妖怪」をイラストに描く活動ともリンクできたし、リンク切れになっていたmp3の音楽もSOUNDCLOUDと連携することで再生できるようになった。
元々、ウェブサイト「ヘタっぴなアルコール蒸留」は創作サイトだったのだ。今となっては神話・伝承のウェブサイトに様変わりしている。ボクが変わったのだから、ボクの変化に応じてウェブサイトの在り様も変わっていく。でも、何だか懐かしい気持ちになった。
実は、密かにYOUTUBEとかニコニコ動画との連携も面白いのではないかと思っている。そういう情報発信もある。そういう意味では、いろいろなアプローチを取れる準備が少しずつではあるけれど進んでいる。絵も音も文章も、あらゆる手段でアプローチを図っていきたいなとは常々思っている。
2024年4月28日 リンク切れを修正したところで……
ここのところ、意外と一所懸命にウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新していて、結構いいペースでやっていると安心していたら、大元であるウェブサイト「ヘタっぴなアルコール蒸留」の更新がおろそかになっていた。大陸鉄道(リンク集のこと)のリンク切れも著しいし、創作サイト「アバウトな創作工房」も放置されている。ちょっとこっちにも手を入れようかな、と反省しきりである。
取り急ぎ、大陸鉄道のリンク切れだけは全部、修正しておいた。でも、もはやリンク集そのものが意味をなしていない気がする。最近、相互リンクみたいな発想はなくなってきて久しいし、ボク自身の価値観も変わってきた。もっとちゃんと有益なウェブサイトにリンクを貼ってあげなければ、意味がない。だから、ちょっと時間をかけて見直しを図ろうと思う。今は、取り急ぎ、リンク切れだけを修正だ。
「アバウトな創作工房」も、最近、鋭意、絵を描くことを頑張っているので、その辺がうまくフィードバックされるようにしたいなあ。むにゃむにゃ。
2024年4月24日 ネットロアは都市伝説なのかネタなのか。
最近、朝里樹氏が精力的に都市伝説の本を出している。ボクは比較的、都市伝説も視野に入れて情報収集している方だが、結構、知らないものもたくさん載っている。最近の都市伝説はネットロアが多い。昔だったら、学校や学習塾が都市伝説の媒介になっていた。ときには雑誌やラジオというメディアが介入して、日本各地に広がっていった。今はインターネットの時代なので、当然、インターネット上で拡散していく。匿名の誰かが書き込んだ物語があっちこっちにコピペされながら、コメントがつけられながら、拡散していく。その拡散の速さは口伝えとは比にならない。そして、たくさんの都市伝説が量産されて消費されていく。
都市伝説の量産と消費が、ボクは少しだけ気になっている。昔は「トイレの花子さん」とか「口裂け女」、「人面犬」など、子供たちの間で爆発的に拡散していったとは言え、口伝えだから、広がり方には限界があるし、ムラがある。話には尾ひれがついて変容していく。でも、ネットロアではログが残る。いつ、どこで、どのように語られたのか、最初の書き込みを辿ることができる。だから、みんなで少しずつ都市伝説をつくっていくというよりは、特定の「作者」の存在が透けて見える。ネタのように投稿して、バズっていく感覚がある。
だから、最近の都市伝説と呼ばれるものは物語の展開が複雑で、創作性が高い。ある意味ではよく出来ている。そういう匿名の誰かの創作物を、都市伝説の解説サイトや解説本で紹介することで、あっという間に都市伝説だと認定されてしまう。でも、本当にそれって都市伝説なのだろうか。創作ホラーとか、ネタの一種で、お遊びではないのか。書き手も読み手も、エンタメとして楽しんでいるだけで、リアリティを感じて怖がっているのかどうか定かではない。
山口敏太郎氏の本は、そういう意味で、何でもありという感覚があった。最近の朝里氏も、有名なものを紹介し尽くして、マニアックなものを紹介し出して、少しだけ、その方向性を感じている。ボクも「ファンタジィ事典」を運営しているので、そういう意味では、同じ穴のムジナなので、気を引き締めなきゃいけない。まあ、ボクもごった煮な感じで、混然一体とはしているのだけれど……。
2024年4月20日 音楽をクラウドで聴く時代。
最近の若者はどういう風に音楽と向き合っているのだろう。ボクは古い人間なので、所有欲求があって、サブスクみたいな音楽の聴き方はできない。どうしたって、音源を自分の所有物にしたい。だから、昔は頑なにCDを購入していた。最近はCDラックがパンクして、これ以上、棚を占有できなくなってきたので、mp3をダウンロードすることも多くなってきた。それでも、好きなミュージシャンのものはCDで買うことが多い。
昔はiPodみたいに音楽専用の端末があって、携帯電話と再生機器は分離されていたけれど、今はスマホで音楽が聴ける時代だ。だから、ボクはiTune経由で自分のiPhoneに音楽を放り込んで、通勤中などに聴いている。今更ながら、13,000曲を越えて容量を圧迫していることに気づいた。容量のバーは真っ赤っかだ。
そんなわけで、対策を考えなければいけないと思って、いろいろとリサーチしていたら、Google先生にYouTube Musicが便利だと教えてもらった。通信は必要になるけれど、クラウド上にmp3ファイルをアップロードして、そこにアクセスして音楽が聴ける。そんなわけで、ここのところ、せっせとmp3をYouTube Musicにアップロードする作業に忙殺されている。どのmp3ファイルを移して、どのmp3ファイルを移していないかが分からなくなるといけないので、まずはゲーム音楽から行こうと決めて、ファイナルファンタジーとかドラゴンクエスト、ロマンシング・サガ、聖剣伝説などをYoutube Musicに移し、スマホから削除。ゲーム音楽だけで39タイトルもあった。ライブ・ア・ライブ、クロノ・トリガー、フロント・ミッション、デュープリズム、バハムート・ラグーン、キングダム・ハーツ、ミスティック・クエストなどもある。昔はゲーム音楽にハマっていたなあ。そんなことを思い出した。
ゲーム音楽を移し替えただけでも、スマホの容量は随分減って、水色になった。よかったよかった。これからどんどん整理していこうと思う!!
2024年4月17日 「絵がうまい」とは!?
ボクは絵がうまいわけじゃない。それはよく分かっている。
絵がうまいというのは、ボクの中ではふたつの要素が必要だと思っている。ひとつは、絵を見たらその人の絵だとすぐに分かること。誰が描いても同じだったら、それは意味がない。そしてもうひとつは、絵を見た人が「ああ、この絵が好きだな」と何かしら感じること。きっと、それ以外の要素もいろいろとある。でも、結局、ボクの中ではこのふたつに勝る要素はないように思う。
ボクは、それっぽい絵を描けることはできる。でも、「ああ、これは八朔シータさんの絵だ!」と思わせる個性はないし、「ああ、この絵が好きだ!」と思わせる訴求力もない。だから、決して絵がうまいわけじゃない。もう、完全に白旗を揚げるしかない。
それなのに、pixivやXに定期的に絵をアップロードしているのだから、もう厚顔無恥の極みである。でも、ボクはそれでもよいかな、と思っている。ウェブサイト「ファンタジィ事典」も、文字ばっかりじゃ面白くない。絵があれば、少しだけでもポップになるし、楽しんでもらえるかな、と思っているし、「ファンタジィ事典」の強みにもなるかな、と思っている。
大体、最近の人は文字を読む習慣が薄れている。絵や写真があるのとないのとで、FacebookやXのアクセス数が大きく変わる。だから、絵のパワーを最大限、利用している。そういうわけなので、絵がヘタっぴだと責めるのだけはやめて欲しいし、絵にそんなに過度に期待しないで欲しい。
2024年4月15日 ラッシュ修道士物語!?
オンライン上に『The historie of Frier Rush(フライヤー・ラッシュ物語)』(1626年)を見つけた。英語で、しかも古語だ。たとえば、devilはdiuellと書いてあったりして、訳すのは難しい。それでも面白くて惹きつけられて読んでいる。
冒頭、いきなりベルフェゴール、アスモデウス、ベルゼブブが出てきて会合を開いている。その後、彼らの命を受けて人間に化けて修道院に潜り込んだ悪魔が、徐々に修道士たちの信頼を勝ち取りながら彼らを堕落させていくのが面白い。修道士たちに夜のおともの女性をあてがい、四旬節や晩節、金曜日などの禁じられた日に肉料理を提供し、派閥間に不和をもたらし、武器として警棒を与える。修道士たちはみんなで殴り合う。
ちょっとした綻びから組織が崩壊していく様を見せられているようで、当時の教会を揶揄した風刺的な物語だと思って読むと、なおさら、グッとくるものがある。