ヒッポカムポス
分 類 | ギリシア・ローマ神話 |
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Ἱππόκαμπος(ヒッポカムポス)【古代ギリシア語】 | |
容 姿 | 上半身がウマ、下半身が魚の怪物。 |
特 徴 | 海神ポセイドーンの戦車を牽く。 |
出 典 | アポローニオス『アルゴナウティカ』(前3世紀頃)ほか |
海を駆け回る半馬半魚の怪物!?
ヒッポカムポスは古代ギリシア語で《馬》を意味するἵπποςと《怪物》を意味するκάμποςの合成語で、その名前が示すとおり、上半身がウマで、下半身が魚の姿をした怪物である。
神話の中では、ヒッポカムポスは海神ポセイドーンの戦車を牽くとされ、しばしば2頭、あるいは4頭で戦車を牽く絵が描かれている。また、トリートーンと一緒に泳ぎ、ネーレーイスをその背に乗せるなど、海の住人と一緒にいる姿が多数、描かれている。海の女神テーテュースが騎乗している場合もある。
英雄イアーソーン率いるアルゴー号が金羊毛を求めて航海しているときに、船がリュビアの入り海の砂浜に打ち上げられてにっちもさっちも行かなくなってしまった。そのときに、金色のたてがみを持った巨大なウマが海から出現して、砂浜を走り去った。これはアムピトリーテーがポセイドーンの戦車のくびきから解き放したヒッポカムポスで、イアーソーン一行はこのヒッポカムポスの進路を辿って船を担いでいくことで、再び、海に辿り着き、航海を再開できたという。
ちなみに、ヒッポカムポスは上半身がウマだが、図像の中では上半身がライオンや雄ウシ、ヒョウ、雄ヤギなど、いろいろな獣と魚の合成獣が描かれている。
《参考文献》
- 『アルゴナウティカ アルゴ船物語』(著:アポロニオス,訳:岡道男,講談社文芸文庫,1997年)
Last update: 2024/06/09