キュクロープス
分 類 | [ギリシア神話] |
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Κύκλωψ、〔Kyklōps〕(キュクロープス)《丸い目》【古代ギリシア語】 複数形:Κύκλωπες〔Kyklōpes〕(キュクローペス)【古代ギリシア語】 Cyclops(サイクロプス)【英語】 | |
容 姿 | 一つ眼巨人。 |
特 徴 | 神々の鍛冶師。あるいは人喰い巨人。 |
出 典 | ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など |
キュクロープスはギリシア神話に登場する一つ眼の巨人族である。英語のサイクロプスという言い方の方が知られている。ギリシア神話には、鍛冶師として活躍する神々の仲間のキュクロープスと怪物のキュクロープスの二種類が登場する。
神々の武器を製造する鍛冶師!?
まずは神々の仲間である鍛冶師のキュクロープスを紹介する。彼らはウーラノス(天空)とガイア(大地)の息子たちで、額にひとつの眼しかない醜さから、ウーラノスによって生まれながらにガイアの子宮に押し戻された。その後、一度、クロノスによって地上に出されるが、クロノスはその力を恐れて彼らをタルタロスに幽閉した。ゼウスらオリュムポスの神々がクロノス率いるティーターン族と戦ったとき、ガイアはキュクロープスたちを味方にすれば勝利できると予言した。そのため、ゼウスはキュクロープスたちをタルタロスから解放した。キュクロープスたちは鍛冶仕事を得意としていて、ゼウスには雷霆を、ポセイドーンには三叉の戟を、ハーデースには隠れ帽子を与えた。これらのアイテムを駆使し、オリュムポスの神々はティーターン族に勝利を治めることができた。その後、キュクロープスたちは鍛冶の神ヘーパイストスに仕え、鍛冶仕事をして、神々のためにさまざまな武具(アポッローンの弓、アテーナーの鎧など)を製作した。
オデュッセウスを襲った人喰い巨人!?
もうひとつのキュクロープスはホメーロスの『オデュッセイア』などに登場する人喰い巨人である。有名なのはポリュペーモスで、漂流してきたオデュッセウスたちを洞窟に閉じ込め、彼の部下を6人喰らった。最終的にはワインに酔っ払って眠っているところをオデュッセウスに眼を潰された。
これら二種類のキュクロープスが同じものなのか否かは定かではないが、近年のファンタジー小説やゲームでは人喰い巨人のキュクロープスが登場することが多い。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2019/01/15