白峯相模坊

分 類日本伝承
名 称 白峯相模坊(シラミネサガミボウ)【日本語】
さがん坊(サガンボウ)【日本語】
容 姿大天狗。大きな剣を振りかざした烏天狗。
特 徴崇徳上皇の怨霊を鎮めるために相模から讃岐に移ってきた。白峯陵を守護する。
出 典『天狗経』(年代不詳)ほか

崇徳上皇の陵墓を守護する天狗!?

白峯相模坊(シラミネサガミボウ)は瀬戸内海に張り出した香川の山塊・五色台の白峰山に棲む天狗。単に相模坊、あるいは「さがん坊」とも呼ばれる。『天狗経』に書かれている四十八天狗に名前が挙げられ、八天狗にも名前を連ねている。

讃岐(香川)の天狗なのに「相模」(神奈川)と名前がついているが、元々、相模坊は相模国の大山に君臨していた大行者で、相模坊と称した。しかし、保元の乱(1156年)で崇徳上皇が皇位継承の争いで敗れて讃岐に配流になり、そのまま都の地を踏むことなく失意のうちに亡くなったとき、相模坊は相模から讃岐にやってきて、崇徳上皇の霊前に仕え、霊を慰めた。崇徳上皇は死後、恐ろしい怨霊になって京都に都を襲っているので、それを鎮めようと言うのだから、相当の霊力が求められていたのだろう。今でも多くの眷属を従えて、崇徳上皇の陵墓がある白峰山の聖域を守り続けている。

なお、相模坊が讃岐国に行ってしまった後、相模大山には、伯耆国(鳥取県)から大山伯耆坊が移って相模大山の天狗たちを支配している。

(参考)八天狗とは

八天狗といえば、京都の愛宕山太郎坊、滋賀の比良山次郎坊、京都の鞍馬山僧正坊、長野の飯縄山三郎坊、神奈川の大山伯耆坊、福岡の英彦山豊前坊、奈良の大峰山前鬼坊、香川の白峯相模坊の8人の強力な天狗のこと。その中でも、愛宕山太郎坊がその筆頭である。

《参考文献》

Last update: 2021/04/04

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