ペルセウス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Περσεύς〔Perseus〕(ペルセウス)【古代ギリシア語】
容 姿翼のあるサンダル、隠れ兜を身につけ、青銅の楯、鎌(ハルペー)を持った姿(メドゥーサ退治のときの装備)。
特 徴ギリシア神話の英雄。メドゥーサやケートスを退治。
出 典アポッロドーロス『ビブリオテーケー』(1~2世紀頃)ほか

怪物退治の英雄のテンプレート!?

ペルセウスはギリシア神話に登場する英雄である。最高神ゼウスと人間ダナエーの子で、メドゥーサケートスを退治し、ミュケーナイ王家を創始した。

アルゴス王のアクリシオスは、孫によって殺されるという神託を得て、娘のダナエーを青銅の部屋に幽閉した。しかし、ゼウスは黄金の雨に変身して部屋に忍び込んで逢瀬を重ねた。こうして誕生したのがペルセウスである。アクリシオスは、娘と孫を殺すことができず、二人を箱に閉じ込めて川に流した。こうして親子はセリーポス島に流れ着き、そこで漁師によって助け出された。

成長したペルセウスだったが、セリーポス島の領主ポリュデクテースがダナエーに恋慕し、息子のペルセウスを遠ざけるために、ゴルゴーンのメドゥーサの首を取ってくるように命じた。ペルセウスはアテーナーヘルメースの助けを借りて、メドゥーサ退治に必要な道具を持っているというニュムペーを探す旅に出る。まず、ゴルゴーンたちの姉妹であるグライアたちの元を訪れた。彼女たちは三人でたったひとつの眼と歯を共有しているが、ペルセウスはその眼と歯を奪い、ニュムペーたちの居場所を聞き出すと、ニュムペーたちから翼のあるサンダル、袋(キビシス)、ハーデースの隠れ兜を借り受けた。そして、アテーナーから青銅の楯、ヘルメースから金剛の鎌(ハルペー)を授かると、メドゥーサ退治に乗り出す。アテーナーに手を引かれ、メドゥーサの顔を見ないように、楯に映し出されたメドゥーサの姿を見ながら、ハルペーでメドゥーサの首を斬り落とし、袋(キビシス)にしまった。他のゴルゴーンたちも目を覚ましたが、ペルセウスは隠れ兜で姿を隠して逃げ出した。

メドゥーサ退治を終えた帰路、サンダルで空を飛んでいたペルセウスは、海岸で王女アンドロメダーが岩に括りつけられているのを発見する。彼女の母カッシオペイアが海神ポセイドーンの怒りを買い、海の怪物ケートスの生け贄にされているのだという。ペルセウスはアンドロメダーの父ケーペウスの元を訪れ、彼女との結婚の許可を得ると、ケートスと戦って倒した。こうしてペルセウスはアンドロメダーと結婚した。しかし、アンドロメダーには元々、ピーネウスという婚約者がいたため、ピーネウス一党は婚礼の場に現れてペルセウスを殺そうとした。ペルセウスはメドゥーサの首を袋から取り出し、ピーネウス一党はみんな、石になった。

こうして、アンドロメダーを引き連れて、ペルセウスはセリーポス島に戻り、ポリュデクテースにもメドゥーサの首を見せ、石化させ、母を助け出した。そして、アルゴスに帰還した。この知らせを聞いたアルゴス王のアクリシオスは孫を恐れて王位を退いて、逃亡し、ペルセウスがアルゴス王になった。

ちなみに、あるとき、ペルセウスがラーリッサで開催されていた競技会に出場し、円盤投げをしたときに、円盤が客席に飛んでいき、たまたま観客に当たって、観客が亡くなった。これがアクリシオスで、神託は成就した。ペルセウスは祖父を殺してしまったことを恥じ、ティーリュンスの王メガペンテースと国土を交換し、ミュケーナイの王となり、ミュケーナイ王家の創始者となった。

《参考文献》

Last update: 2021/09/26

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