アメノトリフネ
分 類 | 日本神話 |
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鳥之石楠船神(トリノイワクスフネノカミ)、天鳥船神(アメノトリフネノカミ)〔記〕【日本語】 | |
容 姿 | 神々の乗る船。 |
特 徴 | |
出 典 | 『古事記』(8世紀頃)ほか |
神々を乗せる船の神!?
アメノトリフネは記紀神話において、神々が乗る船を神格化した神。イザナキとイザナミの神産みの神話の最後に、船神のトリノイワスクフネ、食料女神のオオゲツヒメ、火神のカグツチが生まれている。豊穣神が船に乗ってやってくるというイメージがあったため、また、カグツチが農業神の側面も持ち合わせているため、この3人の神々は農業と結び付けられると考えられている。トリノイワクスフネとは「鳥のように進む岩のように固い楠でつくられた船」といったイメージだろうか。
『古事記』ではトリノイワスクフネの名称が先に述べられ、その後、別称としてアメノトリフネが紹介されているが、葦原中国平定の神話では、アメノトリフネの名前で登場する。ここでは、天津神のアマテラスが国津神たちが治める葦原中国を平定するため、高天原からタケミカヅチを派遣するが、その際、アメノトリフネが副使として同行している。タケミカヅチは出雲の浜に降り立つと、十掬劒(とつかのつるぎ)を波に逆さに突き立て、剣の切っ先に胡坐をかいて、国津神のトップのオオクニヌシと国譲りの談判をした。オオクニヌシは息子たちに全てを託すことにしたが、1人目の息子のコトシロヌシは魚釣りをしているとのことで、アメノトリフネが探し出した。そして、コトシロヌシはすんなりとタケミカヅチに服従した。もう1人の息子のタケミナカタはタケミカヅチに力比べを持ちかけたが、タケミカヅチに一捻りにされて降伏した。こうして、葦原中国は天津神たちのものとなった。
現在でも、船と海上運輸を司る神として祀られている。
《参考文献》
Last update: 2020/08/22