コトシロヌシ

分 類日本神話
名 称 八重事代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)、事代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)〔記〕【日本語】
事代主神(コトシロヌシノカミ)〔紀〕【日本語】
容 姿男性神。
特 徴天津神に国を譲り、国津神たちを統率する。
出 典『古事記』(8世紀頃)、『日本書紀』(8世紀頃)ほか

正式なオオクニヌシの後継ぎ!?

コトシロヌシは記紀神話に登場する神。『古事記』によれば、天津神のアマテラスは国津神たちが治める葦原中国を平定するため、高天原からタケミカヅチを派遣する。タケミカヅチは出雲の浜に降り立つと、十掬劒(とつかのつるぎ)を波に逆さに突き立て、剣の切っ先に胡坐をかいて、国津神のトップのオオクニヌシと国譲りの談判をした。オオクニヌシは息子たちに全てを託すことにした。その1人目の息子がコトシロヌシで、美保の岬で魚釣りをしていた。タケミカヅチが交渉を始めると、すぐに国譲りを承知し、船を青柴垣に変身させて、その中に籠ってしまった。もう1人の息子のタケミナカタはタケミカヅチに力比べを持ちかけたが、タケミカヅチに一捻りにされて降伏した。こうして、タケミカヅチが2人の息子たちの了承を得てオオクニヌシの元に戻ると、オオクニヌシは「子供たちの言うとおり、葦原中国は天津神に献上する」と言って、神殿の建造と引き換えに国を譲った。また、オオクニヌシには180人の子供がいるが、コトシロヌシが神々を率いれば、誰も天津神には背かないと説明した。こうして、葦原中国は天津神たちのものとなった。

その後、コトシロヌシは神武天皇や綏靖天皇に娘を嫁がせて、天皇の一族と親戚関係を築いている。宮中には八神殿があり、天皇を守護する8人の神が祀られているが、その中の1人としてコトシロヌシも祀られており、皇室と関係の強い神になっている。

《参考文献》

Last update: 2020/08/22

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