オオゲツヒメ

分 類日本神話
名 称 大宜都比賣神(オオゲツヒメノカミ)〔記〕、大氣津比賣神(オオゲツヒメノカミ)《大いなる食物の女神》【日本語】
容 姿女性神。
特 徴食物女神。鼻や口、尻から食料を出してスサノヲに提供し、殺された。死体からは五穀が誕生した。
出 典『古事記』(8世紀頃)ほか

身体から食物を出す女神、死後、五穀となる!?

オオゲツヒメは記紀神話に登場する穀物女神。イザナキイザナミの「国産み」において、伊予之二名島(イヨノフタナシマ)を産んだ。これは四国のことで、ひとつの身体に4つの顔を持ち、それぞれの顔に名前があった。その顔のうち、阿波国(徳島県)の名前がオオゲツヒメである。しかし、その後の「神産み」においてイザナキとイザナミから誕生する神としてもオオゲツヒメが生まれてくる。「神産み」では船神アメノトリフネと火神カグツチの間に誕生した女神である。

神話では、スサノヲをもてなした女神として登場する。『古事記』では、高天原で暴れ回ったスサノヲは天界を追放され、地上に追放された。そこで、空腹を覚えたスサノヲはオオゲツヒメに食料を求めた。すると、オオゲツヒメは鼻や口、お尻などから食料を出して料理してスサノヲに差し出した。これを見たスサノヲは「汚い食べ物を提供した!」と怒ってオオゲツヒメを殺した。すると、殺されたオオゲツヒメの死体からはさまざまな五穀が誕生した。頭からは蚕が、目からは稲が、耳からは栗が、鼻からは小豆が、陰部からは麦が、尻からは大豆が生まれた。カミムスヒはこれらを取って種とした。

ちなみに『日本書紀』では、ツクヨミがウケモチという食料神を殺して五穀を得る筋書きとなっている。

《参考文献》

Last update: 2020/08/22

サイト内検索