2026年9月6日 ベトナム妖怪を2体追加!!
ベトナムからズイ・ヴァン氏の『Ma Quỷ Dân Gian Ký(ベトナム民間妖怪記)』を調達した記事を2026年8月15日の「念願のベトナムの妖怪図鑑を手に入れた!」で書いたが、その後、ようやくウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新できた。ベトナムの妖怪クイルンとンガイを追加した。
クイルンは森の魔物で、日本の山姥やイギリスのハッグに似ていて、森の奥深くの家で老婆の姿で暮らしていて、訪問者を喰らう。しかも彼女が提供する肉粥は過去の犠牲者の肉で、喰われた犠牲者も肉粥にされてしまうという。ただし、AIにファクトチェックをしてもらったところ、このようなクイルンはベトナム伝承としては一般的ではないらしく、もしかしたらズイ・ヴァン氏の創作である可能性もあるらしい。とは言え、一応、参考文献に載せているので、そのまま、彼の本の記述を紹介してみた。
ンガイは恐ろしい呪いの力を持った薬草で、血を吸って強力になっていく。こちらはAIのファクトチェックで、一般的なベトナム伝承の内容と合致しているようだ。AIというのは便利だな、と感じる。
さてさて。引き続き、ベトナム語の勉強もしつつ、ベトナム妖怪について理解を深めていきたい。
2026年9月14日 ラテン語版『悪魔の偽王国』が面白すぎる件について
ここのところ、ずぅっとヨーハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国(プセウドモナルキア・ダエモヌム)』(1577年)を読んでいる。大元はラテン語で記述されていて、69体の悪魔たちが紹介されている。レジナルド・スコットが『妖術の暴露』(1584年)の中で、英訳したヴァージョン(実際にはラテン語を英訳したのはエイブラハム・フレミングだとされている)を掲載している。おそらく、原典のラテン語版ではなく、この英訳版がヨーロッパ中に膾炙したのだろう。ラテン語から英語に翻訳された時点で、若干、訳し間違えていて、中身が変容している。変容した方の中身が、以降、ヨーロッパの悪魔関連の文献に引き継がれていく。だからこそ、しっかりとラテン語版で読む意味がある。
ラテン語版にしても英語版にしても、ちゃんと日本語にして出版されたものはないと思われる。解説サイトもない。正直、ボク自身は、ほとんど魔法書『レメゲトン』「ゴエティア」(17世紀)と同じような内容だと思い込んでいた。「ゴエティア」が参考にした文献という認識だった。でも、読み進めてみると、悪魔のリストの中にも、悪魔たちの面白エピソードがあったり、悪魔と術者とのスリリングなやりとりがあったり、悪魔の世界のパワーバランスなんかがあったりと、結構、いろんなことが情報として詳しく書いてある。全体を通して読むと、悪魔たちのいろいろな事情が透けて見えて、実に面白い。
そんなわけで、鋭意、ラテン語を読み込んで、ウェブサイト「ファンタジィ事典」に落とし込んでいるところである。乞うご期待。
2026年9月21日 オプシンとチョンサ
コ・ソンベ氏の『韓国妖怪図鑑』を参考に、朝鮮半島の妖怪たちとしてオプシン(業神)とチョンサ(天使)を追加した。しばらくは、こうやって朝鮮半島の妖怪とベトナムの妖怪を中心に項目を拡充させつつ、日本の妖怪と魔法書文献の悪魔をフォローしていこうと思っている。ボクの悪い癖は、あっちこっちに手を出して散漫になることなので、節制しなければいけない。
チョンサ(天使)については、一然(イルヨン)の『三国遺事(サムグクユサ)』の原文に実際に当たってみた。こういう地道な取り組みが大事である。オプシン(業神)については、韓国のアニメや漫画、ゲームなんかでは、もうヒキガエルの姿の神さまみたいになっていることが多い気がするが、古来よりアオダイショウのイメージの方が強かったはずなので、その辺をフォローしてみている。でも、きっとそのうち、ヒキガエルの神さまになってしまうのだろうなあ。もちろん、それはそれで間違ってはいない。妖怪というのは、常に変質していくものである。
2026年9月28日 朝鮮とベトナムの妖怪を続々と更新。
シルバーウィークとその後の土日とで、一気に朝鮮の妖怪とベトナムの妖怪を更新。
コンコンコングィシンとホンコンハルメグィシンは改めてコ・ソンベ氏の『韓国妖怪図鑑』を読み込んで、再構築した。韓国の都市伝説に出てくる現代妖怪である。コンコンコングィシンについては、以前、日本のウェブサイトを参考にした部分もあったが、今回は韓国語で調査したので、若干、軌道修正している。チャングィ(倀鬼)とテジャグィ(太子鬼)は原典の漢文を探して作成してみた。ファンホンソク(還魂石)は妖怪なのかどうかはちょっと分からないが、死んだものを復活させる力がある目がついた石なので、妖怪扱いとして掲載してみた。
そして、ベトナムの妖怪からは、タンジュークア、マータンヴォン、マーレーの3体を更新。ズイ・ヴァン氏の『ベトナム民間妖怪記』を読み込んで更新している。タンジュークアはおそらく非常にマイナだと思う。財宝を埋めるときに、人身御供として一緒に人間も埋めてしまって、財宝を守護する地縛霊にする。恐ろしい呪術である。マータンヴォンは首吊り幽霊で、首吊り仲間を探すために精神干渉してくる。マーレーも同じ首吊り幽霊ではあるが、首を吊って舌が伸びてしまったので、その長い舌を示して驚かせてくる。
そんなわけで、徐々にベトナム妖怪も項目数が増えていて、遂に20項目を超えた。20項目を超えれば、ベトナム妖怪の解説サイトの一端を名乗ってもよいのではないかと思えてくる。もう少し解説の精度が高くなったら、ベトナム妖怪のイラストをまとめる特設ページでも設けてみようかな、と思っているので乞うご期待。



